822

Neisseria

meningitidis呼

吸 器 感 染 症5症

例 の臨 床 的検 討

奈良県立医科大学第2内 科 柳生

善彦

澤木

政好

竹内

章治

国松

幹和 同

播

金

三笠

桂一

古西

満

浜田

薫

成田

亘啓

中央検査部

収

増

谷

喬

之

(平成1年10月16日 受付) (平成1年12月12日 受理)

Key words :

Neisseria meningitidis, Respiratory infection, Transtracheal aspiration (TTA)

要 経 気 管 吸 引 法(transtracheal 染 症 の5例 例,急

に つ い て 検 討 し た.症

性 気 管 支 炎2例,び

肺 癌 と急 性 心 筋 梗 塞,急

旨

aspiration:TTA)に

よ りNeissena

例 は18歳 か ら78歳 の 男 性4例,女

meningitidisを 性1例

ま ん 性 汎 細 気 管 支 炎 の 急 性 増 悪 が1例

独 検 出 は1例

で,他

の4例

誘 因 と して 感 冒 が1例

に 見 られ,気

以 上 よ りN.meningitidisは

序 Neissena

ず つ で あ っ た. 時 検 出 菌 はHaemo-

tubezculosis1例

管 支 鏡 検 査 との 関 連 が2例

に 見 られ た.2例

で あ っ た.

は同室 者 で前後 して

床 像 ・宿 主 要 因 に 特 徴 的 は 所 見 は 認 め な か っ た.

呼 吸 器 感 染 症 の 起 炎 菌 と な り得 る こ とが 示 唆 され た.

Table

文

meningitidis(以

礎 疾 患 は気 管 支 肺 炎 で は

は 複 数 菌 検 出 で あ った.同

philus influen2ae2例,Streptococcus dysgalactne1例,Mycobacterium

の 発 症 で 院 内 感 染 の 可 能 性 が 示 唆 され た.臨

で 疾 患 の 内 訳 は 気 管 支 肺 炎2

で あ った.基

性 気 管 支 炎 で は 間 質 性 肺 炎 と肺 結 核 が 各1例

5例 中N.meningitidis単

検 出 した呼 吸器感

1

Five

nia Determined

下N.meningitidis)

Cases

of Meningococcal

Pneumo-

by TTA

は 流 行 性 脳 髄 膜 炎 菌 の 起 炎 菌 と し て よ く知 ら れ て い る が,本 菌 に よ る 呼 吸 器 感 染 症 の 報 告 は 少 な く, 外 国 で 髄 膜 炎 菌 肺 炎 の 報 告1)∼5)が見 受 け ら れ る の み で あ る.今 cheal

回 我 々 は,経

aspiration以

気 管 吸 引 法(transtra-

下TTA)6)に

gitidisを 検 出 し た5例

よ りNmenin-

の検 討 を 行 っ た の で 報 告

す る. 対 象 お よ び 方 法(Table1) 対 象 はTTAに

よ りN.meningitidisを

た 呼 吸 器 感 染 症 の5例 1例 で,年

齢 は18∼78歳

基 礎 疾 患 は4例

で,性

別 は 男 性4例,女

性

* : LMOX

was administered

for

5 days

40 days

prior

to

TTA

で あ る.

に 認 め ら れ 肺 癌,間

別刷 請 求 先:(〒634)奈

検 出 し

質性肺炎 な

は 症 例1の

良県 橿原 市 四条 町840

奈 良県 立 医科 大 学 附 属病 院

柳生

どで あ る.ま たTTA前

善彦

(LMOX)を5日

の抗 生 物 質 投 与 に つ い て

みTTA施

行40日 前 にlatamoxef

間 投 与 され た が,他 感染症学雑誌

の4例

はN.

第64巻 第7号

N.meningitidis呼

Fig. 1

meningitidis検

Clinical

course

of Case

吸器感 染 症

1. Bronchopneumonia

出前に抗生物質投 与は行 って いな

823

78y.o. Male

Fig. 2

Lung Cancer

Chest

X-P of Case 1

い. 症

例

5症 例 の 臨 床 経 過 を 示 す. 院 内 発 症 と 思 わ れ る も の はin,院 れ る も の はoutと

外 発 症 と思 わ

し た.

症 例1(Fig.1)(in) 78歳,男

性,原

昭 和60年12月23日 年1月15日

に 肺 癌 の 診 断 で 入 院.昭

頃 よ り微 熱 が 出 現 し,喀

日 の 胸 部X線 2月4日

和61

痰 が 増 加.31

写真 で は左 下肺 野 に浸潤 影 を認 め

にTTA施

検 出 さ れ た.5日 始.翌

発 性 肺 癌.

行,N.meningitidisが

単独 で

よ りceftizoxime(CZX)投

日 よ り下 熱 し,以 後N.meningitidisは

与開 検 出

さ れ な か っ た. N.meningitidis検

出 時 の 胸 部X線

写 真 では左

(a)

(b)

横 隔 膜 の 上 に 淡 い 浸 潤 影 が 認 め ら れ た が(Fig. 2a),抗

生 物 質 投 与 後 は 消 失 し た(Fig.2b).

gitidisがH.influenzaeと よ りcefoperazone(CPZ)投

症 例2(Fig.3)(in) 66歳,男

性,間

昭 和61年1月14日 鏡 検 査 後,咳

質 性 肺 炎. 精 査 目的 で 入 院.24日

平 成2年7月20日

にTTAを

与.翌

日

日 よ り下 熱 し

た. 気 管支

嗽 の 増 強 と 共 に38℃ に 及 ぶ 発 熱 が 出

現 し た た め,28日

共 に 検 出 さ れ た.同

施 行,N.menin-

症 例3(Fig.4)(out) 56歳,男

性,急

昭 和61年2月20日

性 心 筋 梗 塞. 突 然 の 左 胸 痛 の た め に緊 急 入

柳生 善彦 他

824

Fig. 3

Clinical

course

of Case 2. Acute

Bronchitis

66y.o. Male Interstitial

Pneu-

monia

Fig. 4

Clinical

neumonia

course

of

Case

56y.o. Male, Acute

3.

Bronchop-

Myocardial

Infarc-

tion

以 後N.meningitidisは

検 出 さ れ な か っ た.

症 例4(Fig.5)(in) 18歳,男

性,び

ま ん 性 汎 細 気 管 支 炎(DPB).

入 院 時 よ り多 量 膿 性 痰 が 認 め ら れ た が,発 な か っ た.昭 TTAで

和63年6月22日

はH.influenzaeの

熱 は

入 院 時 施 行 し た み 検 出 し た.7月8日

気 管 支 鏡 検 査 後 一 時 発 熱 し た も の の す ぐ下 熱.そ の 後,喀

痰 が 徐 々 に増 加 し微 熱 も出 現 す る よ うに

な っ た た め,7月31日2回 influenzaeと

目 のTTAを

施 行,H-

共 にN.meningitidisが

た め,8月2日

検 出 された

よ り15日 ま でBRL28500を

投 与 し

た と こ ろ,微

熱 は 消 失 し 喀 痰 量 も 減 少 し た.

BRL28500投

与 後 に 施 行 し たTTAで

meningitidisは

はN.

検 出 さ れ な か っ た.

症 例5(Fig.6)(out) 18歳,女

性,肺

昭 和58年11月 が 出 現.中

結 核. 初 旬 頃 よ り,咳

近 医 受 診 し 胸 部X線 院 と な る.入

院 時 胸 部X線

写 真 上 心 肥 大,右

の 浸 潤 影 が 認 め ら れ,21日

にTTA施

meningitidisがS.dysgalactiaeと た.同

日 よ りLMOX投

与 開 始.翌

下 葉

行.N

嗽 と共 に 右 背 部 痛

旬 よ り鼻 汁 等 の 感 冒 様 症 状 が 加 わ る. 上 右上 肺 野 の空洞 指摘 され

22日 当 科 紹 介 受 診.こ の 頃 よ り微 熱 と膿 性 痰 出 現, 11月30日

入 院,同

共 に検 出 され

とMycobacterium

日 よ り下 熱 し,

enoxacin(ENOX)投

日TTA施

行.N.menilngitidis

tuberculosisが

検 出 さ れ た.

与 を 行 っ た と こ ろ,喀

感染症学雑誌

痰 よ

第64巻 第7号

N.meningitidis呼

Fig. 5

Fig.

6

吸 器 感染 症

825

Clinical course of Case 4. Diffuse panbronchiolitis

Clinical

course

of Case

5. Acute

Bronchitis

(DPB) 18y.o. Male

18y.o. Female

Pulmonary

tuberculosis

りの結 核 菌 は持 続 した ま ま で あ った が,微 失 し喀 痰 量 は減 少 した.

熱 は消

結

果(Table2)

疾 患 の 内 訳 は気 管 支 肺 炎2例,気

管 支 炎2例,

び ま ん 性汎 細 気 管 支 炎 の急 性 増 悪1例 平 成2年7月20日

で あ った.

柳生 善 彦 他

826 Table

* in= onset

of infection

Summary

out

of N. meningitidis

Infection

of hospital

groupable

Table

TLC= total lymphocyte *The dinitrochlorbenzene

3

Host

count, N.D.= not detected (DNCB) skin test was performed

†The results are expressed Con

of five cases

in hospital

out= onset of infection ** Same room §NG=not

2

as cpm (count per minute).

Factors

in five cases

and interpreted

according

of Yoneda

et al7)

and 24300-58200 in PHA and

A, respectively.

TTA検

出 菌 で は5例

独 検 出 は1例

の う ちN.meningitidis単

で,他 の4例

influenzae

2例,Stre-

ptcoccus dysgalactiae1例,Mycobacterium cuhsis1例

で あ っ た.症

N.meningitidisを

抗 生 物 質 治 療 に は 全 例 良好 な反 応 を 示 した.症

は 複 数 菌 検 出 で あ っ た.

同 時 検 出 菌 はHaemophilus

例1,5で

tuberは喀痰 か らも

分 離 し,喀 痰 の 塗 抹 標 本 に て 好

例1,2,3に

つ い て は,検 出 され たN.menin-

gitidisの 血 清 型 同定 を 行 った が,3検 宿 主 要 因 に つ い て は5例

熱 を 認 め た が,共

通 した特 徴 的 な症 状

は 認 め な か っ た.誘 因 と し て 感 冒 が1例 気 管 支 鏡 検 査 と の 関 連 が2例 所 で は 症 例1,2,4が の う ち 症 例1,2は

中4例

にDNCB反

応

の低 下 を 認 め た が,全 体 と して 特 徴 的 な 所 見 は認

考

臨 床 症 状 と し て 全 例 に 咳 嗽 ・喀 痰 の 出 現 あ る い は 増 強,発

体 と も型 別

不 能 で あ った.

め な か った(Table3).

中 球 内 に 本 菌 の 存 在 を 認 め た.

あ っ た.

to the technique

Healthy subjects showed 37700-62400

に 見 ら れ,

に 見 ら れ た.発

症場

院 内 発 症 と考 え ら れ,そ 同病 室 で前 後 して の発 症 で

N.meningitidisは

察

我 が 国で は法定 伝 染病 で あ

る流 行 性 脳 脊 髄 膜 炎 の 起 炎 菌 と して よ く知 られ て い る が,本 菌 に よ る呼 吸 器 感 染 症 の報 告 は ほ とん どな い.一 方 外 国 で は,髄 膜 炎 菌 肺 炎 と して 軍 隊 で の ウ イ ル ス 感 染 に 伴 な った 集 団 発 生 な ど の 報 告1)∼3)や,院 内 感 染 症 と し て 本 症 を 重 視 す る 報 感 染 症 学雑 誌

第64巻

第7号

N.meningitidis呼

Fig. 7

Clinical

courses

of three

吸 器感 染 症

cases

occurring

827

in the same

ward.

Casel room203

Case2 room203

Case3 room204

告4)5)が見 受 け ら れ る.Irwinら1)に

よ れ ぽN.

ら,院 内 感 染 の可 能 性 が 考 え られ た.上

述の如 く

meningitidisは 血 液 中 へ の 流 出 が な く と も重 篤 な

外 国 で は 院 内 感 染 症 と し て本 菌 に よ る 呼 吸 器 感 染

呼 吸器 の 感 染 を起 こす こ とが 可 能 で あ り,原 発 性

症 を重 視 す る報 告 も見 られ,今

髄 膜 炎 菌 肺 炎 は決 して 稀 で は な い と して い る.

の と考 え る.ま た 一 般 に 本 菌 の健 康 保 菌 者 い わ ゆ

我 々 の5症 例 は 本 菌 をTTAで

確 認 した 訳 で あ

る が,単 独 感 染 は1例 で 他 は複 数 菌 感 染 で あ る.

後 注 意 を要 す る も

る キ ャ リア ーの 存 在 が知 られ て お り,我 々 も症 例 5の1例

だ け で あ る が 鼻 咽 頭 培 養 を 行 い本 菌 を 検

複 数 菌 感 染 症 に お け る個 々 の細 菌 の 役 割 を 決 定 す

出 した.他 の4例

る の は難 しい が,我

感 染 症 発 症 とキ ャ リア ー との 関 わ りを 検 討 して い

々 は 臨 床 経 過 な ど も併 せ て こ

れ ら のN.meningitidisが

今 回の感染 エ ピ ソー ド

で 重 要 な役 割 を 果 た して い た もの と考 え る.

に つ い て は 今 回 行 わ な か った が,

く上 に お い て も家 族 の上 気 道 感 染 症 状 の 有 無

鼻

咽 頭 培 養 な ど も含 め て積 極 的 に検 索 す る こ とが 望

今 回 の5症 例 に本 菌 感 染 症 の特 徴 的 な症 状 の 有

ま しい と思 わ れ る.更 に先 行 す る ウ イル ス感 染,

無 に つ い て検 討 した と ころ,全 例 に 咳 嗽,喀 痰,

特 に ア デ ノ ウイ ル ス,イ

発 熱 な どの 呼 吸 器 症 状 を 認 め た が,髄 膜 刺 激 症 状

の 関 わ りを 重 視 す る報 告1)∼3)が あ り,今 回 我 々 は

や 他 の 特 異 的 な 所 見 は得 られ な か った.前

述の

実 施 しな か っ た が ウ イル ス抗 体 価 の測 定 が 上 記 の

も本 菌 に よ る 呼 吸 器 感 染 症 の 臨 床 症 状 に

鼻 咽 頭 培 養 に加 え て 重 要 な検 討 項 目で あ る と考 え

Irwinら

特 徴 的 な も の は な く,ま た通 常 の 喀 痰 検 査 で は本 菌 を検 出 す る こ とは 難 し くTTAを

施行す るこ と

が望 ま し い と して い る. 次 に5例

の うち3例

た の で ま とめ て み る と(Fig.7),症 室 者 で症 例3は

た. 呼 吸器 感 染 症 に お け る本 菌 の血 清 型 に 関 して は 報 告 例 で はY型

は時 期 的 に 前 後 して 発 症 し 例1,2は

同

そ の 隣 室 で あ った.症 例1,2に

ン フル エ ンザ ウ イル ス と

が 多 い と さ れ て お り,Darne11

ら8)が文 献 的 に 集 計 し た105例 中83例 がY型 あ った.我

々の5例

の うち 症 例1,2,3に

つい

て 血 清 型 別 同 定 を神 奈 川 県 衛 生 研 究 所 に依 頼 し検

関 し て は 患 者 同志 の接 触 も認 め られ て お り,ま た

索 した が,い

本 菌 の血 清 型 が と もに 型 別 不 能 で あ る こ とな どか

が 高頻 度 で あ った 報 告 と し てLewisら9)の

平 成2年7月20日

で

ず れ も型 別 不 能 で あ った.型 別 不 能 報告 が

柳生 善彦 他

828

あ り9例 中5例 が 型 別 不 能 で あ った.こ 確 に は 説 明 で き な い が,髄 meningitidisの

中 で はA型

の差 は 明

器 感 染 症 を 起 こす 本 菌 と髄 膜 炎 を 起 こす 本 菌 とは 病 原 性 に な ん らか の違 い が あ る可 能 性 も考 え られ た. meningitidisは

呼吸

器 感 染 症 の起 炎 菌 な り得 る こ とが示 唆 され た. 結 TTAに

文

plicating adenoviral pneumonia. A comparison of respiratory tract bacterial culture sources and effectiveness of chemoprophylaxis against bacterial pneumonia. Am. J. Med., 56: 169

検 出 した 呼 吸

1. 疾 患 の 内 訳 は,気 管 支 肺 炎2例,急

で

あ った.基 礎 疾 患 は 気 管 支 肺 炎 で は肺 癌 と急 性 心 筋 梗 塞,急 性 気 管 支 炎 で は,間 質 性 肺 炎 と肺 結 核 ず つ で あ った.

2. N.meningltidis単

独 検 出 は1例 で,他

例 は 複 数 菌 検 出 で あ っ た.同

4.2例

6)

に見 られ,気 管 支 鏡 検

は 同病 室 で 前 後 して の 発 症 で 院 内 感 染 応 の 低 下 が5例

中4

例 に見 られ た が全 体 的 に は 臨床 像 ・宿 主 要 因 に は 特 徴 的 な 所 見 は認 め な か った. 5.

澤 木 政 好:

呼 吸 器 系 に お け る一 般 細 菌 感 染 の 実 態

に 関 す る 経 気 管 吸 引 法 に よ る研 究. 奈 良 医 誌, 34:

に 見 られ た.

が 示 唆 さ れ,ま たDNCB反

gococcal pneumonia : A sourse of nosocomial infection. Arch. Intern. Med., 141: 575-577, 1981.

時 検 出 菌 はH.

losis1例 で あ った.

査 との 関 連 が2例

,1974.

4) Barnes, R.V., Dopp, A.C., Gelberg, H.J. & Sliva, J. Jr. : Neisseria meningitidis A cause of nosocomial pneumonia. Am. Rev. Respir. Dis., 111 : 229-231, 1975. 5) Rose, H.D., Lenz, I.E. & Sheth, N.K. : Menin-

の4

influen2ae2例,S.dysgalactiae1例,M.tubercu-

3 .誘 因 と して 感 冒 が1例

-178

性気管支

慢 性 汎 細 気 管 支 炎 の 急 性 増 悪1例

献

gococcal pneumonia. Am. Rev. Respir. Dis., 109 : 480-483, 1974. 3) Ellenbogen, C., Graybill, J.R., Silva, J. Jr. & Homme, P.J. : Bacterial pneumonia com-

語

よ りN.meningitidisを

が そ れ ぞ れ1例

於 て 発 表 し た.

1) Irwin, R.V., Woelk, W.K. & Coudon, W.L. : Primary meningococcal pneumonia. Ann. Intern. Med., 82 : 493-498, 1975. 2) Ball, J.H. & Young, D.A. : Primary menin-

器 感 染 症 を5例 検 討 した.

炎2例,び

古 屋)に

膜 炎 を 起 こ すN.

が 多 い こ とか ら,呼 吸

以 上 の こ と よ りNeisseria

月21日,名

3例 に つ い て 血 清 型 同 定 を検 索 した が,い ず

れ も型 別 不 能 で あ った. 以 上 よ りN.meningitiiisは

呼吸器感 染症 の起

炎 菌 で あ る こ とが示 唆 され た.

785-804,

1983.

7) Yoneda, T., Mikami, R., Sakaguchi, Y. & Shirai, F.: The relationship between natural killer cell activity and delayed-type hypersensitivity reaction to 2,4-dinitrochlorbenzene in the spectrum of chronic, intractable pulmonary tuberculosis. Tubercle, 68 : 59-64, 1987. 8) Darnell, J.C. & Brandt, M.J. : Primary meningococcal pneumonia : A report of three cases. J. Indi. Stea, Med. Asso., 794 : 798, 1981. 9) Lewis, J.F., Arnold, C. & Alexander, J.: Meningococcal pneumonia. Am. J. Clin. Pathol., 59 : 388-390, 1973.

本論文の要 旨は第62回 日本感染症学会総会(昭 和63年4

感 染 症 学 雑誌

第64巻

第7号

N.meningitidis呼

吸器 感 染 症

829

A Clinical Study on Five Cases of Respiratory Infections Caused by Neisseria meningitidis Yoshihiko YAGYU,Masayoshi SAWAKI, Keiichi MIKASA, Mitsuru KONISHI, Syoji TAKEUCHI, Mikikazu KUNIMATSU, Kaoru HAMADA & Nobuhiro NARITA The SecondDepartmentof InternalMedicine,Nara MedicalUniversity Osamu HARIGANE& Takayuki MASUTANI The Departmentof CentralLaboratory,Nara MedicalUniversity Five cases of the respiratory infections, in which Neisseria meningitidis was isolated upon the examination of the transtracheal aspiration (TTA), were reported. Patients studied were four males at the ages of 18, 56, 66 and 78 years, and a 18-year old female . Five cases were bronchopneumonia (two cases), acute bronchitis (two cases) and diffuse panbronchiolitis (DPB) (one case). Underlying diseases were as follows: lung cancer or acute myocardial infarction in cases of bronchopneumonia, and interstitial pneumonia or pulmonary tuberculosis in cases of acute bronchitis. There was a case in which only N. meningitidis was clutured from specimens obtained by TTA, although anothor different organis, in addition to N. meningitidis, was recovered from the patient of other cases. Other organisms found together with N. miningitidis were H. influenzae (2 cases), S. dysgalactiae (1 case) and M. tuberculosis (1 case). Predisposing factors were common cold in the female patient and bronchoscopic examination in the cases of lung cancer and of interstitial pneumonia. Two of the five cases occurred consecutively in the same room and so they were considered as nosocomial infections. With these findings, it can be posturated that N. meningitidis might be one of the etiological agents of the respiratory infections.

平 成2年7月20日