ガ ラ ク トサ ミン負 荷 に よる ラ ッ トの肝 障害 に対 す る 緑 茶 抽 出物 の 効果 林
真 知 子*，
山 添
寛**，
山 口
優***，
国 友
勝***
静岡県立大学薬学部 漢方薬 研究所*，静 岡県立大学短期大学部看護学科** 武 庫川女子大学薬学部薬理学教室*** (1992年7月1日)
要 約:ウ
イ ル ス性 肝 炎 の病 態 モデ ル で あ る ラ ッ トのD-ガ ラ ク トサ ミン(GalN)誘
抽 出 物 の 肝 機 能 改 善 効 果 に つ い て検 討 した ．Wistar系
発 肝 障 害 に対 す る緑 茶
雄 性 ラ ッ トにGalN(700mg/kg，i．p．)を
単回
投 与 す る と48時 間 まで 劇 症 肝 炎 様 の 症 状 ， す なわ ち， 血 清 中 ア スパ ラギ ン酸 ア ミノ基 転 移 酵 素(GOT)， よ び ア ル カ リホ ス フ ァ ター ゼ(ALP)の
各 活 性 の著 しい 上 昇 に加
え ， 血 清 タ ンパ ク値 ， 血 清 コ レ ス テ ロー ル 値 お よび 肝 ミク ロ ソー ムP-450値
ア ラ ニ ン ア ミ ノ基 転 移 酵 素(GPT)お
の減 少 な ど を呈 した 。血 清
中 の レ シ チ ン コ レ ス テ ロー ル ア シル 転 移 酵 素(LCAT)活
性 はGalN投
与8時 間 後 に著 しい 上 昇 ，24時
間 以 後 に 著 しい低 下 とい う興味 あ る変 化 を示 した ． ま た ，肝 臓 ，腎 臓 ， 脾 臓 お よび 副 腎 の 各重 量 の著 しい 増 加 と胸 腺 重 量 の 減 少 が 認 め られ た ． この よ うな肝 障 害 に 対 し，GalN投 200mg/kgを1日2回
， 計5回 経 口投 与 した と こ ろ， 血 清GOT，GPTお
与 前 後 に 緑 茶 抽 出物50，100， よびALPの
著 しい上 昇 が用
量 依 存 的 に 有意 に 抑制 され た ． ま た ，血 清 ア ル ブ ミンお よび コ レ ス テ ロー ル 値 の 減 少 も有 意 に抑 制 され た が 用 量 依 存 的 で は な か った ．GalN投 る肝 ミク ロ ソー ムP-450値
与8時 間 後 に み られ るLCAT活
性 の上 昇 お よ び48時 間 後 にみ ら れ
の減 少 も抑制 され る傾 向 を示 した ． そ の 他 の 異 常 な血 清 脂 質 値 ， 血 清 タ ン パ
ク値 お よ び臓 器 重 量 の 変化 に は ほ と ん ど影 響 がみ られ な か った ． 以 上 の こ とか ら緑 茶 は ，肝 機 能 低 下 を改 善 す る作 用 を有 す る と考 え ら れ る ．
マ ウ ス大 動 脈 へ の コ レス テ ロ ール蓄 積 を有 意 に抑 制 す る 緒
言
こ とを 明 らか に し， 日常 の緑 茶飲 用 が動 脈 硬 化 の発 症 ・
嗜 好 飲 料 と して の 茶 の 主 な成 分 は カ フ ェイ ンで， これ
進 展 の 予 防 に 重 要 な 役 割 を 果 た す 可能 性 を示 唆 した ． こ
に よ る中枢 興 奮 作 用 ，強 心 利 尿 作 用 な ど の薬 理 作 用 が 知
の 抑 制 作 用 機 序 と して緑 茶 の もつ血 清 コ レス テ ロー ル低
られ て い る ．
下 作 用 に 加 え ， 強 力 な過 酸 化 脂質 低 下 作 用 の関 与 が 推 察
最 近 に な って 茶 の い ろ い ろ な含 有 成 分 の存 在 が 明 らか
され た ．
に され る と と もに ， 多様 な薬 理 作 用 も報 告 され て い る．
今 回 は 緑 茶 の新 規 の薬 理 活性 を探 索 す る一 環 と して障
茶 の 成分 に は キ サ ンチ ン化 合 物 の他 に カ テ キ ソ類 ， ビタ
害 を 受 け た 肝 臓 の 機 能 改善 効 果 に つ い て検 討 した ．本 研
ミンC， ビタ ミンE， フ ラボ ノ イ ドな ど の抗 酸 化 物 質 が
究 で は 急 性 肝 障 害 モ デ ル と して ，D一ガ ラ ク トサ ミ ソ
多 く含 まれ て お り，茶 が 示 す い くつ か の薬 理 作 用 は これ
(Ga1N)誘
発肝 障 害 ラ ッ トを 用 い た ． こ の病 態 モ デル は
ら物 質 の 抗酸 化 作用 に も とつ くも の と考 え られ る ．わ れ
病 理 組 織 学 的 に ヒ トの ウ ィル ス 肝 炎 に 類 似 し，GalNの
わ れ は 従来 茶 の 抽 出液 ま た は抽 出物 を用 い て各 種 の 薬 理
過 量 投 与 で は劇 症 肝 炎 様 の 病 態 を 示 す といわ れ て い る2)．
作 用 の 究 明 を 行 って 来 た が ， 前 報1)に お い て 緑 茶 抽 出 物
しか も， そ の 発症 ・進 展 に は 活性 酸 素 が 関 与 す る と い う
が 高 コ レス テ ロ ール お よび リノ ー ル酸 含 有 食 負 荷 に よ る
報 告3)が な され て い る．
*〒422静 **〒432浜 ***〒663西
善 効 果 を 検 討 した の で報 告 す る ．
岡 市 谷 田395 松 市 布 橋3-2-3 宮 市 甲 子 園 九 番 町11-68
本 研 究 で は ， この病 態 モ デ ル に おけ る緑 茶 の 肝 機 能 改
Fig. 1 Schematic presentation of the time sequence in administration of green tea extract (GTE : V, p.o.) and galactosamine (GaIN : A, i.p.). BCE : blood clinical chemical examination. 70℃ にて5分 間 浸 出 させ た 後 ， そ の 上 澄 み液 を凍 結 乾 燥 実
験
方
法
して緑 色 微 粉 末 の緑 茶 抽 出 物 、(GTE)を 得 た ． この 緑 茶
1．使 用 動 物
抽 出物 の 成 分 分 析 値 は 前 報1)に 示 した ．緑 茶 抽 出物 は冷
9週 令(体 重150∼160g)のWistar系 (日本 エ ス エ ル シ ー社)を1週
雄性 ラッ ト
間 予 備 飼 育 した 後 実 験 に
使 用 した ．動 物 は温 度23±1℃ ，湿 度55±5%に た12時 間 定 時 照 明(7:00∼19:00)の
空 調 され
実験 動物室 にて
蔵 庫 中 に 保 存 し， 用 時 蒸留 水 に 溶 解 した 。 3． 実 験 方 法 1)GalN肝 Ga1Nと
障害 の作 成 して はSigma社
のD一 ガ ラ ク トサ ミン塩 酸 塩
飼 育 した ．
を 用 い， 生 理 食 塩 液 に 溶 解 後 ，1NNaOHで
2．緑 茶 抽 出物 の調 製
フ ィル タ ーで 濾過 し，注 射 液 を調 製 した ．予 試 験 と して
榛 原 産 緑 茶(二 番 茶)50gを
蒸 留 水1000mlに
加え，
Ga1Nを400，700，1000mg/kgの
中和，滅菌
投 与 量 で ，各 群3匹
Fig. 2 Effects of green tea extract (GTE) on serum GOT, GPT and ALP activities in rats treated with galac tosamine (GaIN). / : Normal (non-treated control) ; O : Control; • :GTE, 50 mg/kg, p.o. ; A : GTE, 100 mg/kg, p.o.; A: GTE, 200 mg/kg, p.o. Each point represents the mean ±S.E. (n=6). Significant difference from the control at *P < 0 .05, **P < 0 .01.
の ラ ッ トに腹 腔 内投 与 し，24時 間 後 の 血 清 アス パ ラギ ン
バ ク の 測 定 に 供 し た ． た だ し， 各 採 血 前12時
酸 ア ミノ基 転 移 酵 素(GOT)お
態 に 保 っ た ．Ga1N投
移 酵 素(GPT)活 5000KU/mlお
よび ア ラニ ンア ミノ基転
性 の変化 を調 べ ，両 活性 がそ れ ぞれ よび2500KU/ml程
め られ る700mg/kgを
度の十分な上昇が認
本 実験 の 肝 障 害 を 惹 起 させ る 投
2)実
動物 を 次 の5群(各6匹)に 第1群(無
分 けた．
処置 群):生 理 食 塩 液 のみ を投 与(i．p．)
第 皿群(対 照 群)=Ga1N投 第 皿1群(GTE50):GalN投
与(i．p．) 与+緑 茶 抽 出物
よ び チ ロ シ ン ト ラ ン ス ア ミナ ー ゼ 活 性 を 測 定 す
る ま で 一80℃
で保 存 した ．
定方法
与+緑 茶 抽 出物
100mg/kg×5回(p．o．) 第V群(GTE200):GalN投
緑 茶 抽 出 物 は 図1に 示 した 実 験 計 画 に 従 ってGalN投
よび 夕 刻 の 計5回
性 は 市 販 の 測 定 キ ッ ト(和 光 純 薬)を 血 清 ，HDL画
与 直 前 お よび 夕 刻 ， 翌 日の 朝 お
経 口的 に 強 制 投 与 した ． ま た ，GalN
よび24時 間後 に 尾静 脈 よ り，48時 間後 に は腹 部
用 い て測 定 した ，
分 ， 肝 臓 中 の 総 お よび 遊 離 型 コ レス テ
ロ ー ル は 蛍 光 酵 素 法4)に
よ り測 定 した ． 血 清 中 の レ シ チ
ン コ レ ス テ ロ ー ル ア シ ル 転 移 酵 素(LCAT)活
中 の 遊 離 型
性 は
方 法 に 準 じて 測 定 し， 血 清
コ レ ス テ ロ ー ル の エ ス テ ル 化 速 度
(nmol/ml/hr)で
与+緑 茶 抽 出物
200mg/kg×5回(p．o．)
与 前 日の夕 刻 ，GalN投
よ び ア ル カ リ ホ ス フ ァ タ ー ゼ(ALP)活
DieplingerandKostner5)の
50mg/kg×5回(p．o．) 第 】V群(GTE100):Ga1N投
投 与8お
P・450お
GOT，GPTお
験群
間 後 の 解 剖 時 に は ， 諸臓 器
を 摘 出 し重 量 を 測 定 した ． ま た ， 肝 臓 は ミク ロ ソ ー ム
3)測
与 量 と した ．
与48時
間は絶食状
表 示 した ． 血 清 中 の ト リ グ リセ リ ド，
リ ン脂 質 ， 総 タ ン パ ク お よ び ア ル ブ ミ ンは 市 販 の キ ッ ト (和 光 純 薬)を
用 い て 測 定 し た ． 過 酸 化 脂 質 はYagi6)の
方 法 に 準 じて 測 定 し ， チ オ バ ル ビ ツ ー ル 酸 反 応 物 質 量 で 表 示 し た ． 肝 ミ ク ロ ソ ー ムP-450はOmuraandSato7) の 方 法 ， 肝 細 胞 質 画 分 中 の チ ロ シ ン ト ラ ン ス ア ミナ ー ゼ 活 性 はDiamondstone8)の
方 法 に よ り測 定 し た ．
大 動 脈 よ り採 血 し， そ れ ぞ れ の血 液 サ ン プル は血 清分 離
4)統
(3000rpm，10分)後
得 られ た デ ー タは 平 均 値 ±標 準誤 差 で 表 示 し，
各 種 酵 素 活性 ，脂 質 お よび血 清 タ ソ
計処理
Fig. 3 Effects of green tea extract (GTE) on serum total protein and albumin levels and A/G ratio in rats treated with galactosamine (GaIN). • : Normal (non-treated control) ; O: Control; I*: GTE, 50 mg/kg, p.o. ; A: GTE, 100 mg/kg, p.o.; A: GTE, 200 mg/kg, p.o. Each point represents the mean±S.E. (n=6). Significant difference from the control at *P
真 知 子*，
山 添
寛**，
山 口
優***，
国 友
勝***
静岡県立大学薬学部 漢方薬 研究所*，静 岡県立大学短期大学部看護学科** 武 庫川女子大学薬学部薬理学教室*** (1992年7月1日)
要 約:ウ
イ ル ス性 肝 炎 の病 態 モデ ル で あ る ラ ッ トのD-ガ ラ ク トサ ミン(GalN)誘
抽 出 物 の 肝 機 能 改 善 効 果 に つ い て検 討 した ．Wistar系
発 肝 障 害 に対 す る緑 茶
雄 性 ラ ッ トにGalN(700mg/kg，i．p．)を
単回
投 与 す る と48時 間 まで 劇 症 肝 炎 様 の 症 状 ， す なわ ち， 血 清 中 ア スパ ラギ ン酸 ア ミノ基 転 移 酵 素(GOT)， よ び ア ル カ リホ ス フ ァ ター ゼ(ALP)の
各 活 性 の著 しい 上 昇 に加
え ， 血 清 タ ンパ ク値 ， 血 清 コ レ ス テ ロー ル 値 お よび 肝 ミク ロ ソー ムP-450値
ア ラ ニ ン ア ミ ノ基 転 移 酵 素(GPT)お
の減 少 な ど を呈 した 。血 清
中 の レ シ チ ン コ レ ス テ ロー ル ア シル 転 移 酵 素(LCAT)活
性 はGalN投
与8時 間 後 に著 しい 上 昇 ，24時
間 以 後 に 著 しい低 下 とい う興味 あ る変 化 を示 した ． ま た ，肝 臓 ，腎 臓 ， 脾 臓 お よび 副 腎 の 各重 量 の著 しい 増 加 と胸 腺 重 量 の 減 少 が 認 め られ た ． この よ うな肝 障 害 に 対 し，GalN投 200mg/kgを1日2回
， 計5回 経 口投 与 した と こ ろ， 血 清GOT，GPTお
与 前 後 に 緑 茶 抽 出物50，100， よびALPの
著 しい上 昇 が用
量 依 存 的 に 有意 に 抑制 され た ． ま た ，血 清 ア ル ブ ミンお よび コ レ ス テ ロー ル 値 の 減 少 も有 意 に抑 制 され た が 用 量 依 存 的 で は な か った ．GalN投 る肝 ミク ロ ソー ムP-450値
与8時 間 後 に み られ るLCAT活
性 の上 昇 お よ び48時 間 後 にみ ら れ
の減 少 も抑制 され る傾 向 を示 した ． そ の 他 の 異 常 な血 清 脂 質 値 ， 血 清 タ ン パ
ク値 お よ び臓 器 重 量 の 変化 に は ほ と ん ど影 響 がみ られ な か った ． 以 上 の こ とか ら緑 茶 は ，肝 機 能 低 下 を改 善 す る作 用 を有 す る と考 え ら れ る ．
マ ウ ス大 動 脈 へ の コ レス テ ロ ール蓄 積 を有 意 に抑 制 す る 緒
言
こ とを 明 らか に し， 日常 の緑 茶飲 用 が動 脈 硬 化 の発 症 ・
嗜 好 飲 料 と して の 茶 の 主 な成 分 は カ フ ェイ ンで， これ
進 展 の 予 防 に 重 要 な 役 割 を 果 た す 可能 性 を示 唆 した ． こ
に よ る中枢 興 奮 作 用 ，強 心 利 尿 作 用 な ど の薬 理 作 用 が 知
の 抑 制 作 用 機 序 と して緑 茶 の もつ血 清 コ レス テ ロー ル低
られ て い る ．
下 作 用 に 加 え ， 強 力 な過 酸 化 脂質 低 下 作 用 の関 与 が 推 察
最 近 に な って 茶 の い ろ い ろ な含 有 成 分 の存 在 が 明 らか
され た ．
に され る と と もに ， 多様 な薬 理 作 用 も報 告 され て い る．
今 回 は 緑 茶 の新 規 の薬 理 活性 を探 索 す る一 環 と して障
茶 の 成分 に は キ サ ンチ ン化 合 物 の他 に カ テ キ ソ類 ， ビタ
害 を 受 け た 肝 臓 の 機 能 改善 効 果 に つ い て検 討 した ．本 研
ミンC， ビタ ミンE， フ ラボ ノ イ ドな ど の抗 酸 化 物 質 が
究 で は 急 性 肝 障 害 モ デ ル と して ，D一ガ ラ ク トサ ミ ソ
多 く含 まれ て お り，茶 が 示 す い くつ か の薬 理 作 用 は これ
(Ga1N)誘
発肝 障 害 ラ ッ トを 用 い た ． こ の病 態 モ デル は
ら物 質 の 抗酸 化 作用 に も とつ くも の と考 え られ る ．わ れ
病 理 組 織 学 的 に ヒ トの ウ ィル ス 肝 炎 に 類 似 し，GalNの
わ れ は 従来 茶 の 抽 出液 ま た は抽 出物 を用 い て各 種 の 薬 理
過 量 投 与 で は劇 症 肝 炎 様 の 病 態 を 示 す といわ れ て い る2)．
作 用 の 究 明 を 行 って 来 た が ， 前 報1)に お い て 緑 茶 抽 出 物
しか も， そ の 発症 ・進 展 に は 活性 酸 素 が 関 与 す る と い う
が 高 コ レス テ ロ ール お よび リノ ー ル酸 含 有 食 負 荷 に よ る
報 告3)が な され て い る．
*〒422静 **〒432浜 ***〒663西
善 効 果 を 検 討 した の で報 告 す る ．
岡 市 谷 田395 松 市 布 橋3-2-3 宮 市 甲 子 園 九 番 町11-68
本 研 究 で は ， この病 態 モ デ ル に おけ る緑 茶 の 肝 機 能 改
Fig. 1 Schematic presentation of the time sequence in administration of green tea extract (GTE : V, p.o.) and galactosamine (GaIN : A, i.p.). BCE : blood clinical chemical examination. 70℃ にて5分 間 浸 出 させ た 後 ， そ の 上 澄 み液 を凍 結 乾 燥 実
験
方
法
して緑 色 微 粉 末 の緑 茶 抽 出 物 、(GTE)を 得 た ． この 緑 茶
1．使 用 動 物
抽 出物 の 成 分 分 析 値 は 前 報1)に 示 した ．緑 茶 抽 出物 は冷
9週 令(体 重150∼160g)のWistar系 (日本 エ ス エ ル シ ー社)を1週
雄性 ラッ ト
間 予 備 飼 育 した 後 実 験 に
使 用 した ．動 物 は温 度23±1℃ ，湿 度55±5%に た12時 間 定 時 照 明(7:00∼19:00)の
空 調 され
実験 動物室 にて
蔵 庫 中 に 保 存 し， 用 時 蒸留 水 に 溶 解 した 。 3． 実 験 方 法 1)GalN肝 Ga1Nと
障害 の作 成 して はSigma社
のD一 ガ ラ ク トサ ミン塩 酸 塩
飼 育 した ．
を 用 い， 生 理 食 塩 液 に 溶 解 後 ，1NNaOHで
2．緑 茶 抽 出物 の調 製
フ ィル タ ーで 濾過 し，注 射 液 を調 製 した ．予 試 験 と して
榛 原 産 緑 茶(二 番 茶)50gを
蒸 留 水1000mlに
加え，
Ga1Nを400，700，1000mg/kgの
中和，滅菌
投 与 量 で ，各 群3匹
Fig. 2 Effects of green tea extract (GTE) on serum GOT, GPT and ALP activities in rats treated with galac tosamine (GaIN). / : Normal (non-treated control) ; O : Control; • :GTE, 50 mg/kg, p.o. ; A : GTE, 100 mg/kg, p.o.; A: GTE, 200 mg/kg, p.o. Each point represents the mean ±S.E. (n=6). Significant difference from the control at *P < 0 .05, **P < 0 .01.
の ラ ッ トに腹 腔 内投 与 し，24時 間 後 の 血 清 アス パ ラギ ン
バ ク の 測 定 に 供 し た ． た だ し， 各 採 血 前12時
酸 ア ミノ基 転 移 酵 素(GOT)お
態 に 保 っ た ．Ga1N投
移 酵 素(GPT)活 5000KU/mlお
よび ア ラニ ンア ミノ基転
性 の変化 を調 べ ，両 活性 がそ れ ぞれ よび2500KU/ml程
め られ る700mg/kgを
度の十分な上昇が認
本 実験 の 肝 障 害 を 惹 起 させ る 投
2)実
動物 を 次 の5群(各6匹)に 第1群(無
分 けた．
処置 群):生 理 食 塩 液 のみ を投 与(i．p．)
第 皿群(対 照 群)=Ga1N投 第 皿1群(GTE50):GalN投
与(i．p．) 与+緑 茶 抽 出物
よ び チ ロ シ ン ト ラ ン ス ア ミナ ー ゼ 活 性 を 測 定 す
る ま で 一80℃
で保 存 した ．
定方法
与+緑 茶 抽 出物
100mg/kg×5回(p．o．) 第V群(GTE200):GalN投
緑 茶 抽 出 物 は 図1に 示 した 実 験 計 画 に 従 ってGalN投
よび 夕 刻 の 計5回
性 は 市 販 の 測 定 キ ッ ト(和 光 純 薬)を 血 清 ，HDL画
与 直 前 お よび 夕 刻 ， 翌 日の 朝 お
経 口的 に 強 制 投 与 した ． ま た ，GalN
よび24時 間後 に 尾静 脈 よ り，48時 間後 に は腹 部
用 い て測 定 した ，
分 ， 肝 臓 中 の 総 お よび 遊 離 型 コ レス テ
ロ ー ル は 蛍 光 酵 素 法4)に
よ り測 定 した ． 血 清 中 の レ シ チ
ン コ レ ス テ ロ ー ル ア シ ル 転 移 酵 素(LCAT)活
中 の 遊 離 型
性 は
方 法 に 準 じて 測 定 し， 血 清
コ レ ス テ ロ ー ル の エ ス テ ル 化 速 度
(nmol/ml/hr)で
与+緑 茶 抽 出物
200mg/kg×5回(p．o．)
与 前 日の夕 刻 ，GalN投
よ び ア ル カ リ ホ ス フ ァ タ ー ゼ(ALP)活
DieplingerandKostner5)の
50mg/kg×5回(p．o．) 第 】V群(GTE100):Ga1N投
投 与8お
P・450お
GOT，GPTお
験群
間 後 の 解 剖 時 に は ， 諸臓 器
を 摘 出 し重 量 を 測 定 した ． ま た ， 肝 臓 は ミク ロ ソ ー ム
3)測
与 量 と した ．
与48時
間は絶食状
表 示 した ． 血 清 中 の ト リ グ リセ リ ド，
リ ン脂 質 ， 総 タ ン パ ク お よ び ア ル ブ ミ ンは 市 販 の キ ッ ト (和 光 純 薬)を
用 い て 測 定 し た ． 過 酸 化 脂 質 はYagi6)の
方 法 に 準 じて 測 定 し ， チ オ バ ル ビ ツ ー ル 酸 反 応 物 質 量 で 表 示 し た ． 肝 ミ ク ロ ソ ー ムP-450はOmuraandSato7) の 方 法 ， 肝 細 胞 質 画 分 中 の チ ロ シ ン ト ラ ン ス ア ミナ ー ゼ 活 性 はDiamondstone8)の
方 法 に よ り測 定 し た ．
大 動 脈 よ り採 血 し， そ れ ぞ れ の血 液 サ ン プル は血 清分 離
4)統
(3000rpm，10分)後
得 られ た デ ー タは 平 均 値 ±標 準誤 差 で 表 示 し，
各 種 酵 素 活性 ，脂 質 お よび血 清 タ ソ
計処理
Fig. 3 Effects of green tea extract (GTE) on serum total protein and albumin levels and A/G ratio in rats treated with galactosamine (GaIN). • : Normal (non-treated control) ; O: Control; I*: GTE, 50 mg/kg, p.o. ; A: GTE, 100 mg/kg, p.o.; A: GTE, 200 mg/kg, p.o. Each point represents the mean±S.E. (n=6). Significant difference from the control at *P
