1992
95 ― 996
I型 ア レル ギ ー標 的 細 胞 上 に お け るIgG4抗
体 の役 割
千葉大 学医 学部 耳鼻咽 喉 科学教 室(主 任:金 子敏 郎 教授) 山
INHIBITORY ON
越
ACTIVITY
HUMAN
Several target
reports
cells
antibody
in
immediate
inhibits
whether
it Serum
reaginic
was
and to
Peripheral or
300ƒÊgms
or
no
of
anti-IgG4
patients
released
same
of
the IgG4 of
after
0.1ƒÊg/ml both
absorbing of
up
amount
release
in
of
mite In
blocking
Key
IgG4
conclusion, antibody
words:鼻
nasal
of
of
antibody
IgG4
performed
target
Medicine,
to
cells
the
allergy
enriched
after
Chiba
on
the
elucidate
surfaces
of
whether
antigenic
receiving
affinity
from
IgG4
stimulation,
and
the
pooled
non-allergic
method
specific
immunotherapy
chromatographically sera.
using
Both
fraction
for monoclonal
revealed
high
antigen.
three
of
from
the
donors
Levy
and
were
Osler
leukocytes
to
10%
three
reaginic
anti-IgG4
with
after
passively
a slight
challenge
of
sensitized
with
modification.
with
both
100
Minimal mite
antigen
and
one After with
With
the
regardless with
after
mite
presence the
of
IgG4
from of
patients
only
concentration,
donors
100
antigen
300ƒÊgs
manner
4B-mite
leukocytes
leukocytes
of
were
with
with
0.5ƒÊg/ml
Sepharose
the
sensitization
sensitization
of
of
non-allergic
hour
IgG4,
three
while
the
with out
nasal
of
other
twenty patients'
histamine.
above-mentioned
either
of The
regardless
amounts
IgE.
activity
antibodies.
histamine
minimal
mite.
absorbed
to
investigate
challenge
donors
was
from
Farinae
observed
with
released
Two
role
School
antibodies.
stimulated
leukocytes
were
from
was
to
were
the
study
with
IgG4 respectively,
according
release
Furthermore,
300ƒÊgms
IgG4,
monoclonal
allergy
patients
and
leukocytes
IgG4
on
release
Dermatophagoides
blood
histamine
This
M.D.
University
results
allergy.
from IgE
IgE
activity
LEUKOCYTES
activity.
mites.
to
antibody
Chiba
histamine
obtained
and
antibodies
type
ANTIBODY RELEASE
BLOOD
YAMAKOSHI,
conflicting
IgE-mediated
has
housedust
yielded
IgG4
HISTAMINE
Otorhinolaryngology,
have
MITE
PERIPHERAL
TAKAYUKI
of
行
OF
ANTIGEN-INDUCED
FROM
Department
隆
of
ngs and
IgG4,
100 of the
ngs
The
of
IgE,
IgE
one
other
sensitized or
simultaneously
showed
high-grade
showed
histamine
middle-grade
release
sensitization.
complex.
passively
A
was
control
inhibitory
100 with
release
was
was minimized
or the
histamine
significantly
study
effect
with
with inhibited
performed by
by the
use
IgG4. these on
results the
target
ア レ ル ギ ー.減
strongly cell
suggest surface
that in
感 作 療 法,IgG4,遮
IgG4
immediate
antibody type
断 抗 体,標
plays
an
important
role
allergy.
的 細胞
A95―0996―32861
as
a
日耳鼻
山 越=IgG4抗
I
緒
近 年 に 至 り,IgG4サ
言
体 の役 割
95 ― 997
る通 年 性 鼻 ア レ ル ギ ー と診 断 され,特
ブ ク ラ ス抗 体 がI型
ア レル ギー
を 数 年 受 け,効
異的 減感作 療 法
果 発 現 の 見 られ た 患 者 数 十 名 の 血 清 を
の 標 的 細 胞 に 固 着 性 を 有 す る が ゆ え に 注 目 され は じ め
プ ー ル し用 い た.精 製 法 は,Fujitaら12),Vervloetら13)
た.IgG4抗
に準 じて 行 っ た.マ
体 が レ ア ギ ン と し て で は な く,遮 断 抗 体 と
して 標 的 細 胞 上 で 重 要 な 役 割 を 果 た し て い るの で は な い か とい う 考 え が で て きた か ら で あ る.こ
れ に関 して
は 多 くの 議 論 が あ る が,い ま だ 結 論 が 出 さ れ て い な い. 減 感 作 療 法 に 関 す るIgG4遮
断 抗 体 説 に は,イ
花 粉 症 を 対 象 と し たGieesenら1),養 Heinerら2),Aalbersら3),ダ
ネ科
蜂業者における
ニ ア レル ギ ー に お け る
ウ ス モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 ヒ トIgE抗
体(ヤ マ サ 製,ク ロー ン10H3)お よび マ ウスモ ノ クロ ー ナ ル抗 ヒ トIgG 4抗 体(ヤ マ サ 製,ク ロ ー ンDG-01, クラ スIgG)を
そ れ ぞ れ10mg使
製CNBr-activated
用 し,Pharmacia社
Sepharose
4B 1gを 担 体 と し て,
所 定 の 方 法 に よ り結 合 させ た.こ
れ ら抗 体 ― 担 体 結 合
物 を 用 い ア フ ィニ テ ィー ク ロマ トグ ラ フ ィ ー に よ り,
Nakagawaら4)5)の
研 究 が あ る.一 方,ダ ニ ア レ ル ギ ー
プ ー ル 血 清 よ り そ れ ぞ れIgE
に お け る 北 尾6),イ
ネ 科 花 粉 症 に お け るDjurupら7)8)
成 し た.す な わ ち,ポ リプ ロ ピ レ ン製 試 験 管 内 で 抗IgE
は,血
中IgG4抗
体 の 上 昇 は 必 ず し も臨 床 効 果 の 発 現
とは 関 係 が な い と し て い る.特 にDjurupら
は8),減 感
作 療 法 の 効 果 発 現 と血 中 の 抗 原 特 異 的IgG4抗 統 計 学 的 に 解 析 し た 結 果,減
体価 を
感 作 療 法 に お け るIgG4
反 応 させ た(end
NaClを
実 施 した.再
vitroに お け る細 胞 固 着
あ る い は抗 原 特 異 的IgG4抗
髄 腫蛋 白
体 価 の 高 い ア レル ギー 患
応 を抑 制 した こ と か
― 担 体 結 合 物 とIgE吸
共通 の受容 体 を共有
様 の 操 作 を経 て 最 終 的 に3mlま
を受 身 感 作 し た 場 合,抗IgG4抗
IgG4
体 で ヒス タ ミンが遊
い る.し か し,Toorenenbergenら
は同様 の系 に お ける
R.と
RAST法
リ ス緩 衝 液 に て 約
の 測 定 はRIST法
に よ るEIAに
れ て い な い.こ の よ う に,IgG4抗
で 透 析 濃 縮 した.本 操
で,抗
immunosorbent
定 し14),標 準 血 清 の 抗 体 価 を8U/mlと
て過 言 で は な い.
釈 曲 線 に 相 対 す るunitと
体 を そ れ ぞ れ 十 分 に 含 有 す るIgE分 を,鼻
2.
体 とIgG4抗
画 とIgG4分
ア レ ル ギ ー 患 者 血 清 よ り精 製 し て,ヒ
面
ト末 梢 血
白 血球 か らの ヒ ス タ ミ ン 遊 離 を測 定 す る こ と に よ り, I型 ア レル ギ ー 標 的 細 胞 上 に お け るIgG4抗
体の役割
II 1. IgG4
対 象 お よ び方法
IgE rich fraction(以 rich fraction(以
下IgE
下IgG4
当 科 ア レル ギ ー 外 来 に て,室
R.と 略 す)お
R.と 略 す)の
Mayら
よび
作成
製,3.5%血
静 置 し た.そ
内 塵 ・ダ ニ を抗 原 とす
設 定 し,そ の 希
し て評 価 した.
なわち
等 量 のHaemaccel(BEHR-
漿 代 用 剤)を 混 和 して 室 温 に60分 間
の 白血 球 層 を ポ リプ ロ ピ レ ン製 試 験 管 に AE(0.2M
NaCl,5mM
0.03%ヒ
ト血 清 ア ル ブ ミ ン,0.01N
0.03Mト
リ ス緩 衝 液)に
さ せ,細 胞 数 を 算 定 し5×106個 受 身感 作
EDTAを
て 洗 浄 し た後,低
て 赤 血 球 を ほ ぼ 完 全 に 除 去 した.Tris
3.
よ り測
の 方 法15)を 一 部 改 良 し て 行 っ た.す
移 し て 遠 心 分 離 し,Tris
を解 明 す る こ と を 目的 と し て 実 施 さ れ た.
体 価 はELISA assey)に
ヒ ト末 梢 血 白 血 球 の 調 整
ヘ パ リ ン加 静 脈 血30mlと ING社
ダニ 抗 体価 は
は サ ン ドイ ッ チ 法
て 測 定 し,抗 ダ ニIgG4抗
け る 役 割 に 関 して は い ま だ 確 固 た る証 拠 は な い と言 っ
ニ に 対 す るIgE抗
体
混合 し ,同
れ ら を プー ル した もの を
で 行 っ た.ま た,総IgG4値
法(enzyme-linked
そ こ で 本 研 究 は,ダ
液
した.
総IgE値
ヒ ス タ ミ ン遊 離 を 否 定 し て お り11)意 見 の 一 致 は み ら 体の 標的 細胞 上 に お
ラス
R.の 場 合,抗IgG4抗
収 後 の 血 清20mlを
作 は 繰 り返 し実 施 さ れ,そ
ア ギ ンの 可 能 性 もあ る と 報 告10)し て
素(pH7.0)100ml
含 む0.1Mト
で 透 析 濃 縮 し た.IgG4
し て い る こ と を 示 唆 し9)10),さ ら に ヒ ト末 梢 血 白 血 球
離 さ れ る の で,レ
よび0.025%
フ ィ ル タ ー 上 で 抗 体 ― 担 体 結 合 物 を分 離 し た 後,濾 を0.15MNaClを
Anaphylaxis)反
NaClお
と混 合 し,室 温 で30分 反 応 させ 解 離 を 行 っ た.グ
10mlま
ら,標 的 細 胞 上 でIgG4とIgEが
.0)に よ
の 吸 光 度 が0.005以 下 に な る ま で
ヒ ト血 清 ア ル ブ ミン を 含 む6M尿
ら は,IgG4骨 sive Cutaneous
リ ス緩 衝 液(pK8
び試 験 管 内 で,1M
者 血 清 を 用 い た もの な どが あ る.Stanworthら,Vijay 髄 腫 蛋 白 が ヒ ヒ ま た は サ ルPCA(Pas-
で一晩
れ を グ ラ ス フ ィル ター
R.作 製 用 と し て 回 収 した 後,
含 む0.1Mト
い る.こ れ ら は,IgG4抗
主 体 と した 研 究 で あ る が,in
over end).こ
に 移 し濾 液 血 清 をIgG4 0.1M
る 洗 浄 を,280nmで
抗 体 と して の 役 割 に 関 す る研 究 に は,IgG4骨
R.を 作
抗 体 ― 損 体 結 合 物 と プ ー ル 血 清100mlを4℃
抗 体 の 上 昇 は 減 感 作 療 法 の 失 敗 を 意 味 す る と結 論 して 体 の 液 性 抗 体 と して の 役 割 を
R.お よ びIgG4
AEに
KC1, 含む
張NaClに 再 び浮遊
に調 整 分 注 し用 い た.
95 ― 998
Levy
山 越=IgG4抗
and
Oslerの
方 法16)に
基 づ き ,RAST陰
ア レ ル ギ ー 性 疾 患 の 既 往 が な い,非 梢 血 白 血 球 を(1)IgE
性 で
ア レ ル ギ ー ヒ ト末
R.(2)IgG4
R.(3)お
よび そ の
1992
体 の役 割
を 添 加 し,4℃ た.Tris
で 静 か に 振 盪 さ せ な が ら一 晩 反 応 させ
Aに
て 洗 浄 後,Tris
法 を 略 記 す る と,Tris
製,1:16∼1:1024ま
HE(0.2M
パ リ ン1.3単
37℃45分
EDTAを 106個
KCl,ペ
含 む0.03Mト
リ ス 緩 衝 液)に
の 白 血 球 に,以
盗 さ せ な が ら2時 (1)
IgE
(2)
IgG4
位,0.01N
浮 遊 さ せ た5×
下 の 要 領 で37℃
R.を,総IgG
4と
し て100あ
1gと
る い は300μg
(以 下 同 じ) (3)
IgE
R.100ngと,IgG4
R.を100あ
るい は
混 合 し同時 に感作 2)
HEで1回
IgE
間 受 身 感 作 後,Tris
R.100あ
る い は300μgを
4.
(0.2M
NaCl,5mM
KCl,0.03%
ヒ ト血 清 ア ル ブ ミ ン を 含 む0.03Mト 2回
洗 浄 後,Tris
を 加 え たTris 0.45mlに
ACM(0.6mM A)に
CaCl2,lmM
と 略 す)凍 乾 末Tris
(2)
MgCl2
farinae(以
ACM溶
の
ACM溶
る い は 抗IgG4抗
Y.Y.は
ダ ニ(D.F.)凍
H.T.は
同 時 に受 担体
R.5mlと
混
反 応 さ せ た.
科 ア レ ル ギ ー 外 来 に 通 院 す る,室
よ う に,18例
内塵 ダ で あ る.
は 特 異 的 減 感 作 療 法 施 行 中 で あ り, お こ れ ら の 症 例 は,プ
ー ル血
清 を 作 成 す る に あ た って 対 象 と し た 患 者 とは 同 一 で は 均 年 齢23歳,平
均 総IgG4値383μg/mlで
あっ
た. 調 整 し た 末 梢 血 白 血 球 をTrisACM
0.45mlに
抗IgG4抗
加 し45分
浮遊
体TrisACM
間 反 応 さ せ,ヒ
ス タ ミン遊
離 率 を 上 記 の ご と く計 算 し た.
液,0.1,
体Tris
III
ACM溶
ACM溶
液,
み0,05ml添
加 え 撹 拌 処 理 の 後,細 タ ミ ン 測 定 を 行 っ た.以 そ の 平 均 値 を 用 い,以 略 す)を
て 測 定 し た17)な
お,Tris
胞 成 分 を 除 去 し た う え で,ヒ 上 は す べ てduplicateで 下 に 示 す 式 に て%ヒ
R.お
結
よ びIgG4
果 R.の
ダ ニ(D.E)抗 方,IgG4
体 価 も1200PRUと
R.は,総IgG4値
ダ ニ(D.F.)抗
で は,IgG3は
ス
ス タ ミ ン遊
る 値 で あ り,IgG4抗 IgE
に とど ま あ り,高
い
ブ ク ラ ス分 画
非 常 に 低 値 で あ っ た が,IgG1・IgG2は
清 値 の 各 々6∼9mg/mlに
2.
たIgGサ
R.受
示 し た.標 比 較 す る と,ほ
で
高 値 を示
で 約1.5倍
体 価 は8U/mlで
れ ぞ れ20.5μg/ml,23.5μg/mlを
行 い,
組 成(表2)
と し て プ ー ル 血 湾 よ り 約10倍
抗 ダ ニ 抗 体 価 を 有 し て い た.ま
ー タ ル 用 は 過 塩 素 酸0.5mlを
そ
準 的 な血
ぼ 無 視 し得
体 の 精 製 は 成 し 得 た と 考 え る. 身 感 作 後 の ダ ニ に よ る ヒ ス タ ミン遊
離(表3)
計 算 し た.
供 血 者Y.Yは,0.5μg/mlの
被験 ヒス タ ミン値 ― コ ン トロー ル ヒ スタ ミ ン値 トー タ ル ヒ ス タ ミ ン 値 ― コ ン トロ ー ル ヒ ス タ ミ ン 値
な お,(2)の 場 合 予 備 実 験 に てIgG4
R.は,総IgE値
し た.一
加 し た も の を トー タ ル 用 お よ び
コ ン ト ロ ー ル 用 と し,ト
IgE
IgE
っ た が,抗
清 中 ヒ ス タ ミ ン をRIA法(ヒ
ス タ ミ ン キ ッ ト栄 研)に
離 率(%HRと
乾 末Tris
1.
あ り,抗
同 溶 液0,1μg/ml
氷 冷 後 遠 心 分 離 し,上
%HR=100×
りIgG4
endで
さ せ,0.1,1.0,10,50μg/mlの
液,1.0,5.0,25,50μg/ml
ACMの
over
R.と
ニ 凍 乾 未10mgと
れ を0.5gと
で 一 晩end
溶 液 を0,05ml添
下D.F.
液,0.1,0.2,0.5μg/ml
乾 末Tris
0.5,1.0μg/mlあ
(3)
収 方 法 は,ダ
下 同 じ)
ダ ニ(D.F.)凍
0.5μg/ml
対 照 と し て 用 い,IgE
は 未 施 行 で あ る.な
な い.平
の 白血 球 浮遊 液
間 反 応 さ せ た.
ダ ニ;Dermatophagoides
(最 終 濃 度,以
て
以 下 の 溶 液 を 添 加 し,37℃
恒 温 器 内 で 振 盪 さ せ な が ら45分 (1)
体 を吸
ニ を 抗 原 と す る 通 年 性 鼻 ア レ ル ギ ー 患 者20例
2例
リ ス 緩 衝 液)に
再 浮 遊 し た.こ
対 し,0.05mlの
ニ 特 異 的IgG4抗
鼻 ア レ ル ギ ー 患 者 末 梢 血 白 血 球 か ら の 抗IgG4
表1の A
R.を
対 象 は,当
順 次
感 作 そ の 後,Tris
スタ ミ
抗 体 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離
R.100ngを1時
洗 浄 し,IgG4
添 加 し
記 の と お り に,ヒ
お い て,ダ
を 結 合 さ せ,こ
含 し,4℃
1)
300μgを
ま た,(3)の1)に
身 感 作 を 行 っ た.吸
下 同 じ)
体(Tago社
希 釈 系 列)を
間 反 応 さ せ た 後,上
収 し たIgG4
し て100ng(以
で の4借
ン遊 離 率 を も と め た.
の恒 温 器 内 で振
間 受 身 感 作 し た.
R.を,総IgEと
再 浮 遊 さ せ,同
緩 衝 液 に て 希 釈 し た ヤ ギ 抗 マ ウ スIgG抗
両 者 に て 受 身 感 作 を 行 っ た.方 NaCl,5mM
ACMに
の ヒ ス タ ミ ン 遊 離 を,ま
R.受 身 感 作 後 の
ヒ ス タ ミ ン遊 離 が 低 い こ とが 判 明 して い た の で,二
次
濃 度 に よ り36.3%の Y.Tは,0.1,0.2お
ダ ニ 刺 激 に よ り84.6% たH.Tは0.1μg/mlの
ダニ
ヒ ス タ ミ ン 遊 離 を 示 し た.し よ び0.5μg/mlの
か し
いずれ の濃度
抗 体 を用 い た 反 応 の 増 強 を 試 み た.方 法 を略 記 す る と,
の ダニ 刺 激 に よっ て もヒ ス タ ミンは遊 離 され な か っ
IgG4 R.300μgに
た.以
て 受 身 感 作 後,抗IgG4抗
体50μg/ml
下,こ
の3人
の 供 血 者 に つ い て の 結 果 を 示 す.
日耳鼻
山 越=IgG4抗
表 1
体 の役割
対象 症例 リス ト
表 2
95 ― 999
IgE
R.お
よ びIgG4
R.の
組 成
表 3
IgE(100ng)受 身 感 作 後 の ダ ニ(D.F)に よる 非 ア レ ル ギ ー ヒ ト末 梢 血 白 血 球 か らの ヒ ス タ ミ ン遊 離(%HR)
表 4
IgG4受 身 感 作 後 の ダ ニ(1).F)に よ る非 ア レ ル ギ ー ヒ ト末 梢 血 白血 球 か らの ヒ ス タ ミ ン遊 離(%HR)
3. IgG4抗
IgG4
R.受
体(表5)に
100μg,300μgの お い て も,0.1,0.5お
身 感 作 後 の,ダ
ニ(表4)お
よび抗 ヒ ス タ ミ ン 遊 離 は 最 大 でY.Tの5.8%で
よ る ヒス タ ミン遊離 い ず れ か のIgG4 よ び1.0μg/mlの
R.の
受 身感 作 に
ダ ニ 濃 度 で は,
お よ びH.Tに す ぎ な か っ た.
お い て は1∼2%の
あ っ た.Y.Y ヒ ス タ ミ ン遊 離 に
山 越=IgG4抗
95 ― 1000
一方
,抗IgG4抗
体 は1.0∼50μg/mlの
で刺 激 を行 っ た.Y.Yは,IgG4 場 合,50μg/mlの
抗IgG4抗
ン遊 離 を 示 し た.IgG4 の 濃 度 の 抗IgG4抗
体 に よ り9.1%の
体 に よっ て も ヒス タ ミンは まった
100μgと300μgのIgG4受
よ びY.T.に
お い て は,
身感 作 に お い て ヒ ス タ ミ ン
遊 離 率 は ほ ぼ 同 様 で あ り,最 大 で 約5%で
あ っ た.
ヒ ス タ ミン遊 離 能 は極 め て 低 い と い え よ う.こ
の 点 を確 か め る た め,ヤ ギ 抗 マ ウ スIgG抗
表 5
ヒス タ ミ
100μgの 受 身 感 作 で は,い ず れ
く遊 離 しな か っ た.H.T.お
IgG4の
範囲の濃度
300μgの 受 身 感 作 の
体 を2次
抗
IgG4受 身 感 作 後 の 抗IgG4抗 体 お よ びヤ ギ抗 マ ウ スIgG二 次 抗 体 に よ る 非 ア レ ル ギ ー ヒ ト末 梢 血 白 血 球 か ら ヒ ス タ ミ ン遊 離(%HR)
図 1
IgG4抗
1992
体 の役割
体 と し て 用 い た ヒ ス タ ミ ン 遊 離 の 増 強 を 試 み た が,ヒ ス タ ミ ン 遊 離 は 全 く 増 強 さ れ な か っ た. 4.
IgE
R.受
身 感 作 後 の ダ ニ に よ る ヒ ス タ ミン遊
離 に お よ ぼ すIgG4 IgE
R.受
R.の
効 果(表6,図1)
身 感 作 に お い て,あ
離 を 示 し た 供 血 者Y.Yお 至 適 用 量 で あ る ダ ニ 濃 度,す ml,H.Tで
は0.1μg/mlを
血 球 にIgE
R.と,IgG4
の 刺 激 を 行 う と,IgEの
表 6
IgE(100ng)受
き ら か な ヒ ス タ ミン遊
よ びH.Tの2者 な わ ちY.Yで
は0.5μg/
用 い た.Y.Y.の R.を
末梢血 白
同 時 に 受 身 感 作 し,ダ
ニ
み の 受 身 感 作 の 場 合 と比 較 し
身 感 作 後 の ダ ニ(D.F)に
る ヒ ス タ ミ ン 遊 離(%HR)に IgG4の 影響
体 に よ る抑 制
に つ い て,
よ
お よ ぼ す
日耳 鼻
山 越=IgG4抗
て,300μgのIgG4に
で あ っ た.同
方100μgのIgG4で
様 にH.T.の
は11.6%の
ほ と ん ど 抑 制 さ れ な か っ た が,IgG4 %の
抑 制
場 合 も,100μgのIgG4で 300μgに
は よ り64.9
特 異 的IgG4
と し て 用 い た.抗 に よ り8U/mlか 用 い てIgE
R.と
300μgを
ダ ニ 特 異 的IgG4抗 ら0.3U/mlに
抗IgG4抗 た が,症
体 は0.1∼50μg/mlの
コ ン トロ ー ル
体 価 は,吸
収 操作
減 少 し て い た.こ
共 に 受 身 感 作 を 行 っ た が,IgEに
範 囲 で刺 激 を行 っ
例 に よ り得 ら れ た細 胞 数 が 異 な る た め,す
べ
て の 濃 度 に つ い て検 討 で き な か っ た.全 症 例 の う ち, 最 高 で11.7%の
ヒ ス タ ミ ン 遊 離 抑 制 が 認 め ら れ た. ま た こ の 際,非
95 ― 1001
抗 体 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離(表7)
よ り ヒ ス タ ミ ン 遊 離 は74.8%の
抑 制 を 受 け た.一
体 の 役割
ヒ ス タ ミン 遊 離 を認 め た に す ぎず,こ
の 症 例 を 含 め て,10%以 は3例
で あ っ た.こ
上 の ヒ ス タ ミン を遊 離 した の
れ ら は血 中IgG4値
中IgG4値
の 比較 的 低 い
れ を
症 例 で あ り,血
と ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 と の 間
よ る
に は 明 確 な 相 関 関 係 は み とめ られ な か っ た.
ヒ ス タ ミ ン 遊 離 に は ほ と ん ど 影 響 を 及 ぼ さ な か っ た. 一 方 ,IgE
R.を
受 身 感 作 し た の ちIgG4
作 を 順 次 行 う 方 法 で も,結 な わ ち300μgのIgG4に
し100μgのIgG4に で は13.1%の 5.
は57.1%で
お い て は,Y.Y.で
お い て は76.2% あ っ た.そ
IV
受 身感
果 は ほ ぼ 同 様 で あ っ た.す よ り,Y.Y.に
の 抑 制 率 で あ り,H.T.で
R.の
れ に対
は21.6%,H.T.
ヒ ス タ ミ ン 遊 離 の 抑 制 率 が 認 め ら れ た.
鼻 ア レ ル ギ ー 患 者 末 梢 血 白 血 球 か ら の 抗IgG4
1.
鼻 ア レ ル ギ ー 患 者 末 梢 血 白 血 球 か らの 抗 IgG4抗 体 に よ る ヒ ス タ ミ ン 遊 離(%HR)
察
IgE R.お よ びIgG4
R.に つ い て
本 研 究 で 行 わ れ た,抗IgG4抗
体 を用 いた ア フ ィニ
テ ィー ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ る 血 清 か ら のIgG4
R.
の 作 成 は,Fujitaら,Vervioetら
精
が血 清 か らIgEを
製 し た方 法12)13)を一 部 改 良 し た も の で あ る.彼 ら は, ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗IgE抗 解 離 剤(6M尿
表 7
考
体 ―IgE結
素)に 免 疫 学 的 に 非 活 性 な ヒ ト血 清 ア ル
ブ ミ ン を 加 え る こ と で,試 のIgEが
合 を 解 離 す る 際,
験 管 壁 に,解
離 さ れ た微 量
物 理 化 学 的 に 付 着 し て し ま う の を防 ぎ,回 収
率 を 高 め る こ と に 成 功 し て い る.今 ノ レ抗IgG4抗
体(ヤ マ サ,ク
回,モ
ノクロー ナ
ロ ー ンDG-01)を
用 い,こ
の 方 法 に 従 っ て 予 備 実 験 を す す め,最 終 的 に 前 述 し た 方 法 を採 用 した.ま ナ ル 抗IgE抗
た,IgE
体(ヤ マ サ,ク
様 に 行 っ た.結 果 は 表2の 較 し て,IgG4
R.の 作 成 も,モ
ノ ク ロー
ロ ー ン10H3)を
用 いて同
ご と くで あ る.IgE
R.に 比
R.は 回 収 率 が 十 分 で な い こ と,少 量 で あ
る がIgG1,IgG2を
含 ん で い る こ と,な どが 今 後 の 課 題
と い え よ う.し か し,現 在 ま で 用 い ら れ て きたIgG4骨 髄 腫 蛋 白 や,IgG4を
比 較 的 多 量 に含 み 加 熱 しIgEを
非
働 化 した 血 清 で の 研 究 に比 べ る と,病 的 蛋 白 で な く, 抗 体 活 性 が 高 く,他 の 免 疫 グ ロ ブ リ ン が ほ とん ど無 視 で き うる 範 囲 で あ る こ と な ど か ら,IgG4の
免疫 学 的役
割 を 検 討 す る う えで 有 用 で あ る と考 え られ た. 2.
IgG4抗
体 の レ ア ギ ン活 性 に つ い て
非 ア レ ル ギ ー ヒ ト宋 梢 血 白血 球 にIgG4 作 し,抗IgG4抗 最 大 でY.Y.の
R.を 受 身 感
体 添 加 を 行 っ て も,ヒ ス タ ミ ン遊 離 は 約9%で
あ っ た.H.T.は5.4%,Y.T
は3.9%の
最 大 ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 を 示 した.Toorenen-
bergenら
はIgG4骨
髄 腫 蛋 白 で 正 常 ヒ ト末 梢 血 白 血 球
を受 身 感 作 し,抗IgG4抗 検 討 し,数%の
体 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離 を
ヒス タ ミン 遊 離 を み る に こす ぎ な か っ た
と報 告11)し て お り.同 様 の 結 果 が 得 られ た.最 近,高 橋18)は 好 塩 基 球 細 胞 膜 上に は 多 数 のFcε
受 容 体Iと
山越=IgG4抗
95 ― 1002
と も に,Fcγ
受 容 体IIが 存 在 す る こ と を 示 し た う え
で,好 塩 基 球 か らの ヒ ス タ ミン遊 離 はIgEを 応 で 亢 進 し て い た が,IgGを
介 す る反
介 して は 細 胞 の 形 態 変 化
の み で ヒ ス タ ミ ン遊 離 は明 らか で は な か っ た と して い る.一 方 中 川 らは 一 連 の 研 究19)∼22)の中 で,ヒ ス タ ミン 遊 離 率 と好 塩 基 球 の 脱 顆 粒 率 が 相 関 す る と し た う え で,IgG4骨
髄 腫 蛋 白 ま た は特 異 的IgG4抗
血 清 に よ る受 身 感 作 後 の,抗IgG4抗 率 は50%台
体価の高い
体 に よ る脱 顆 粒
で あ っ た と し て お り,今 回 の 結 果 と は 著 し
く異 な っ て い る.
体(マ
い,IgG4抗 た.し
ウ スIgGク
体 を モ ノ クロ ー ナ ル抗
ラ ス)の 二 次 抗 体 と し て 用
体 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離 反 応 の 増 強 を 試 み
か し,ヒ
ス タ ミ ン は ま っ た く遊 離 さ れ ず,IgG4
抗 体 の レ ア ギ ン活 性 は 低 い もの で あ ろ う と 考 え られ た.
回 得 ら れ た 結 果 は,こ
告 を 支 持 す る も の で あ り,IgG4を 離 の 可 能 性 は,極 3.
IgG4抗
れ らの報
介 す る ヒ ス タ ミン遊
め て 低 い もの と考 え ら れ た.
体 の 標 的 細 胞 上 で の 遮 断 抗 体 と して の
役割 に つい て I型 ア レ ル ギ ー 標 的 細 胞 上 に お い て,IgG4抗
体 の遮
断 抗 体 と し て の 働 き を 証 明 し よ う と し た 試 み は,in vivoで
は,ヒ ヒ ま た は サ ル を用 い たPCA反
応 をIgG4
骨 髄 腫 蛋 白 が 抑 制 す る と の 報 告 が,Staworthら9)お
は,中
よ りな さ れ て い る.ま
川 ら19)21)が蜂 毒 特 異 的IgG4抗
たin
よ
vitroで
体 を多 量 に含む
面 清 を健 常 人 白 血 球 に受 身 感 作 し た 場 合,抗IgG4抗 体 に よ り ヒ ス タ ミ ン遊 離 が 認 め ら れ る が,蜂
毒抗 原を
添 加 す る と ヒス タ ミ ン遊 離 が 抑 制 され る傾 向 に あ った と報 告 し て い る.か れ ら の 場 合,IgE抗
体 とIgG4抗
体
との 量 的 関 係 が 明 らか に さ れ て お らず,血 清 中 のIgG4
さ ら に,血
中IgG4値
が さ ま ざ まな 鼻 ア レ ル ギ ー 患
者 の 末 梢 血 白 血 球 に 抗IgG4抗 遊 離 を検 討 し た.そ 10%以
報 告 を行 っ て い る.今
びVijayら10)に
こ こ で,ヤ ギ 抗 マ ウ スIgG抗 IgG4抗
1992
体 の役割
の 結 果,最
上 の 症 例 は20例 中3例
11.7%で
体 を添 加 し ヒ ス タ ミ ン 大 ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 が の み で あ り,最 高 で も
あ っ た.中 川 ら19)22)は,ア レ ル ギ ー 患 者 末 梢
白 血 球 か ら の 抗IgG4抗
体 に よ る 脱 顆 粒 率 は,正
に比 較 し有 意 に 高 く7∼73%,平
均 約35%で
常人
あ った と
報 告 して い る.Faganら23)は,正
常 末梢血 白血球 浮遊
液 に モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗IgG4抗
体 を添 加 し ヒ ス タ ミ ン
遊 離 を検 討 し て い る が,14名
中4名
抗 体 の 量 も不 明 で あ る. 本 研 究 で は,IgG4骨 考 に,IgE
100ngと,IgG4
身感 作 に 用 い た.そ のIgG4に
100あ る い は300μgと
を受
の 結 果 は 前 述 した よ う に,300μg
よ り,IgEを
介 す る ヒ ス タ ミ ン遊 離 は著 し く
抑 制 さ れ た.各 々の 分 画 の ダ ニ 特 異 的 抗 体 価 は 高 いが, IgE R.はng単
位 で あ る の に 比 べ て,IgG4
位 で あ る の で,IgG4
R.は
μg単
R.中 の ダニ 特 異 的 抗 体 はIgE
R.
中 の そ れ に比 較 して 極 め て 多 量 で あ る と推 測 され る. 多 量 の 特 異 的IgG4抗
に58.6%∼20.3%
髄 腫 蛋 白 を用 い た 実 験 な どを参
体 の 存 在 が あ っ て は じ め てIgE
の ヒ ス タ ミ ン遊 離 を認 め た と して い る.こ れ らの 報 告
抗 体 を 介 す る ヒ ス タ ミ ン遊 離 が 抑 制 さ れ る 理 由 は,
に は,血
Fcγ 受 容 体 に 対 し てIgG4分
中IgG4値
が 示 さ れ て い な い こ と,抗IgG4抗
体 を 含 ま な い コ ン ト ロー ル に よ る ヒ ス タ ミン遊 離 を減
よ る の か も しれ な い.最
ず る こ と な く ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 を計 算 して い る こ とな
と25)∼28),ヒ ト白血 球Fcγ
ど,著 者 の 場 合 と異 な る た め 一 律 に は 比 較 で きな い が,
か ら3つ
本 研 究 の 結 果 か らは,IgG4の
ヒス タ ミ ン遊 離 率 は 極 め
て 低 い もの で あ る と結 論 で き よ う.ま 遊 離 率 が10%以
上 の3症
例 は,血
低 い 症 例 で あ り,血 中IgG4値
た,ヒ
中IgG4値
子 の親 和 性 が低 い ことに
近 の 分子 生物 学 的研 究 による 受 容体 は分 子量 な どの違い
の タ イ プ に 分 類 さ れ て お り,そ
して も,IgG1分
子 が 最 も親 和 性 が 高 く,IgG4分
ス タミン
程 度 の 親 和 姓 を 示 す と報 告 さ れ て い る.し
が比 較 的
株 作 製 の 困 難 さ の た め,好
と細 胞 上 のIgG4分
子の
に つ い て は,Fcγ
塩 基 球 な らび に マ ス ト細 胞
い.好 塩 基 球 細 胞 膜 上 に お い て もFcγ
に 関 し て は,最 大 ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 は,Y.T.に100μg
に 存 在 す る が ゆ え に,IgG4が
のIgG4抗
は極 小 と な る可 能 性 が あ る.本
体 に 対 す る 反 応 度 と は関 係 な く,ヒ
あ り,IgE抗
ス タ ミ ン は ほ とん
子 は中
か し,細 胞
受 容体 の 解析 が い まだ な され ていな
数 とは,個 体 に よ っ て 異 な る こ と も推 測 さ れ た. 一方 ,IgG4受 身 感 作 後 の ダニ に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離
体 を受 身 感 作 した 際 の5.8%で
の い ず れ に対
よ う な 性 質 を有 す る と す れ ば,血
た 好 塩 基 球 上 に お け るIgEを
受容 体 が上記 の
中 に はIgG1が
多量
本 細 胞 上 に 固 着 す る機 会 研 究 に お い て証 明 され 介す る ヒ ス タ ミン遊離
ど遊 離 され な か っ た.こ の 点 に 関 し,Toorenenbergen
に 対 す るIgG4に
ら11),Poulsenら24)は,ダ
て 打 ち 消 さ れ る の か ど うか が 今 後 の 大 き な 研 究 課 題 と
ニ 特 異 的IgG4抗
清 で 正 常 ヒ ト末 梢 血 白 血 球 を 感 作 し,ダ
体 を 含 む血 ニで刺 激 す る
こ と に よ り,抗 原 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離 は 少 な い との
い え よ う.IgG1の
よ る 抑 制 効 果 が,IgG1の
存 在 によ っ
打 ち 消 し効 果 が な け れ ば ,特 異 的 減
感 作 療 法 に よ って 血 中 に 増 加 して くる抗 原 特 異 的
日耳 鼻 IgG4抗
山越=IgG4抗
体 の役 割
体 が 臨 床 上 免 疫 掌 的 に 重 要 な 意 味 を有 す る こ
of
と に な る.
95 ― 1003
house
dust
subclass patients
V 1.
ま
ハ ウ スダ ス ト
と
め
鼻 ア レ ル ギ ー 患 者 血 清 よ り,モ
2.
6)
R.お よ びIgG4
て 受 身 感 作 を 行 い,ダ
幸:鼻
7)
ア
レ ル
ing
体 で刺
in
ギ ー 患
911-921
grass
specific
Int
and
IgG in
Archs
者
の
Allergy
ダ ー(Dermato-
異 的 血 清IgGお
よ びIgG4抗
体 .
,1985.
R, ƒÓIpsterballe O:
response
IgG
1987.
farinae)特
Djurup
IgE,
immunotherapy
rhinitis.
95-99,
ニ
R .に
ニ 抗 原 ま た は 抗IgG4抗
尾 友
82:
ア レ ル ギ ー34:
R.を 作 成 した .
非 ア レル ギ ー ヒ ト末 梢 血 白 血 球 を,IgG4
北
specific during
perennial
Immun
phagoides
ノ クローナ ル抗体 を用
い た ア フ ィ ニ テ ィ ー ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー に よ り ,ダ 抗 体 価 の 高 いIgE
with
Appl
ダニ で減 感作 療 法 を うけて い る
mite •\
antibodies
IgG
subclass
pollen-allergic
antibody
patients
immunotherapy.
undergo-
Allergy
39:
433-441
,
1984.
激 した が,明
らか な ヒ ス タ ミ ン遊 離 は 認 め ら れ な か っ
8)
た.
Durup
R,
with
3.
血 中IgG4値
gens.
を 加 え た が,20例
中3例
に10%以
体 に よ る刺 激
9)
上 の ヒ ス タ ミ ン遊 離
介 し ヒ ス タ ミン を遊 離 す る 非 ア レ ル ギ ー
ヒ ト末 梢 血 白血 球 に,IgEと
と も にIgG4を
Clin
10)
受 身感作 す
Vijay
HM,
mediated
抑 制 が 認 め ら れ た.
subclass.
以 上 よ り,I型
87,
ア レル ギ ー 標 的 細 胞 上 に お い て
体 は,レ ア ギ ン と して で は な く,遮 断 抗 体 と し
11)
12)
der
et
al:
Giessen
M,
Subclass
grass
Homan
typing
IgG
pollenallergic
apy.
Int
Allergy
Kernebeek
antibodies
patients
Archs
Van
formed
during
Appl
G
DC,
and
IgD
patients
3)
de
with
response
in
RC,
Serologic
aspects
for
Van
50:
13)
625-640
T,
Takaishi
in
patients
bronchial
Immun Nakagawa
asthma:
in 130: T,
122-125, T,
Kozeki
IgE,
Y,
R,
level
inharant
aller-
Leeuwen
an
I.
J:
Int
Y et
Archs
al:IgG4
Allergy
et
al:
human
, 1973.
Inhibition
of and
by Appl
reagin-
histamine
human
IgG4
Immun
Aalbers
53:
Immun
78-
Y,
K
et
al:
49:
Wypych
by
In
I.
antibody
vitro
Radioim-
levels.
724-733, JI
factors
antibodies
1981.
ragweed:
Immun
and Int
432-440,
Wicher
measuring
IgG4
leukocytes.
65:
to
serum
RC:
basophil
JI,
Fujita of
et
Int
1975.
al:
The
on
measurement
RAST.
Clin
inhibiof
IgE
Allergy
4:
1974.
中 川 武 正,高
石 敏 昭,宮
本 昭 正,杉
ノ ク ロ ー ナ ル 抗IgG4抗
正 人,石
体 の 作 製
Immunosorbent
毛 雅 夫:
と そ のEnzyme-
Assay(ELISA)へ 277-283
M, Albert study
with small
の 応 用.
, 1985.
R et al:
Procedure
of histamine volume
Changes
DA, Osier AG:
Study
hypersensitivity
phenomena
ization
of human
pollen
Appl
17) J
reagin-
the
37-41
monkeys
Allergy
Appl
D,
effect
16) Levy
antigen•\
1983. Katagiri
by
release
of blood.
for from
J Allergy
46: 12-20, 1970.
housedust-mite-sensiwith
L:
of
for Allergy
leukocytes
1983.
Sakamoto
3:
in
antibodies
immunochemical
IgG4•\restricted
722-726,
of
baboons
leukocytes
Wypych
15) May CD, Lyman
Prolonged
1987.
Inhibition
AW,
ア レ ル ギ ー34:
Van
Allergy
Appl
of
Vervloet
Linked
Congress
Clin
Archs
Allergy
Fujita
モ
pp140.
Relationship
H,
14)
in
sensitization
359-369,
RAST
International
with
IgG4,
reactions
Toorenenbergen
tory
,
sensitive
negative
antibodies.
immunotherapy. 71:
al:
venom
but
Gaas
IgG4
Immunol
antibodies
bee
1979,
results J
U et
tests
Xth
der of
Nakagawa
specific
skin
Jerusarem,
Aalberse
response.
5)
Muller
Abstracts
Allergology,
tive
Van
Archs
immunother-
Immun
AL,
positive
immunization
4)
Weck
antibody
assays. of
Int
aspergillus
Heiner
antibody
with 459-468,
AK:
human
munoassay
by
1976. 2)
IgG4
1977.
reaction
WL,
17:
Smith
reactions
from
Archs
参 考 文 献 Van
High
Perelmutter PCA
passive
て の 役 割 を有 す る 可 能 性 が 高 い こ とが 示 唆 さ れ た .
1)
FCA sub-class.
release
5.
DR,
IgG4
る こ と に よ り,ダ ニ 抗 原 刺 激 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離 の
IgG4抗
HJ: immunotherapy
Allergy
Stanworth mediated
を認 め た の み で あ っ た. IgEを
of
が さ ま ざ ま な レベ ル で あ る 鼻 ア レ
ル ギ ー 患 者 末 梢 血 白 血球 に,抗IgG4抗
4.
Mailing
failure
In Vitro antigen.
三田 晴 久,油
J Immunol
井 泰 雄,安
Radioimmunoassayに
枝
on the mechanisms XIV.
Passive
leukocytes
to ragweed
97: 203-212, 浩,信
of
sensit-
太 隆 夫,田
1966. 川 宗 教:
よ る ヒ ス タ ミ ン の 定 量.ア
レル ル
山 越=IgG4抗
95 ― 1004
ギ ー36: 18)
121-129,
高 橋
清:好
19)
924.
中 川 武 正:即
20) Nakagawa
BM, de Weck
I. Quantification
basophil
of human
AL:
basophils
by flow-cytometry.
Flow-
and their
Allergy
T, Stadler
cytometric
analysis
the
induced
calcium
DC et al:
basophil
Flow-
by anti-IRE,
ionophore
analysis
anti-
A23187.
Clin
de Weck AL:
of human
III. Degranulation
antibodies
in hay
patients.
Int Archs
basophil
induced
fever
and
Allergy
bee
Flow-
degranula-
by allergens venom
Appl Immun
and
release
CA, Capra
to immunoglobulin
from
Clin Immunol 24) Poulsen
VH:
and murine
receptor
6: 251-281,
Antibody-cell
Structure for IgG.
1988.
interaction:
Fc receptors.
高 橋 和 彦,山 プ と 機 能.代 富 永 麻 理,坂
正 俊 之,小
山 次 郎:Fcγ
謝26(12増): 田 敦 子,尾
レ セ プ タ ー の タ イ
101-107, 上
薫:Fcγ
リ ー の 構 造 多 様 性.Medical
1989. レ セ プ タ ー フ ァ ミ
Immunol
21:
47-60,
1991,
稿 を終 え る に あ た り,ご 指 導 ご校 閲 を賜 っ た 恩師 金子 敏 郎 教 授 に謹 ん で深 甚 な る謝 意 を表 す る と共 に,本 研 究を
り感 謝 い た します. なお 本論 文 の 要 旨 は,第40回 日本 ア レ ルギ ー学 会 総会,第 9回 日本耳 鼻 咽 喉 科 免疫 ア レ ル ギー 学 会,第32回
日本耳鼻
咽 喉 科学 会 千 葉 県地 方 部会,国 際 鼻 科 学 会議91´,第14回 国
64: 201-
際 ア レル ギ ー ・臨床 免 疫 学 会 お よび 第93回 日本 耳 鼻 咽喉科 学 会総 会 にお い て 口述 発 表 した.
DL, Slauter
antibodies
JP:
E, Freedman
of human
allergic
209, 1981. 23) Fagan
86:
労 を厭 わ ず直 接 ご指 導 くだ さ っ た藤 田 洋 祐 前助 教 授 に心 よ
T, Moyseyenko O,
cytometric
basophil
Immunol
degranula-
11: 21-30, 1981.
22) Nakagawa
tion:
BM, Heiner of human
II. Degranulation
IgG4, and Allergy
27)
28)
21) Nakagawa
human
Appl
Cell 57: 351-354, 1989.
36: 39-
47, 1981.
tion.
26) Kinet
degranula-
from
Allergy
JC, Scigliano
and function
Ann Rev Immunol
of human
release
Int Arch 1988.
25) Unkless
レ ル ギ
, 1981.
analysis
degranulation
ヒ トIgG4に
固 着 の 有 無 の 解 析.ア
T, Stadler
cytometric tion:
383-390.
時 型 ア レ ル ギ ー とIgG4:抗
206-212
in histamine
luecocytes.
1990,
よ る 好 塩 墓 球 へ のIgG4の ー30:
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1987.
塩 基 球 の 免 疫 グ ロ ブ リ ン レ セ プ タ ー.ア
レ ル ギ ー39:
1992
体 の役割
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basophils
JD et al: Monoclonal G4 induce
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in vitro.
J Allergy
70: 399-404, 1982.
LK, Stahl Skov P. Mosbech
(1991年12月10日 受 稿1992年1月28日 別刷 請 求 先
千葉 大学 医 学 部 耳 鼻咽 喉 科 学 教 室 H et al: Role of
受理)
〒260千 葉 市 中央 区亥 鼻1-8-1 山越 隆行
95 ― 1141
録 抄 日耳鼻
. 喫 冥 狗 轡 懸 犠 刃 り 二 塵 築 騨 翌 麿 V亟 ︾ ⊃ 潟量 超 褻 姻 楚量 蝦 噸 Obの困 Ψ 3 箕 り心日 ﹁囲 緊 鐙 聴 ー 等 ミ ム ト 副 同 . 喫 ○総粒 崎e 爬 ⊃趨期 如 八 〃紙K ﹂Q 遡 騨 訳 黛 粒 還 。っ笹 蔭 ON. 纂 翼 D憂翼 和量 振 . Obp圃垣 姻訴 目 題 掴 澤 桜 煎 曖 1 辱 ムヘム ト蹴 喫 悦 .喫 ○灸 麺 冥 憩 愈 雛 勾 更 謁 煙 楚齪 期 入 〃 鰍 K ﹂ 、 纂 喫 ⊃題 翼↑ 量輯 マ Ob 心圃娯 楚 喫 輔 踵 継 q 鳳 . 二に 梱 拳樋血 駆 ↑憩 糾 マ Ob￡剛. 枳 . 喫 罵 狛 華 量 楚 離 期 八 〃 紙 K ﹂ 9 桶 惚 刃 U ゆ 蝦ロR姻 単 踵 融 甑 e 噸 Ob 心圃
. ︾ 3 囲 脚 箪 渥 八 ー ロ へ舞
. 慰 擬 蟹 偲 瘍 灘 桜 ゆ 極 齪 姻 脚 八 〃 臥 × " O 蝿 想 鷲 斌 騨 母 樋 蝋 甑 国bゆ一 .喫
ー
D 隷襲 姻 可 Ob心一b 蝿 鵯 国b p圃3 確 e 暉 葦 転 瑞 鳳
一⑩oDNのー ⑩①OOー ゆ①
95 ― 996
I型 ア レル ギ ー標 的 細 胞 上 に お け るIgG4抗
体 の役 割
千葉大 学医 学部 耳鼻咽 喉 科学教 室(主 任:金 子敏 郎 教授) 山
INHIBITORY ON
越
ACTIVITY
HUMAN
Several target
reports
cells
antibody
in
immediate
inhibits
whether
it Serum
reaginic
was
and to
Peripheral or
300ƒÊgms
or
no
of
anti-IgG4
patients
released
same
of
the IgG4 of
after
0.1ƒÊg/ml both
absorbing of
up
amount
release
in
of
mite In
blocking
Key
IgG4
conclusion, antibody
words:鼻
nasal
of
of
antibody
IgG4
performed
target
Medicine,
to
cells
the
allergy
enriched
after
Chiba
on
the
elucidate
surfaces
of
whether
antigenic
receiving
affinity
from
IgG4
stimulation,
and
the
pooled
non-allergic
method
specific
immunotherapy
chromatographically sera.
using
Both
fraction
for monoclonal
revealed
high
antigen.
three
of
from
the
donors
Levy
and
were
Osler
leukocytes
to
10%
three
reaginic
anti-IgG4
with
after
passively
a slight
challenge
of
sensitized
with
modification.
with
both
100
Minimal mite
antigen
and
one After with
With
the
regardless with
after
mite
presence the
of
IgG4
from of
patients
only
concentration,
donors
100
antigen
300ƒÊgs
manner
4B-mite
leukocytes
leukocytes
of
were
with
with
0.5ƒÊg/ml
Sepharose
the
sensitization
sensitization
of
of
non-allergic
hour
IgG4,
three
while
the
with out
nasal
of
other
twenty patients'
histamine.
above-mentioned
either
of The
regardless
amounts
IgE.
activity
antibodies.
histamine
minimal
mite.
absorbed
to
investigate
challenge
donors
was
from
Farinae
observed
with
released
Two
role
School
antibodies.
stimulated
leukocytes
were
from
was
to
were
the
study
with
IgG4 respectively,
according
release
Furthermore,
300ƒÊgms
IgG4,
monoclonal
allergy
patients
and
leukocytes
IgG4
on
release
Dermatophagoides
blood
histamine
This
M.D.
University
results
allergy.
from IgE
IgE
activity
LEUKOCYTES
activity.
mites.
to
antibody
Chiba
histamine
obtained
and
antibodies
type
ANTIBODY RELEASE
BLOOD
YAMAKOSHI,
conflicting
IgE-mediated
has
housedust
yielded
IgG4
HISTAMINE
Otorhinolaryngology,
have
MITE
PERIPHERAL
TAKAYUKI
of
行
OF
ANTIGEN-INDUCED
FROM
Department
隆
of
ngs and
IgG4,
100 of the
ngs
The
of
IgE,
IgE
one
other
sensitized or
simultaneously
showed
high-grade
showed
histamine
middle-grade
release
sensitization.
complex.
passively
A
was
control
inhibitory
100 with
release
was
was minimized
or the
histamine
significantly
study
effect
with
with inhibited
performed by
by the
use
IgG4. these on
results the
target
ア レ ル ギ ー.減
strongly cell
suggest surface
that in
感 作 療 法,IgG4,遮
IgG4
immediate
antibody type
断 抗 体,標
plays
an
important
role
allergy.
的 細胞
A95―0996―32861
as
a
日耳鼻
山 越=IgG4抗
I
緒
近 年 に 至 り,IgG4サ
言
体 の役 割
95 ― 997
る通 年 性 鼻 ア レ ル ギ ー と診 断 され,特
ブ ク ラ ス抗 体 がI型
ア レル ギー
を 数 年 受 け,効
異的 減感作 療 法
果 発 現 の 見 られ た 患 者 数 十 名 の 血 清 を
の 標 的 細 胞 に 固 着 性 を 有 す る が ゆ え に 注 目 され は じ め
プ ー ル し用 い た.精 製 法 は,Fujitaら12),Vervloetら13)
た.IgG4抗
に準 じて 行 っ た.マ
体 が レ ア ギ ン と し て で は な く,遮 断 抗 体 と
して 標 的 細 胞 上 で 重 要 な 役 割 を 果 た し て い るの で は な い か とい う 考 え が で て きた か ら で あ る.こ
れ に関 して
は 多 くの 議 論 が あ る が,い ま だ 結 論 が 出 さ れ て い な い. 減 感 作 療 法 に 関 す るIgG4遮
断 抗 体 説 に は,イ
花 粉 症 を 対 象 と し たGieesenら1),養 Heinerら2),Aalbersら3),ダ
ネ科
蜂業者における
ニ ア レル ギ ー に お け る
ウ ス モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 ヒ トIgE抗
体(ヤ マ サ 製,ク ロー ン10H3)お よび マ ウスモ ノ クロ ー ナ ル抗 ヒ トIgG 4抗 体(ヤ マ サ 製,ク ロ ー ンDG-01, クラ スIgG)を
そ れ ぞ れ10mg使
製CNBr-activated
用 し,Pharmacia社
Sepharose
4B 1gを 担 体 と し て,
所 定 の 方 法 に よ り結 合 させ た.こ
れ ら抗 体 ― 担 体 結 合
物 を 用 い ア フ ィニ テ ィー ク ロマ トグ ラ フ ィ ー に よ り,
Nakagawaら4)5)の
研 究 が あ る.一 方,ダ ニ ア レ ル ギ ー
プ ー ル 血 清 よ り そ れ ぞ れIgE
に お け る 北 尾6),イ
ネ 科 花 粉 症 に お け るDjurupら7)8)
成 し た.す な わ ち,ポ リプ ロ ピ レ ン製 試 験 管 内 で 抗IgE
は,血
中IgG4抗
体 の 上 昇 は 必 ず し も臨 床 効 果 の 発 現
とは 関 係 が な い と し て い る.特 にDjurupら
は8),減 感
作 療 法 の 効 果 発 現 と血 中 の 抗 原 特 異 的IgG4抗 統 計 学 的 に 解 析 し た 結 果,減
体価 を
感 作 療 法 に お け るIgG4
反 応 させ た(end
NaClを
実 施 した.再
vitroに お け る細 胞 固 着
あ る い は抗 原 特 異 的IgG4抗
髄 腫蛋 白
体 価 の 高 い ア レル ギー 患
応 を抑 制 した こ と か
― 担 体 結 合 物 とIgE吸
共通 の受容 体 を共有
様 の 操 作 を経 て 最 終 的 に3mlま
を受 身 感 作 し た 場 合,抗IgG4抗
IgG4
体 で ヒス タ ミンが遊
い る.し か し,Toorenenbergenら
は同様 の系 に お ける
R.と
RAST法
リ ス緩 衝 液 に て 約
の 測 定 はRIST法
に よ るEIAに
れ て い な い.こ の よ う に,IgG4抗
で 透 析 濃 縮 した.本 操
で,抗
immunosorbent
定 し14),標 準 血 清 の 抗 体 価 を8U/mlと
て過 言 で は な い.
釈 曲 線 に 相 対 す るunitと
体 を そ れ ぞ れ 十 分 に 含 有 す るIgE分 を,鼻
2.
体 とIgG4抗
画 とIgG4分
ア レ ル ギ ー 患 者 血 清 よ り精 製 し て,ヒ
面
ト末 梢 血
白 血球 か らの ヒ ス タ ミ ン 遊 離 を測 定 す る こ と に よ り, I型 ア レル ギ ー 標 的 細 胞 上 に お け るIgG4抗
体の役割
II 1. IgG4
対 象 お よ び方法
IgE rich fraction(以 rich fraction(以
下IgE
下IgG4
当 科 ア レル ギ ー 外 来 に て,室
R.と 略 す)お
R.と 略 す)の
Mayら
よび
作成
製,3.5%血
静 置 し た.そ
内 塵 ・ダ ニ を抗 原 とす
設 定 し,そ の 希
し て評 価 した.
なわち
等 量 のHaemaccel(BEHR-
漿 代 用 剤)を 混 和 して 室 温 に60分 間
の 白血 球 層 を ポ リプ ロ ピ レ ン製 試 験 管 に AE(0.2M
NaCl,5mM
0.03%ヒ
ト血 清 ア ル ブ ミ ン,0.01N
0.03Mト
リ ス緩 衝 液)に
さ せ,細 胞 数 を 算 定 し5×106個 受 身感 作
EDTAを
て 洗 浄 し た後,低
て 赤 血 球 を ほ ぼ 完 全 に 除 去 した.Tris
3.
よ り測
の 方 法15)を 一 部 改 良 し て 行 っ た.す
移 し て 遠 心 分 離 し,Tris
を解 明 す る こ と を 目的 と し て 実 施 さ れ た.
体 価 はELISA assey)に
ヒ ト末 梢 血 白 血 球 の 調 整
ヘ パ リ ン加 静 脈 血30mlと ING社
ダニ 抗 体価 は
は サ ン ドイ ッ チ 法
て 測 定 し,抗 ダ ニIgG4抗
け る 役 割 に 関 して は い ま だ 確 固 た る証 拠 は な い と言 っ
ニ に 対 す るIgE抗
体
混合 し ,同
れ ら を プー ル した もの を
で 行 っ た.ま た,総IgG4値
法(enzyme-linked
そ こ で 本 研 究 は,ダ
液
した.
総IgE値
ヒ ス タ ミ ン遊 離 を 否 定 し て お り11)意 見 の 一 致 は み ら 体の 標的 細胞 上 に お
ラス
R.の 場 合,抗IgG4抗
収 後 の 血 清20mlを
作 は 繰 り返 し実 施 さ れ,そ
ア ギ ンの 可 能 性 もあ る と 報 告10)し て
素(pH7.0)100ml
含 む0.1Mト
で 透 析 濃 縮 し た.IgG4
し て い る こ と を 示 唆 し9)10),さ ら に ヒ ト末 梢 血 白 血 球
離 さ れ る の で,レ
よび0.025%
フ ィ ル タ ー 上 で 抗 体 ― 担 体 結 合 物 を分 離 し た 後,濾 を0.15MNaClを
Anaphylaxis)反
NaClお
と混 合 し,室 温 で30分 反 応 させ 解 離 を 行 っ た.グ
10mlま
ら,標 的 細 胞 上 でIgG4とIgEが
.0)に よ
の 吸 光 度 が0.005以 下 に な る ま で
ヒ ト血 清 ア ル ブ ミン を 含 む6M尿
ら は,IgG4骨 sive Cutaneous
リ ス緩 衝 液(pK8
び試 験 管 内 で,1M
者 血 清 を 用 い た もの な どが あ る.Stanworthら,Vijay 髄 腫 蛋 白 が ヒ ヒ ま た は サ ルPCA(Pas-
で一晩
れ を グ ラ ス フ ィル ター
R.作 製 用 と し て 回 収 した 後,
含 む0.1Mト
い る.こ れ ら は,IgG4抗
主 体 と した 研 究 で あ る が,in
over end).こ
に 移 し濾 液 血 清 をIgG4 0.1M
る 洗 浄 を,280nmで
抗 体 と して の 役 割 に 関 す る研 究 に は,IgG4骨
R.を 作
抗 体 ― 損 体 結 合 物 と プ ー ル 血 清100mlを4℃
抗 体 の 上 昇 は 減 感 作 療 法 の 失 敗 を 意 味 す る と結 論 して 体 の 液 性 抗 体 と して の 役 割 を
R.お よ びIgG4
AEに
KC1, 含む
張NaClに 再 び浮遊
に調 整 分 注 し用 い た.
95 ― 998
Levy
山 越=IgG4抗
and
Oslerの
方 法16)に
基 づ き ,RAST陰
ア レ ル ギ ー 性 疾 患 の 既 往 が な い,非 梢 血 白 血 球 を(1)IgE
性 で
ア レ ル ギ ー ヒ ト末
R.(2)IgG4
R.(3)お
よび そ の
1992
体 の役 割
を 添 加 し,4℃ た.Tris
で 静 か に 振 盪 さ せ な が ら一 晩 反 応 させ
Aに
て 洗 浄 後,Tris
法 を 略 記 す る と,Tris
製,1:16∼1:1024ま
HE(0.2M
パ リ ン1.3単
37℃45分
EDTAを 106個
KCl,ペ
含 む0.03Mト
リ ス 緩 衝 液)に
の 白 血 球 に,以
盗 さ せ な が ら2時 (1)
IgE
(2)
IgG4
位,0.01N
浮 遊 さ せ た5×
下 の 要 領 で37℃
R.を,総IgG
4と
し て100あ
1gと
る い は300μg
(以 下 同 じ) (3)
IgE
R.100ngと,IgG4
R.を100あ
るい は
混 合 し同時 に感作 2)
HEで1回
IgE
間 受 身 感 作 後,Tris
R.100あ
る い は300μgを
4.
(0.2M
NaCl,5mM
KCl,0.03%
ヒ ト血 清 ア ル ブ ミ ン を 含 む0.03Mト 2回
洗 浄 後,Tris
を 加 え たTris 0.45mlに
ACM(0.6mM A)に
CaCl2,lmM
と 略 す)凍 乾 末Tris
(2)
MgCl2
farinae(以
ACM溶
の
ACM溶
る い は 抗IgG4抗
Y.Y.は
ダ ニ(D.F.)凍
H.T.は
同 時 に受 担体
R.5mlと
混
反 応 さ せ た.
科 ア レ ル ギ ー 外 来 に 通 院 す る,室
よ う に,18例
内塵 ダ で あ る.
は 特 異 的 減 感 作 療 法 施 行 中 で あ り, お こ れ ら の 症 例 は,プ
ー ル血
清 を 作 成 す る に あ た って 対 象 と し た 患 者 とは 同 一 で は 均 年 齢23歳,平
均 総IgG4値383μg/mlで
あっ
た. 調 整 し た 末 梢 血 白 血 球 をTrisACM
0.45mlに
抗IgG4抗
加 し45分
浮遊
体TrisACM
間 反 応 さ せ,ヒ
ス タ ミン遊
離 率 を 上 記 の ご と く計 算 し た.
液,0.1,
体Tris
III
ACM溶
ACM溶
液,
み0,05ml添
加 え 撹 拌 処 理 の 後,細 タ ミ ン 測 定 を 行 っ た.以 そ の 平 均 値 を 用 い,以 略 す)を
て 測 定 し た17)な
お,Tris
胞 成 分 を 除 去 し た う え で,ヒ 上 は す べ てduplicateで 下 に 示 す 式 に て%ヒ
R.お
結
よ びIgG4
果 R.の
ダ ニ(D.E)抗 方,IgG4
体 価 も1200PRUと
R.は,総IgG4値
ダ ニ(D.F.)抗
で は,IgG3は
ス
ス タ ミ ン遊
る 値 で あ り,IgG4抗 IgE
に とど ま あ り,高
い
ブ ク ラ ス分 画
非 常 に 低 値 で あ っ た が,IgG1・IgG2は
清 値 の 各 々6∼9mg/mlに
2.
たIgGサ
R.受
示 し た.標 比 較 す る と,ほ
で
高 値 を示
で 約1.5倍
体 価 は8U/mlで
れ ぞ れ20.5μg/ml,23.5μg/mlを
行 い,
組 成(表2)
と し て プ ー ル 血 湾 よ り 約10倍
抗 ダ ニ 抗 体 価 を 有 し て い た.ま
ー タ ル 用 は 過 塩 素 酸0.5mlを
そ
準 的 な血
ぼ 無 視 し得
体 の 精 製 は 成 し 得 た と 考 え る. 身 感 作 後 の ダ ニ に よ る ヒ ス タ ミン遊
離(表3)
計 算 し た.
供 血 者Y.Yは,0.5μg/mlの
被験 ヒス タ ミン値 ― コ ン トロー ル ヒ スタ ミ ン値 トー タ ル ヒ ス タ ミ ン 値 ― コ ン トロ ー ル ヒ ス タ ミ ン 値
な お,(2)の 場 合 予 備 実 験 に てIgG4
R.は,総IgE値
し た.一
加 し た も の を トー タ ル 用 お よ び
コ ン ト ロ ー ル 用 と し,ト
IgE
IgE
っ た が,抗
清 中 ヒ ス タ ミ ン をRIA法(ヒ
ス タ ミ ン キ ッ ト栄 研)に
離 率(%HRと
乾 末Tris
1.
あ り,抗
同 溶 液0,1μg/ml
氷 冷 後 遠 心 分 離 し,上
%HR=100×
りIgG4
endで
さ せ,0.1,1.0,10,50μg/mlの
液,1.0,5.0,25,50μg/ml
ACMの
over
R.と
ニ 凍 乾 未10mgと
れ を0.5gと
で 一 晩end
溶 液 を0,05ml添
下D.F.
液,0.1,0.2,0.5μg/ml
乾 末Tris
0.5,1.0μg/mlあ
(3)
収 方 法 は,ダ
下 同 じ)
ダ ニ(D.F.)凍
0.5μg/ml
対 照 と し て 用 い,IgE
は 未 施 行 で あ る.な
な い.平
の 白血 球 浮遊 液
間 反 応 さ せ た.
ダ ニ;Dermatophagoides
(最 終 濃 度,以
て
以 下 の 溶 液 を 添 加 し,37℃
恒 温 器 内 で 振 盪 さ せ な が ら45分 (1)
体 を吸
ニ を 抗 原 と す る 通 年 性 鼻 ア レ ル ギ ー 患 者20例
2例
リ ス 緩 衝 液)に
再 浮 遊 し た.こ
対 し,0.05mlの
ニ 特 異 的IgG4抗
鼻 ア レ ル ギ ー 患 者 末 梢 血 白 血 球 か ら の 抗IgG4
表1の A
R.を
対 象 は,当
順 次
感 作 そ の 後,Tris
スタ ミ
抗 体 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離
R.100ngを1時
洗 浄 し,IgG4
添 加 し
記 の と お り に,ヒ
お い て,ダ
を 結 合 さ せ,こ
含 し,4℃
1)
300μgを
ま た,(3)の1)に
身 感 作 を 行 っ た.吸
下 同 じ)
体(Tago社
希 釈 系 列)を
間 反 応 さ せ た 後,上
収 し たIgG4
し て100ng(以
で の4借
ン遊 離 率 を も と め た.
の恒 温 器 内 で振
間 受 身 感 作 し た.
R.を,総IgEと
再 浮 遊 さ せ,同
緩 衝 液 に て 希 釈 し た ヤ ギ 抗 マ ウ スIgG抗
両 者 に て 受 身 感 作 を 行 っ た.方 NaCl,5mM
ACMに
の ヒ ス タ ミ ン 遊 離 を,ま
R.受 身 感 作 後 の
ヒ ス タ ミ ン遊 離 が 低 い こ とが 判 明 して い た の で,二
次
濃 度 に よ り36.3%の Y.Tは,0.1,0.2お
ダ ニ 刺 激 に よ り84.6% たH.Tは0.1μg/mlの
ダニ
ヒ ス タ ミ ン 遊 離 を 示 し た.し よ び0.5μg/mlの
か し
いずれ の濃度
抗 体 を用 い た 反 応 の 増 強 を 試 み た.方 法 を略 記 す る と,
の ダニ 刺 激 に よっ て もヒ ス タ ミンは遊 離 され な か っ
IgG4 R.300μgに
た.以
て 受 身 感 作 後,抗IgG4抗
体50μg/ml
下,こ
の3人
の 供 血 者 に つ い て の 結 果 を 示 す.
日耳鼻
山 越=IgG4抗
表 1
体 の役割
対象 症例 リス ト
表 2
95 ― 999
IgE
R.お
よ びIgG4
R.の
組 成
表 3
IgE(100ng)受 身 感 作 後 の ダ ニ(D.F)に よる 非 ア レ ル ギ ー ヒ ト末 梢 血 白 血 球 か らの ヒ ス タ ミ ン遊 離(%HR)
表 4
IgG4受 身 感 作 後 の ダ ニ(1).F)に よ る非 ア レ ル ギ ー ヒ ト末 梢 血 白血 球 か らの ヒ ス タ ミ ン遊 離(%HR)
3. IgG4抗
IgG4
R.受
体(表5)に
100μg,300μgの お い て も,0.1,0.5お
身 感 作 後 の,ダ
ニ(表4)お
よび抗 ヒ ス タ ミ ン 遊 離 は 最 大 でY.Tの5.8%で
よ る ヒス タ ミン遊離 い ず れ か のIgG4 よ び1.0μg/mlの
R.の
受 身感 作 に
ダ ニ 濃 度 で は,
お よ びH.Tに す ぎ な か っ た.
お い て は1∼2%の
あ っ た.Y.Y ヒ ス タ ミ ン遊 離 に
山 越=IgG4抗
95 ― 1000
一方
,抗IgG4抗
体 は1.0∼50μg/mlの
で刺 激 を行 っ た.Y.Yは,IgG4 場 合,50μg/mlの
抗IgG4抗
ン遊 離 を 示 し た.IgG4 の 濃 度 の 抗IgG4抗
体 に よ り9.1%の
体 に よっ て も ヒス タ ミンは まった
100μgと300μgのIgG4受
よ びY.T.に
お い て は,
身感 作 に お い て ヒ ス タ ミ ン
遊 離 率 は ほ ぼ 同 様 で あ り,最 大 で 約5%で
あ っ た.
ヒ ス タ ミン遊 離 能 は極 め て 低 い と い え よ う.こ
の 点 を確 か め る た め,ヤ ギ 抗 マ ウ スIgG抗
表 5
ヒス タ ミ
100μgの 受 身 感 作 で は,い ず れ
く遊 離 しな か っ た.H.T.お
IgG4の
範囲の濃度
300μgの 受 身 感 作 の
体 を2次
抗
IgG4受 身 感 作 後 の 抗IgG4抗 体 お よ びヤ ギ抗 マ ウ スIgG二 次 抗 体 に よ る 非 ア レ ル ギ ー ヒ ト末 梢 血 白 血 球 か ら ヒ ス タ ミ ン遊 離(%HR)
図 1
IgG4抗
1992
体 の役割
体 と し て 用 い た ヒ ス タ ミ ン 遊 離 の 増 強 を 試 み た が,ヒ ス タ ミ ン 遊 離 は 全 く 増 強 さ れ な か っ た. 4.
IgE
R.受
身 感 作 後 の ダ ニ に よ る ヒ ス タ ミン遊
離 に お よ ぼ すIgG4 IgE
R.受
R.の
効 果(表6,図1)
身 感 作 に お い て,あ
離 を 示 し た 供 血 者Y.Yお 至 適 用 量 で あ る ダ ニ 濃 度,す ml,H.Tで
は0.1μg/mlを
血 球 にIgE
R.と,IgG4
の 刺 激 を 行 う と,IgEの
表 6
IgE(100ng)受
き ら か な ヒ ス タ ミン遊
よ びH.Tの2者 な わ ちY.Yで
は0.5μg/
用 い た.Y.Y.の R.を
末梢血 白
同 時 に 受 身 感 作 し,ダ
ニ
み の 受 身 感 作 の 場 合 と比 較 し
身 感 作 後 の ダ ニ(D.F)に
る ヒ ス タ ミ ン 遊 離(%HR)に IgG4の 影響
体 に よ る抑 制
に つ い て,
よ
お よ ぼ す
日耳 鼻
山 越=IgG4抗
て,300μgのIgG4に
で あ っ た.同
方100μgのIgG4で
様 にH.T.の
は11.6%の
ほ と ん ど 抑 制 さ れ な か っ た が,IgG4 %の
抑 制
場 合 も,100μgのIgG4で 300μgに
は よ り64.9
特 異 的IgG4
と し て 用 い た.抗 に よ り8U/mlか 用 い てIgE
R.と
300μgを
ダ ニ 特 異 的IgG4抗 ら0.3U/mlに
抗IgG4抗 た が,症
体 は0.1∼50μg/mlの
コ ン トロ ー ル
体 価 は,吸
収 操作
減 少 し て い た.こ
共 に 受 身 感 作 を 行 っ た が,IgEに
範 囲 で刺 激 を行 っ
例 に よ り得 ら れ た細 胞 数 が 異 な る た め,す
べ
て の 濃 度 に つ い て検 討 で き な か っ た.全 症 例 の う ち, 最 高 で11.7%の
ヒ ス タ ミ ン 遊 離 抑 制 が 認 め ら れ た. ま た こ の 際,非
95 ― 1001
抗 体 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離(表7)
よ り ヒ ス タ ミ ン 遊 離 は74.8%の
抑 制 を 受 け た.一
体 の 役割
ヒ ス タ ミン 遊 離 を認 め た に す ぎず,こ
の 症 例 を 含 め て,10%以 は3例
で あ っ た.こ
上 の ヒ ス タ ミン を遊 離 した の
れ ら は血 中IgG4値
中IgG4値
の 比較 的 低 い
れ を
症 例 で あ り,血
と ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 と の 間
よ る
に は 明 確 な 相 関 関 係 は み とめ られ な か っ た.
ヒ ス タ ミ ン 遊 離 に は ほ と ん ど 影 響 を 及 ぼ さ な か っ た. 一 方 ,IgE
R.を
受 身 感 作 し た の ちIgG4
作 を 順 次 行 う 方 法 で も,結 な わ ち300μgのIgG4に
し100μgのIgG4に で は13.1%の 5.
は57.1%で
お い て は,Y.Y.で
お い て は76.2% あ っ た.そ
IV
受 身感
果 は ほ ぼ 同 様 で あ っ た.す よ り,Y.Y.に
の 抑 制 率 で あ り,H.T.で
R.の
れ に対
は21.6%,H.T.
ヒ ス タ ミ ン 遊 離 の 抑 制 率 が 認 め ら れ た.
鼻 ア レ ル ギ ー 患 者 末 梢 血 白 血 球 か ら の 抗IgG4
1.
鼻 ア レ ル ギ ー 患 者 末 梢 血 白 血 球 か らの 抗 IgG4抗 体 に よ る ヒ ス タ ミ ン 遊 離(%HR)
察
IgE R.お よ びIgG4
R.に つ い て
本 研 究 で 行 わ れ た,抗IgG4抗
体 を用 いた ア フ ィニ
テ ィー ク ロ マ ト グ ラ フ ィ ー に よ る 血 清 か ら のIgG4
R.
の 作 成 は,Fujitaら,Vervioetら
精
が血 清 か らIgEを
製 し た方 法12)13)を一 部 改 良 し た も の で あ る.彼 ら は, ポ リ ク ロ ー ナ ル 抗IgE抗 解 離 剤(6M尿
表 7
考
体 ―IgE結
素)に 免 疫 学 的 に 非 活 性 な ヒ ト血 清 ア ル
ブ ミ ン を 加 え る こ と で,試 のIgEが
合 を 解 離 す る 際,
験 管 壁 に,解
離 さ れ た微 量
物 理 化 学 的 に 付 着 し て し ま う の を防 ぎ,回 収
率 を 高 め る こ と に 成 功 し て い る.今 ノ レ抗IgG4抗
体(ヤ マ サ,ク
回,モ
ノクロー ナ
ロ ー ンDG-01)を
用 い,こ
の 方 法 に 従 っ て 予 備 実 験 を す す め,最 終 的 に 前 述 し た 方 法 を採 用 した.ま ナ ル 抗IgE抗
た,IgE
体(ヤ マ サ,ク
様 に 行 っ た.結 果 は 表2の 較 し て,IgG4
R.の 作 成 も,モ
ノ ク ロー
ロ ー ン10H3)を
用 いて同
ご と くで あ る.IgE
R.に 比
R.は 回 収 率 が 十 分 で な い こ と,少 量 で あ
る がIgG1,IgG2を
含 ん で い る こ と,な どが 今 後 の 課 題
と い え よ う.し か し,現 在 ま で 用 い ら れ て きたIgG4骨 髄 腫 蛋 白 や,IgG4を
比 較 的 多 量 に含 み 加 熱 しIgEを
非
働 化 した 血 清 で の 研 究 に比 べ る と,病 的 蛋 白 で な く, 抗 体 活 性 が 高 く,他 の 免 疫 グ ロ ブ リ ン が ほ とん ど無 視 で き うる 範 囲 で あ る こ と な ど か ら,IgG4の
免疫 学 的役
割 を 検 討 す る う えで 有 用 で あ る と考 え られ た. 2.
IgG4抗
体 の レ ア ギ ン活 性 に つ い て
非 ア レ ル ギ ー ヒ ト宋 梢 血 白血 球 にIgG4 作 し,抗IgG4抗 最 大 でY.Y.の
R.を 受 身 感
体 添 加 を 行 っ て も,ヒ ス タ ミ ン遊 離 は 約9%で
あ っ た.H.T.は5.4%,Y.T
は3.9%の
最 大 ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 を 示 した.Toorenen-
bergenら
はIgG4骨
髄 腫 蛋 白 で 正 常 ヒ ト末 梢 血 白 血 球
を受 身 感 作 し,抗IgG4抗 検 討 し,数%の
体 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離 を
ヒス タ ミン 遊 離 を み る に こす ぎ な か っ た
と報 告11)し て お り.同 様 の 結 果 が 得 られ た.最 近,高 橋18)は 好 塩 基 球 細 胞 膜 上に は 多 数 のFcε
受 容 体Iと
山越=IgG4抗
95 ― 1002
と も に,Fcγ
受 容 体IIが 存 在 す る こ と を 示 し た う え
で,好 塩 基 球 か らの ヒ ス タ ミン遊 離 はIgEを 応 で 亢 進 し て い た が,IgGを
介 す る反
介 して は 細 胞 の 形 態 変 化
の み で ヒ ス タ ミ ン遊 離 は明 らか で は な か っ た と して い る.一 方 中 川 らは 一 連 の 研 究19)∼22)の中 で,ヒ ス タ ミン 遊 離 率 と好 塩 基 球 の 脱 顆 粒 率 が 相 関 す る と し た う え で,IgG4骨
髄 腫 蛋 白 ま た は特 異 的IgG4抗
血 清 に よ る受 身 感 作 後 の,抗IgG4抗 率 は50%台
体価の高い
体 に よ る脱 顆 粒
で あ っ た と し て お り,今 回 の 結 果 と は 著 し
く異 な っ て い る.
体(マ
い,IgG4抗 た.し
ウ スIgGク
体 を モ ノ クロ ー ナ ル抗
ラ ス)の 二 次 抗 体 と し て 用
体 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離 反 応 の 増 強 を 試 み
か し,ヒ
ス タ ミ ン は ま っ た く遊 離 さ れ ず,IgG4
抗 体 の レ ア ギ ン活 性 は 低 い もの で あ ろ う と 考 え られ た.
回 得 ら れ た 結 果 は,こ
告 を 支 持 す る も の で あ り,IgG4を 離 の 可 能 性 は,極 3.
IgG4抗
れ らの報
介 す る ヒ ス タ ミン遊
め て 低 い もの と考 え ら れ た.
体 の 標 的 細 胞 上 で の 遮 断 抗 体 と して の
役割 に つい て I型 ア レ ル ギ ー 標 的 細 胞 上 に お い て,IgG4抗
体 の遮
断 抗 体 と し て の 働 き を 証 明 し よ う と し た 試 み は,in vivoで
は,ヒ ヒ ま た は サ ル を用 い たPCA反
応 をIgG4
骨 髄 腫 蛋 白 が 抑 制 す る と の 報 告 が,Staworthら9)お
は,中
よ りな さ れ て い る.ま
川 ら19)21)が蜂 毒 特 異 的IgG4抗
たin
よ
vitroで
体 を多 量 に含む
面 清 を健 常 人 白 血 球 に受 身 感 作 し た 場 合,抗IgG4抗 体 に よ り ヒ ス タ ミ ン遊 離 が 認 め ら れ る が,蜂
毒抗 原を
添 加 す る と ヒス タ ミ ン遊 離 が 抑 制 され る傾 向 に あ った と報 告 し て い る.か れ ら の 場 合,IgE抗
体 とIgG4抗
体
との 量 的 関 係 が 明 らか に さ れ て お らず,血 清 中 のIgG4
さ ら に,血
中IgG4値
が さ ま ざ まな 鼻 ア レ ル ギ ー 患
者 の 末 梢 血 白 血 球 に 抗IgG4抗 遊 離 を検 討 し た.そ 10%以
報 告 を行 っ て い る.今
びVijayら10)に
こ こ で,ヤ ギ 抗 マ ウ スIgG抗 IgG4抗
1992
体 の役割
の 結 果,最
上 の 症 例 は20例 中3例
11.7%で
体 を添 加 し ヒ ス タ ミ ン 大 ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 が の み で あ り,最 高 で も
あ っ た.中 川 ら19)22)は,ア レ ル ギ ー 患 者 末 梢
白 血 球 か ら の 抗IgG4抗
体 に よ る 脱 顆 粒 率 は,正
に比 較 し有 意 に 高 く7∼73%,平
均 約35%で
常人
あ った と
報 告 して い る.Faganら23)は,正
常 末梢血 白血球 浮遊
液 に モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗IgG4抗
体 を添 加 し ヒ ス タ ミ ン
遊 離 を検 討 し て い る が,14名
中4名
抗 体 の 量 も不 明 で あ る. 本 研 究 で は,IgG4骨 考 に,IgE
100ngと,IgG4
身感 作 に 用 い た.そ のIgG4に
100あ る い は300μgと
を受
の 結 果 は 前 述 した よ う に,300μg
よ り,IgEを
介 す る ヒ ス タ ミ ン遊 離 は著 し く
抑 制 さ れ た.各 々の 分 画 の ダ ニ 特 異 的 抗 体 価 は 高 いが, IgE R.はng単
位 で あ る の に 比 べ て,IgG4
位 で あ る の で,IgG4
R.は
μg単
R.中 の ダニ 特 異 的 抗 体 はIgE
R.
中 の そ れ に比 較 して 極 め て 多 量 で あ る と推 測 され る. 多 量 の 特 異 的IgG4抗
に58.6%∼20.3%
髄 腫 蛋 白 を用 い た 実 験 な どを参
体 の 存 在 が あ っ て は じ め てIgE
の ヒ ス タ ミ ン遊 離 を認 め た と して い る.こ れ らの 報 告
抗 体 を 介 す る ヒ ス タ ミ ン遊 離 が 抑 制 さ れ る 理 由 は,
に は,血
Fcγ 受 容 体 に 対 し てIgG4分
中IgG4値
が 示 さ れ て い な い こ と,抗IgG4抗
体 を 含 ま な い コ ン ト ロー ル に よ る ヒ ス タ ミン遊 離 を減
よ る の か も しれ な い.最
ず る こ と な く ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 を計 算 して い る こ とな
と25)∼28),ヒ ト白血 球Fcγ
ど,著 者 の 場 合 と異 な る た め 一 律 に は 比 較 で きな い が,
か ら3つ
本 研 究 の 結 果 か らは,IgG4の
ヒス タ ミ ン遊 離 率 は 極 め
て 低 い もの で あ る と結 論 で き よ う.ま 遊 離 率 が10%以
上 の3症
例 は,血
低 い 症 例 で あ り,血 中IgG4値
た,ヒ
中IgG4値
子 の親 和 性 が低 い ことに
近 の 分子 生物 学 的研 究 による 受 容体 は分 子量 な どの違い
の タ イ プ に 分 類 さ れ て お り,そ
して も,IgG1分
子 が 最 も親 和 性 が 高 く,IgG4分
ス タミン
程 度 の 親 和 姓 を 示 す と報 告 さ れ て い る.し
が比 較 的
株 作 製 の 困 難 さ の た め,好
と細 胞 上 のIgG4分
子の
に つ い て は,Fcγ
塩 基 球 な らび に マ ス ト細 胞
い.好 塩 基 球 細 胞 膜 上 に お い て もFcγ
に 関 し て は,最 大 ヒ ス タ ミ ン遊 離 率 は,Y.T.に100μg
に 存 在 す る が ゆ え に,IgG4が
のIgG4抗
は極 小 と な る可 能 性 が あ る.本
体 に 対 す る 反 応 度 と は関 係 な く,ヒ
あ り,IgE抗
ス タ ミ ン は ほ とん
子 は中
か し,細 胞
受 容体 の 解析 が い まだ な され ていな
数 とは,個 体 に よ っ て 異 な る こ と も推 測 さ れ た. 一方 ,IgG4受 身 感 作 後 の ダニ に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離
体 を受 身 感 作 した 際 の5.8%で
の い ず れ に対
よ う な 性 質 を有 す る と す れ ば,血
た 好 塩 基 球 上 に お け るIgEを
受容 体 が上記 の
中 に はIgG1が
多量
本 細 胞 上 に 固 着 す る機 会 研 究 に お い て証 明 され 介す る ヒ ス タ ミン遊離
ど遊 離 され な か っ た.こ の 点 に 関 し,Toorenenbergen
に 対 す るIgG4に
ら11),Poulsenら24)は,ダ
て 打 ち 消 さ れ る の か ど うか が 今 後 の 大 き な 研 究 課 題 と
ニ 特 異 的IgG4抗
清 で 正 常 ヒ ト末 梢 血 白 血 球 を 感 作 し,ダ
体 を 含 む血 ニで刺 激 す る
こ と に よ り,抗 原 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離 は 少 な い との
い え よ う.IgG1の
よ る 抑 制 効 果 が,IgG1の
存 在 によ っ
打 ち 消 し効 果 が な け れ ば ,特 異 的 減
感 作 療 法 に よ って 血 中 に 増 加 して くる抗 原 特 異 的
日耳 鼻 IgG4抗
山越=IgG4抗
体 の役 割
体 が 臨 床 上 免 疫 掌 的 に 重 要 な 意 味 を有 す る こ
of
と に な る.
95 ― 1003
house
dust
subclass patients
V 1.
ま
ハ ウ スダ ス ト
と
め
鼻 ア レ ル ギ ー 患 者 血 清 よ り,モ
2.
6)
R.お よ びIgG4
て 受 身 感 作 を 行 い,ダ
幸:鼻
7)
ア
レ ル
ing
体 で刺
in
ギ ー 患
911-921
grass
specific
Int
and
IgG in
Archs
者
の
Allergy
ダ ー(Dermato-
異 的 血 清IgGお
よ びIgG4抗
体 .
,1985.
R, ƒÓIpsterballe O:
response
IgG
1987.
farinae)特
Djurup
IgE,
immunotherapy
rhinitis.
95-99,
ニ
R .に
ニ 抗 原 ま た は 抗IgG4抗
尾 友
82:
ア レ ル ギ ー34:
R.を 作 成 した .
非 ア レル ギ ー ヒ ト末 梢 血 白 血 球 を,IgG4
北
specific during
perennial
Immun
phagoides
ノ クローナ ル抗体 を用
い た ア フ ィ ニ テ ィ ー ク ロ マ トグ ラ フ ィ ー に よ り ,ダ 抗 体 価 の 高 いIgE
with
Appl
ダニ で減 感作 療 法 を うけて い る
mite •\
antibodies
IgG
subclass
pollen-allergic
antibody
patients
immunotherapy.
undergo-
Allergy
39:
433-441
,
1984.
激 した が,明
らか な ヒ ス タ ミ ン遊 離 は 認 め ら れ な か っ
8)
た.
Durup
R,
with
3.
血 中IgG4値
gens.
を 加 え た が,20例
中3例
に10%以
体 に よ る刺 激
9)
上 の ヒ ス タ ミ ン遊 離
介 し ヒ ス タ ミン を遊 離 す る 非 ア レ ル ギ ー
ヒ ト末 梢 血 白血 球 に,IgEと
と も にIgG4を
Clin
10)
受 身感作 す
Vijay
HM,
mediated
抑 制 が 認 め ら れ た.
subclass.
以 上 よ り,I型
87,
ア レル ギ ー 標 的 細 胞 上 に お い て
体 は,レ ア ギ ン と して で は な く,遮 断 抗 体 と し
11)
12)
der
et
al:
Giessen
M,
Subclass
grass
Homan
typing
IgG
pollenallergic
apy.
Int
Allergy
Kernebeek
antibodies
patients
Archs
Van
formed
during
Appl
G
DC,
and
IgD
patients
3)
de
with
response
in
RC,
Serologic
aspects
for
Van
50:
13)
625-640
T,
Takaishi
in
patients
bronchial
Immun Nakagawa
asthma:
in 130: T,
122-125, T,
Kozeki
IgE,
Y,
R,
level
inharant
aller-
Leeuwen
an
I.
J:
Int
Y et
Archs
al:IgG4
Allergy
et
al:
human
, 1973.
Inhibition
of and
by Appl
reagin-
histamine
human
IgG4
Immun
Aalbers
53:
Immun
78-
Y,
K
et
al:
49:
Wypych
by
In
I.
antibody
vitro
Radioim-
levels.
724-733, JI
factors
antibodies
1981.
ragweed:
Immun
and Int
432-440,
Wicher
measuring
IgG4
leukocytes.
65:
to
serum
RC:
basophil
JI,
Fujita of
et
Int
1975.
al:
The
on
measurement
RAST.
Clin
inhibiof
IgE
Allergy
4:
1974.
中 川 武 正,高
石 敏 昭,宮
本 昭 正,杉
ノ ク ロ ー ナ ル 抗IgG4抗
正 人,石
体 の 作 製
Immunosorbent
毛 雅 夫:
と そ のEnzyme-
Assay(ELISA)へ 277-283
M, Albert study
with small
の 応 用.
, 1985.
R et al:
Procedure
of histamine volume
Changes
DA, Osier AG:
Study
hypersensitivity
phenomena
ization
of human
pollen
Appl
17) J
reagin-
the
37-41
monkeys
Allergy
Appl
D,
effect
16) Levy
antigen•\
1983. Katagiri
by
release
of blood.
for from
J Allergy
46: 12-20, 1970.
housedust-mite-sensiwith
L:
of
for Allergy
leukocytes
1983.
Sakamoto
3:
in
antibodies
immunochemical
IgG4•\restricted
722-726,
of
baboons
leukocytes
Wypych
15) May CD, Lyman
Prolonged
1987.
Inhibition
AW,
ア レ ル ギ ー34:
Van
Allergy
Appl
of
Vervloet
Linked
Congress
Clin
Archs
Allergy
Fujita
モ
pp140.
Relationship
H,
14)
in
sensitization
359-369,
RAST
International
with
IgG4,
reactions
Toorenenbergen
tory
,
sensitive
negative
antibodies.
immunotherapy. 71:
al:
venom
but
Gaas
IgG4
Immunol
antibodies
bee
1979,
results J
U et
tests
Xth
der of
Nakagawa
specific
skin
Jerusarem,
Aalberse
response.
5)
Muller
Abstracts
Allergology,
tive
Van
Archs
immunother-
Immun
AL,
positive
immunization
4)
Weck
antibody
assays. of
Int
aspergillus
Heiner
antibody
with 459-468,
AK:
human
munoassay
by
1976. 2)
IgG4
1977.
reaction
WL,
17:
Smith
reactions
from
Archs
参 考 文 献 Van
High
Perelmutter PCA
passive
て の 役 割 を有 す る 可 能 性 が 高 い こ とが 示 唆 さ れ た .
1)
FCA sub-class.
release
5.
DR,
IgG4
る こ と に よ り,ダ ニ 抗 原 刺 激 に よ る ヒ ス タ ミ ン遊 離 の
IgG4抗
HJ: immunotherapy
Allergy
Stanworth mediated
を認 め た の み で あ っ た. IgEを
of
が さ ま ざ ま な レベ ル で あ る 鼻 ア レ
ル ギ ー 患 者 末 梢 血 白 血球 に,抗IgG4抗
4.
Mailing
failure
In Vitro antigen.
三田 晴 久,油
J Immunol
井 泰 雄,安
Radioimmunoassayに
枝
on the mechanisms XIV.
Passive
leukocytes
to ragweed
97: 203-212, 浩,信
of
sensit-
太 隆 夫,田
1966. 川 宗 教:
よ る ヒ ス タ ミ ン の 定 量.ア
レル ル
山 越=IgG4抗
95 ― 1004
ギ ー36: 18)
121-129,
高 橋
清:好
19)
924.
中 川 武 正:即
20) Nakagawa
BM, de Weck
I. Quantification
basophil
of human
AL:
basophils
by flow-cytometry.
Flow-
and their
Allergy
T, Stadler
cytometric
analysis
the
induced
calcium
DC et al:
basophil
Flow-
by anti-IRE,
ionophore
analysis
anti-
A23187.
Clin
de Weck AL:
of human
III. Degranulation
antibodies
in hay
patients.
Int Archs
basophil
induced
fever
and
Allergy
bee
Flow-
degranula-
by allergens venom
Appl Immun
and
release
CA, Capra
to immunoglobulin
from
Clin Immunol 24) Poulsen
VH:
and murine
receptor
6: 251-281,
Antibody-cell
Structure for IgG.
1988.
interaction:
Fc receptors.
高 橋 和 彦,山 プ と 機 能.代 富 永 麻 理,坂
正 俊 之,小
山 次 郎:Fcγ
謝26(12増): 田 敦 子,尾
レ セ プ タ ー の タ イ
101-107, 上
薫:Fcγ
リ ー の 構 造 多 様 性.Medical
1989. レ セ プ タ ー フ ァ ミ
Immunol
21:
47-60,
1991,
稿 を終 え る に あ た り,ご 指 導 ご校 閲 を賜 っ た 恩師 金子 敏 郎 教 授 に謹 ん で深 甚 な る謝 意 を表 す る と共 に,本 研 究を
り感 謝 い た します. なお 本論 文 の 要 旨 は,第40回 日本 ア レ ルギ ー学 会 総会,第 9回 日本耳 鼻 咽 喉 科 免疫 ア レ ル ギー 学 会,第32回
日本耳鼻
咽 喉 科学 会 千 葉 県地 方 部会,国 際 鼻 科 学 会議91´,第14回 国
64: 201-
際 ア レル ギ ー ・臨床 免 疫 学 会 お よび 第93回 日本 耳 鼻 咽喉科 学 会総 会 にお い て 口述 発 表 した.
DL, Slauter
antibodies
JP:
E, Freedman
of human
allergic
209, 1981. 23) Fagan
86:
労 を厭 わ ず直 接 ご指 導 くだ さ っ た藤 田 洋 祐 前助 教 授 に心 よ
T, Moyseyenko O,
cytometric
basophil
Immunol
degranula-
11: 21-30, 1981.
22) Nakagawa
tion:
BM, Heiner of human
II. Degranulation
IgG4, and Allergy
27)
28)
21) Nakagawa
human
Appl
Cell 57: 351-354, 1989.
36: 39-
47, 1981.
tion.
26) Kinet
degranula-
from
Allergy
JC, Scigliano
and function
Ann Rev Immunol
of human
release
Int Arch 1988.
25) Unkless
レ ル ギ
, 1981.
analysis
degranulation
ヒ トIgG4に
固 着 の 有 無 の 解 析.ア
T, Stadler
cytometric tion:
383-390.
時 型 ア レ ル ギ ー とIgG4:抗
206-212
in histamine
luecocytes.
1990,
よ る 好 塩 墓 球 へ のIgG4の ー30:
IgG4
1987.
塩 基 球 の 免 疫 グ ロ ブ リ ン レ セ プ タ ー.ア
レ ル ギ ー39:
1992
体 の役割
human
basophils
JD et al: Monoclonal G4 induce
histamine
in vitro.
J Allergy
70: 399-404, 1982.
LK, Stahl Skov P. Mosbech
(1991年12月10日 受 稿1992年1月28日 別刷 請 求 先
千葉 大学 医 学 部 耳 鼻咽 喉 科 学 教 室 H et al: Role of
受理)
〒260千 葉 市 中央 区亥 鼻1-8-1 山越 隆行
95 ― 1141
録 抄 日耳鼻
. 喫 冥 狗 轡 懸 犠 刃 り 二 塵 築 騨 翌 麿 V亟 ︾ ⊃ 潟量 超 褻 姻 楚量 蝦 噸 Obの困 Ψ 3 箕 り心日 ﹁囲 緊 鐙 聴 ー 等 ミ ム ト 副 同 . 喫 ○総粒 崎e 爬 ⊃趨期 如 八 〃紙K ﹂Q 遡 騨 訳 黛 粒 還 。っ笹 蔭 ON. 纂 翼 D憂翼 和量 振 . Obp圃垣 姻訴 目 題 掴 澤 桜 煎 曖 1 辱 ムヘム ト蹴 喫 悦 .喫 ○灸 麺 冥 憩 愈 雛 勾 更 謁 煙 楚齪 期 入 〃 鰍 K ﹂ 、 纂 喫 ⊃題 翼↑ 量輯 マ Ob 心圃娯 楚 喫 輔 踵 継 q 鳳 . 二に 梱 拳樋血 駆 ↑憩 糾 マ Ob￡剛. 枳 . 喫 罵 狛 華 量 楚 離 期 八 〃 紙 K ﹂ 9 桶 惚 刃 U ゆ 蝦ロR姻 単 踵 融 甑 e 噸 Ob 心圃
. ︾ 3 囲 脚 箪 渥 八 ー ロ へ舞
. 慰 擬 蟹 偲 瘍 灘 桜 ゆ 極 齪 姻 脚 八 〃 臥 × " O 蝿 想 鷲 斌 騨 母 樋 蝋 甑 国bゆ一 .喫
ー
D 隷襲 姻 可 Ob心一b 蝿 鵯 国b p圃3 確 e 暉 葦 転 瑞 鳳
一⑩oDNのー ⑩①OOー ゆ①
