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食衛誌 Vol. 56, No. 1

ノート

LC-MS を用いた食品中の着色料検出法 (平成 26 年 4 月 25 日受理)

山 口 瑞 香 *  梶 村 計 志 Analysis of Colorants in Foods Using Liquid Chromatography-Mass Spectrometry Mizuka Yamaguchi* and Keiji Kajimura Osaka Prefectural Institute of Public Health: 1–3–69 Nakamichi, Higashinari-ku, Osaka 537–0025, Japan; * Corresponding author A method using liquid chromatography coupled with mass spectrometry(LC-MS)was developed for the simultaneous determination of colorants in foods. Twenty-five colorants were extracted from foods with water or methanol and ammonia water, and cleaned up with a solid-phase extraction column. Recovery rates were between 71 and 113%, and relative standard deviations were less than 10%. The detection limits of the colorants were 0.2–0.8 μg/g. The analytical method using LCMS established in this study is suitable for the detection of colorants in processed foods. (Received April 25, 2014) Key words: 着色料 colorant; 固相抽出カラム solid-phase extraction column; ポリアミド polyamide 緒   言

いる 4).従来の精製法を固相抽出カラムにすることにより,

着色料は合成色素と天然色素に大別される.わが国では,

前処理法の簡便化が期待できる.そこで今回,LC-MS に

12 種類の合成色素および多数の天然色素の食品への使用が

よる,12 種類の許可合成色素を含む 25 種類の着色料を対

許可されている.しかし,表示されていない着色料の検出

象とした固相抽出カラム精製を用いた一斉分析法を検討し

事例や輸入食品から指定外着色料が検出される事例が数多

た.

く発生しており,多種類の着色料に適応可能な迅速かつ正 実験方法

確な試験法が求められている. 当所では薄層クロマトグラフィー(TLC)を用いた着色

試   料

料の検査を実施している.しかし,一部の試料において,

市販の菓子類,魚介類加工品等 30 検体を使用した.

使用量が少ないと推測される着色料の感度不足や試料由来

試薬および器具

の妨害成分によって Rf 値が一致しないなどの問題が生じた.

着色料標準品

着色料の分析方法としては TLC のほかに高速液体クロマ

許可色素: 食用赤色 2 号(R2),食用赤色 3 号(R3),食

トグラフィー(HPLC)が汎用されている

1) ∼4)

.しかし,

用赤色 40 号(R40),食用赤色 102 号(R102),食用赤色

HPLC による多成分一斉分析の場合,類似するスペクトル

104 号(R104),食用赤色 105 号(R105),食用赤色 106 号

を有する着色料が近接して検出すると同定が困難になる場

(R106),食用青色 1 号(B1),食用青色 2 号(B2),食用

合がある.最近では,さらに選択性の高い高速液体クロマ

黄色 4 号(Y4),食用黄色 5 号(Y5),食用緑色 3 号(G3)

トグラフ質量分析計(LC-MS)を用いた着色料分析法が

は医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団製を用い

報告されている 5), 6).LC-MS を使用することにより,HPLC

た.

ではピークの分離が困難であった着色料が同時に分析でき, これまで以上に多種類の着色料を一斉に分析できると考え

天然色素: コチニール色素(Co),ラック色素(Lac)は 和光純薬工業(株)製を使用した.

られた.前処理法では,食品分析の精製に利用されている

指定外色素: キノリンイエロー(QY)は MP Biomedicals,

市販の固相抽出カラムの着色料分析への使用が報告されて

Inc.(a),東京化成工業(株) (b)および Sigma-Aldrich 社 製(c)を使用した.アシッドバイオレット 6B(AV6B),

* 連絡先 

大阪府立公衆衛生研究所: 〒537–0025 大阪市東成区中道 1–3–69

アゾルビン S(AZS) ,エオシン Y(ESY) ,オレンジ II(O2) , ナフトールイエロー S(NYS) ,パテントブルー VF(PBVF) , ポンソー 3R(PC3R)は和光純薬工業(株)製,アシッドグ

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LC-MS を用いた食品中の着色料検出法

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リーン3(AG)は東京化成工業 (株) 製,ポンソー2R(PC2R)

<MS 条件>

は Chroma Gesellschaft Schmidt & Co. 社製,パテントブ

イオン化法: エレクトロスプレーイオン化(ESI)法,

ルー V(PBV)は Sigma-Aldrich 社製を用いた. 標準溶液: 標準品をおのおの 10 mg

イオン化モード: Negative, 分析モード: SIR, Scan 測定

量し,50%メタ

範囲: m/z 200∼900, DL 温度: 250℃, ネブライザーガス

ノール水溶液 5 mL に溶解して 2,000 μg/mL の標準原液を

(N2)流量: 1.5 L/min, ヒートブロック温度: 200℃, ドラ

調製した.各標準原液を等量混合し,混合標準溶液を調製

イイングガス(N2)流量: 15 L/min, インターフェイス電

した.この混合標準溶液を水で希釈し,0.5∼20 μg/mL の

圧: 4.5 kV.物質ごとの条件は Table 1 に示した.

検量線作成用標準溶液を作成した.

TLC 条件

LC/MS 用,メタノールは和光純薬工業 (株) 製高速液体クロ

薄 層 板: メ ル ク ミ リ ポ ア 社 製 TLC ガ ラ ス プ レ ー ト  シリカゲル 60, 展開溶媒: 酢酸エチル–メタノール–25%

マトグラフィー用試薬,酢酸エチルは和光純薬工業(株)製

アンモニア水(2 : 1 : 1),展開距離: 10 cm, スポット量:

残留農薬・PCB 試験用を用い,酢酸,25%アンモニア水お

5 μL.

その他の試薬: アセトニトリルは和光純薬工業(株)製

よび酢酸アンモニウムは和光純薬工業(株)製試薬特級を用

試験溶液の調製

いた.水はメルクミリポア社製 MQ-Advantage により精製

試料約 5 g を採取し,タンパク質および糖質が多い試料 にはメタノール,その他の試料には水を約 50 mL 加えて

して用いた. 固 相 抽 出 カ ラ ム: Supelco Discovery DPA-6S 500 mg

かくはんしながら加温した.試料がなお着色しており抽出

(以下 DPA カラム)および和光純薬工業(株)Presep Poly-

液の着色が十分でない場合は 1%アンモニア水を添加して

amide C-200 Type M 2 g/25 mL(以下 C-200 カラム)は,

pH を 8∼9 に調整し,さらにかくはんしながら加温して着

あらかじめメタノール,水各 10 mL でコンディショニング

色料を抽出した.5℃, 3,000 rpm で 10 分間遠心分離し,

して使用した.

上清を水抽出液はそのまま,メタノール抽出液は半分程度

メンブランフィルター: アドバンテック東洋 (株)製 DISMIC(親水性 PTFE, 13 mmφ , 0.2 μm)を使用した.

ろ紙: アドバンテック東洋(株)製 定量ろ紙 5A を用い

た.

に濃縮して同量の水を加えて着色料抽出液とした.この抽 出液を 4%酢酸で pH を 3∼4 に調整し,ろ紙を用いてろ過 後,DPA カラムに負荷した.水で流出液が透明になるまで

装   置

洗浄後,さらにメタノールで流出液が透明になるまで洗浄 し,1%アンモニア水–メタノール(1 : 1)5 mL により着色

遠心分離器は Model 5922((株)久保田製作所製)を,

料を溶出した.その後溶出液を濃縮し,水で 2 mL に定容

LC-MS は LCMS-2020((株)島津製作所製)を用いた. LC-MS 測定条件

後,メンブランフィルターでろ過して試験溶液とした. 添加回収試験

<HPLC 条件>

着色料が使用されていない炭酸飲料およびゼリーおのお

分析カラム: 一般財団法人 化学物質評価研究機構 Lcolumn HB(2.1×150 mm, 5 μm),カラム温度: 40℃, 流

の 5 併行で,2 μg/g となるよう 25 種類の混合着色料標準溶 液を添加し,添加回収試験を実施した.

速: 0.2 mL/min, 注入量: 5 μL, 移動相: A 液: 10 mmol/L 酢酸アンモニウム水溶液 B 液: アセトニトリル,グラ

結果および考察

ジエント条件: B 液 3%(0 min)→55%(30 min)→70%

QY 標準品の選定

(35 min)→3%(43 min), PDA 測定波長: 200∼900 nm.

QY は輸入品を対象とした検疫所の検査において違反が

Table 1. SIR conditions Name

Color index

m/z

RT

Name

Color index

R2 R3 R40 R102 R104 R105 R106 Y4 Y5 B1 B2 G3 Co

16185 45430 16035 16255 45410 45440 45100 19140 15985 42090 73015 42053 75470

268 834 451 268 784 972 557 233 203 748 421 764 491

6.7 20.0 12.4 9.7 23.2 25.3 22.3 5.4 10.7 17.8 7.4 17.1 6.7

PC3R PC2R AZS ESY AV6B NY QY

16155 16150 14720 45380 42640 10316 47005

O2 PBV PBVF AG Lac

15510 42051 42045 42085 75450

m/z 449 435 457 646 710 313 432(di) 352(mono) 327 559 543 685 536

RT 18.3 16.7 16.1 17.4 25.4 10.8 11.4 18.4 22.5 23.1 21.2 25.3 8.1

RT: Retention time(min)

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食衛誌 Vol. 56, No. 1

見つかっており,指定外着色料の中でも検査の必要性が高

きるグラジエント条件を構築した.その結果,25 種類の

い着色料である.QY はキノリルインダンジオン骨格にス

着色料の同時測定が可能となった.R40, R3, R104, R105,

ルホン酸基が付加したものの混合物である 2).指定外着色

G3, B1, B2, NYS, QY-di, AZS, ESY, PC2R および PC3R は

料である QY は食品添加物としての規格基準が存在しない

2− , [M−2Na+H]−, Y4, R2 および R102 は[M−3Na+H]

ため,その混合比率がメーカーにより大きく異なる可能性

R106, QY-mono, O2, AV6B, PBV お よ び PBVF は[M−

がある.そこで今回,3 社の QY を測定し,混合比率を確認

− , Y5 は[M−2Na]2−と考えられるスペクトルが最も Na]

した.質量電荷比(m/z)352 はスルホン酸基が 1 個(QY-

高感度で検出されたため,これらを測定イオンとした.

mono), 432 は 2 個付加した化合物(QY-di)の検出に用い

Scan 測定および PDA 測定を同時に行い,スペクトルによ

た.測定の結果, (a)は主に QY-mono, (b)は主に QY-di,

る定性確認を実施した.Fig. 2 に 25 種類の混合標準溶液の

(c)は QY-mono および QY-di が確認でき,メーカーによ

クロマトグラムを示した.一部の物質は保持時間が一致し

り混合比率に違いがあることが分かった(Fig. 1).また,

たため,SIR にてピークが確認できた場合は,Scan 測定に

同一 m/z でも複数のピークが確認できることからスルホン

て得られた MS スペクトルの確認を行った.また,PDA を

酸基の付加する位置によって,保持時間が変化すると考え

用いて天然色素は 254 nm, 青色系色素は 610 nm, 赤色系

られた.今回,QY の標準品として QY-mono および QY-di

色素は 520 nm, 黄色系色素は 450 nm のクロマトグラムを

が同程度混合されていた SIGMA 社製を用い,m/z 352 およ

確認するとともに PDA スペクトルの確認も実施した.本

び 432 で最も高感度であった 18.4 分および 11.4 分のピー

法の検出限界は測定イオンから得られるクロマトグラムが

クにて検出を判断した.食品中から QY を検出する際は,

S/N≧3 となる標準溶液の濃度から算出し,試料あたり B2

m/z 352 または 432 のピークを確認する必要があると考え

は 0.8 μg/g, AZS および QY-di は 0.4 μg/g,その他を 0.2 μg/g

られる.

とした. 前処理方法の検討

LC-MS 条件の検討 イオン化には ESI 法を選択し,各標準溶液を用いて測定

食品衛生検査指針 1)には,試料から水などにより抽出し

の測定条件を参考に,LC

た着色料を,酸性条件下でポリアミドに吸着させて精製を

条件の最適化を行った.関戸ら

5)

の移動相に酢酸アンモニウム水溶液およびアセトニトリル,

行う分析法が掲載されている.しかし,この方法はポリア

分析カラムに同種の固定相の L-column HB を使用した.

ミド粉末のカラムへの充填操作と大量の洗浄液を必要とす

R2 と R102 は異性体であり m/z が同一であるため,分離で

るため煩雑であった.そこで精製の原理を変えずに操作を

Fig. 1. Chromatograms of Quinoline Yellow (a)MP Biomedicals, Inc.;(b)Tokyo Chemical Industry Co., Ltd.;(c)Sigma-Aldrich

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LC-MS を用いた食品中の着色料検出法

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Fig. 2. Chromatograms of 25 colorants(20 μg/mL) (a)Scan chromatogram;(b)PDA chromatograms Table 2. Recoveries of colorants from samples Name

Carbonated drink

Jelly

Name

Carbonated drink

Jelly

Extract

Water

Methanol

Extract

Water

Methanol

R2 R3 R40 R102 R104 R105 R106 Y4 Y5 B1 B2 G3 Co

Recovery

RSD

Recovery

RSD

98 93 85 105 77 72 113 105 109 99 107 100 99

3 4 4 4 3 3 2 3 6 4 9 3 5

99 106 84 93 83 71 109 101 104 98 100 101 107

6 2 3 4 5 4 2 3 2 4 3 1 5

  PC3R PC2R AZS ESY AV6B NY QY(di) (mono) O2 PBV PBVF AG Lac

Recovery

RSD

Recovery

RSD

100 94 76 97 91 82 107 105 109 104 113 95 105

3 3 4 3 3 3 2 4 3 2 3 4 4

94 87 78 103 101 80 97 94 100 103 108 99 101

4 4 5 2 3 3 5 3 3 3 3 3 3

簡便化するため,市販のポリアミド固相抽出カラムである

カラムは溶出操作を行った後もカラムが着色しており,

DPA カラムと C-200 カラムを用いて精製法の検討を行っ

R105 がカラムに残存していると考えられた.このことか

た.Y4, R2, R3 および R105 が含まれるゼリー様食品から

ら,精製には DPA カラムを用いることとした.

回収できる着色料を比較した.その結果,Y4, R2 および R3

次に抽出液について検討した.着色料が使用される食品

では大きな差はなかったが,R105 では,DPA カラムは

は多岐にわたり,ゼリーや魚肉練り製品では,水を抽出液

C-200 カラムより 1.5 倍回収量が多かった.また,C-200

とした場合,カラムが詰まり精製が困難であった.水抽出

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食衛誌 Vol. 56, No. 1 Table 3. Detection of colorants in commercial foods sample

1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 15. 16. 17. 18. 19. 20. 21. 22. 23. 24. 25. 26. 27. 28.

Candy Gummi candy Marshmallow Minced and fried flesh Fish paste Fish sausage Rice cracker Shrimp cracker Half-finished shrimp cracker Fried rice cracker Dry gluten Seasoned cod roe* Chocolate 1 Chocolate 2 Chocolate 3* Chocolate 4* Biscuit Cracker* Corn chips Potato chips Jelly Jelly beans 1 Jelly beans 2 Mango pudding Sweet pink rice cake Carbonated drink Powder juice Caramel syrup

Food labeling

Extraction solvent

LC-MS not detected

TLC not detected

R102 Y4 R40 B1 Y4 Y5 R40 B1 R106 B1 R106 Co Y4 Y5 R102 R106 B1 Y5 R102 Y4 Y5 R102 B1 Y4 Y5 R3 B1 Y4 R106 B1 Y5 R3 R102 Y4 Y5 R40 B1 Y4 Y5 R40 B1 Y4 B1 R40 B1 R102 Y4 Y5 B1 Y4 Y5 B1 Y4 Y5 R40 Y4 Y5 R102 R106 B1 Y4 Y5 B1 Lac Y4 Y5 R40 B1 B2 Y4 R40 Co R40 B1 Y4 R2 R3 B1 B2 Y4 Y5 R40

Water Ammonia water Water or methanol Methanol Methanol Water Ammonia water Ammonia water Ammonia water Ammonia water Ammonia methanol Methanol Water Methanol Methanol Methanol Water Water Methanol Methanol Ammonia methanol Methanol Methanol Methanol Ammonia methanol Water Water Methanol

̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶

̶ ̶ ̶ ̶ ̶ ̶ R102 ̶ B1 R3 ̶ R3 ̶ Y4 Y4 B1 ̶ B1 ̶ ̶ ̶ Lac ̶ ̶ Co B1 ̶ ̶

̶: All colorants were detected.

* Samples of 10 g were used.

で精製が困難であった糖質やタンパク質を多く含む試料は,

でき,マススペクトルおよび PDA スペクトルも確認できた.

除タンパクおよび糖質の抽出量を低減する目的でメタノー

また,No. 18 のクラッカーの B1, No. 12 の明太子の R3, No.

ルによる抽出を行った.しかし,メタノールのみの抽出液

28 のキャラメルシロップの R40 は試料 5 g では検出できな

を DPA カラムに負荷すると,青色系の B1, B2, PBV および

かったため試料量を 10 g として再分析を実施した.その

PBVF の保持が低下した.そこで,メタノール抽出液を濃

結果,検出することが可能となった.

縮し,水を加えて 50%メタノール水溶液として負荷するこ ととした.

同一試験溶液を TLC にスポットして上記の条件で展開 後,標準溶液と Rf 値を比較した.その結果,検出できた

添加回収試験結果

試料では Rf 値がすべて一致した.いくつかの試料ではス

炭酸飲料は水,ゼリーはメタノールによる抽出を行い,

ポットが確認できず表示の着色料が検出できなかった.

試験溶液は 2 mL とした.その結果,平均回収率 71∼113%, 相対標準偏差 10%未満となり(Table 2),着色料の検出に 使用可能であると判断した.

ま と め LC-MS を用いた 25 種類の着色料の一斉分析法を検討し

実試料の分析

た.試料精製に固相抽出カラムを用いることにより,迅速

着色料が使用されている市販の菓子類,魚介類加工品な

かつ簡便な前処理方法が構築できた.本法を用いて食品試

ど 28 検体から表示どおりに各着色料が検出できるかを検

料を分析した結果,表示どおりにすべての着色料を検出す

証した(Table 3).No. 23 のゼリービーンズの試験溶液は

ることができた.よって本法は食品中の着色料検出法とし

2 倍に希釈して測定した.No. 15, 16 のチョコレートは着

て有用な方法であると考えられる.

色料がチョコレート内に練り込まれた製品であったため着 色料の使用量が少ないと考えられた.そこで,着色部分の みを選別し,試料を 10 g 使用し,試験溶液の調製を行った. No. 4 の揚げかまぼこには色調の異なる3 種類のかまぼこが 入っており,着色されていると考えられた 2 種類を別々に 採取して分析した.その結果,表示どおりの着色料が検出

文   献 1) 厚生労働省監修.食品衛生検査指針,食品添加物編.東 京,社団法人日本食品衛生協会,2003, pp. 169–199. 2) Miyatake, N., Nagayama, T. Simultaneous Analytical Method of synthetic colours in food using TLC and HPLC.

February 2015

LC-MS を用いた食品中の着色料検出法

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[Analysis of colorants in foods using liquid chromatography-mass spectrometry].

A method using liquid chromatography coupled with mass spectrometry (LC-MS) was developed for the simultaneous determination of colorants in foods. Tw...
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