日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)145,178∼182(2015)

特集

レット症候群における病態分子機構

X–連鎖知的障害の分子病態解明への挑戦 2

三宅 邦夫,久保田健夫

要約:レット症候群は女児 1 万∼1 万 5 千人に 1 人の

行性の精神・神経発達疾患である.X 連鎖優性遺伝病

割合で発症する進行性の精神・神経発達疾患である.

で,発症率は女児 1 万∼1 万 5 千人に 1 人といわれて

原因遺伝子産物である MeCP2 はエピジェネティック

いる(1).レット症候群の原因は 90%以上が MECP2

な遺伝子発現調節機構における中心分子である.これ

(methyl-CpG binding protein 2)遺伝子変異であるこ

まで MeCP2 はメチル化 DNA に結合し,遺伝子の発現

と が 明 ら か に な っ て い る.MeCP2 は エ ピ ジ ェ ネ

抑制に働くと考えられてきたが,遺伝子の発現促進に

ティックな発現調節機構における中心的な分子で,メ

も働くこと,クロマチンループ構造の形成やクロマチ

チル化 DNA に結合し遺伝子発現を抑制することがこ

ン の 凝 集 に 関 与 す る こ と も わ か っ て き た.さ ら に

れまで知られているが,近年遺伝子発現の促進にも関

MeCP2 はメチル化 DNA だけでなくハイドロキシメチ

与することも報告され,MeCP2 タンパク質には多数

ル化 DNA にも結合すること,多数の標的遺伝子だけ

の機能があることがわかってきた.RTT の分子病態

でなくマイクロ RNA の発現調節に関与することから

として MeCP2 の機能不全によるシナプスや回路形成

MeCP2 は多機能であり,遺伝子発現調節機構はまだ

異常が引き起こされていると考えられ,MeCP2 の標

不明な点も多い.これまでレット症候群の神経病態は,

的遺伝子や RTT 病態関連シグナル経路も報告されて

神経細胞における機能異常に起因すると考えられてき

きている.また発達障害や精神疾患の病態において神

たが,近年 MeCP2 は神経細胞だけでなく,グリア細

経細胞だけでなくグリア細胞の関与も指摘されており,

胞でも発現していること,グリア細胞における MeCP2

RTT の病態にもグリア細胞における MeCP2 機能不全

機能不全が神経細胞の突起やシナプス形成異常を引き

が影響していることが明らかになってきた.近年では

起こすことがわかり,レット症候群の病態にグリア細

RTT 患者由来の iPS 細胞が樹立されたことで,新たな

胞が大きく関与していることが考えられる.グリア細

疾患モデル細胞として病態解明研究のみならず,治療

胞の機能改善が新たなレット症候群の治療標的になる

薬の開発に向けた研究が行われつつある.

かもしれない.近年,レット症候群患者から iPS 細胞

本論文では RTT における分子病態解明研究の最近

が作製され,従来行われてきたモデルマウスや患者の

の知見を中心に治療に向けた研究についても考察する.

死後脳を用いた神経病理学的な所見と同様に,レット 症候群 iPS 細胞から分化誘導した神経細胞は神経細胞 体や突起数の減少,神経細胞の成熟異常が確認された. 今後,レット症候群患者 iPS 細胞を用いた研究は,神

2. MeCP2 の機能 1)MeCP2 による遺伝子発現調節機構 MeCP2 は メ チ ル 化 シ ト シ ン(5mC)に 結 合 し,

経病態の解明を目的とするだけでなく,治療薬の開発

HDAC1,2 や Sin3A などと複合体を形成し遺伝子の発現

に発展することが期待される.

を抑制することが知られている(図 1A) .また Dlx5 遺

1. はじめに レット症候群(RTT)は自閉症やてんかん,失調性 歩行,特有の手もみ動作(常同運動)を主徴とする進

伝子近傍のクロマチンループ構造の形成やクロマチン の凝集に関与することも報告されている (2) (図 1C,D) . 一方で MeCP2 が CREB1 などと複合体を形成し遺伝子 の発現を促進することも明らかになっている(図 1B) .

キーワード:レット症候群,MeCP2,遺伝子発現調節,DNA メチル化,グリア細胞 山梨大学大学院 医学工学総合研究部 環境遺伝学講座(〒409-3898 山梨県中央市下河東 1110) E-mail: [email protected] 原稿受領日:2015 年 1 月 15 日,依頼原稿 Title: Molecular mechanism in Rett syndrome Author: Kunio Miyake, Takeo Kubota

レット症候群における病態分子機構

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図 1 MeCP2 による遺伝子発現調節機構

MeCP2 には(A)遺伝子発現抑制, (B)遺伝子発現促進, (C)クロマチンループ構造, (D)クロマチンの凝集といったさまざまな機能がある.

また近年 MeCP2 はハイドロキシメチル化シトシン

2)MeCP2 の標的遺伝子

(5hmC)にも結合することが報告された (3).5hmC

RTT の病態の解明や治療戦略を考える上で MeCP2

は活性化されている遺伝子領域で多くみられることか

の標的遺伝子を同定することは重要である.これまで

ら MeCP2 が 5hmC に結合し,転写を活性化している

に BDNF や DLX5/6,IGFBP3 などの遺伝子が MeCP2

と考えられ,RTT の MECP2 変異として知られる R270X

の標的遺伝子として報告されている(6–8).特に脳由

や R133C では 5hmC との結合が失われることから病

来神経栄養因子である BDNF は Mecp2 ノックアウト

態分子メカニズムに関与していると考えられるが,詳

マウスで減少していることから,RTT の病態に BDNF

細なメカニズムはまだわかっていない.今後,MeCP2

の発現調節異常が関与すると考えられている(9).し

が 5mC もしくは 5hmC に結合し,どのように遺伝子

かしながら,MeCP2 は BDNF 遺伝子発現機構におい

発現(遺伝子活性化および抑制)調節をしているのか

て直接的に活性化にも抑制にも関与することが報告さ

明らかになることが期待される.

れ て い る こ と か ら,ど の よ う に MeCP2 に よ っ て

RTT 患者はほぼ女児であり,X 染色体不活性化機構

BDNF 遺伝子発現の活性化・抑制が調節され,RTT で

により正常 MECP2 と変異 MECP2 がモザイクに発現

はどのように発現調節異常が引き起こされているかは

した状態である.男児は X 染色体が 1 本しかないため

まだよくわかっていない.

正常 MECP2 が発現しないため胎生致死となる.しか

そのほか MeCP2 の標的遺伝子はいくつも報告され

しながら男児の中には MECP2 が 2 コピー発現する

てきたが,RTT の病態解明につながる標的分子は少な

MECP2 重複症候群という RTT よりも重度な精神遅滞

かった.RTT の死後脳やモデルマウスの病理学的な

を伴う疾患が報告されている(4).また MeCP2 変異

所見から,神経細胞突起やシナプス形成の異常が指摘

がなくても MeCP2 が適切に発現調節されないこと

されていたことから,我々は MeCP2 によるシナプス

(MeCP2 発現量低下)で,性分化異常や自閉症,精神

関連分子の遺伝子発現調節に注目した.これまでは網

疾患の原因になることが報告されている (5).これら

羅的遺伝子発現解析による標的遺伝子探索が主に行わ

の報告は脳内において適切な時期や細胞で MeCP2 の

れてきたが,我々はクロマチン免疫沈降法を用いた

発現量が厳密に調節されなければならないことを意味

MeCP2 結合ゲノム領域の同定を行った.その結果,

しており,遺伝的要因のみならず環境的要因によって

シナプス間の接着に関与するプロトカドヘリン分子で

も MeCP2 発現異常による RTT のような発達障害が引

ある PCDHB1 と PCDH7,シナプスの足場タンパクで

き起こされる可能性が示唆される.

ある LIN7A を同定した (10) .MeCP2 によって PCDHB1 と PCDH7 遺伝子の発現は抑制されるが,LIN7A は促

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三宅 邦夫,久保田健夫

進されることを発見した.これらは MeCP2 が遺伝子

MeCP2 による遺伝子発現調節異常がアストロサイト

発現促進にも抑制にも働くことを裏付ける結果であり,

の機能異常を引き起こし,神経突起形成に悪影響を及

シナプス関連分子の発現調節異常が RTT 症候群の自

ぼしたと考えられる.またアストロサイト特異的に

閉症病態などに関与していることが示唆される.2008

MeCP2 を発現するコンディショナルノックアウトマ

年には Mecp2 ノックアウトおよび過剰発現マウスを

ウスを用いた解析から,神経細胞の突起形成異常の改

用いた網羅的遺伝子解析の結果,MeCP2 が視床下部

善や小胞グルタミン酸トランスポーター(VGLUT1)

だけで約 2000 にも及ぶ遺伝子を制御していること,

の発現が増加,さらには異常呼吸パターンの改善,不

実際にそれら遺伝子の約 85%の発現を活性化してい

安様行動の改善などが示された(17).これらの報告か

ることが報告された(11).また遺伝子だけでなく,多

ら,RTT の病態にアストロサイト機能異常も深く関与

数のマイクロ RNA の発現調節にも関与していること

しており,アストロサイト機能改善が新たな治療標的

が明らかになった(12).これらの結果は MeCP2 の

になるかもしれない.

個々の標的の機能を解明していくよりも,神経機能の

アストロサイトにおける MeCP2 による遺伝子発現

回復に焦点を当てた方が RTT の治療法の解明につな

調節機構はまだ不明な点も多いが,アストロサイトの

がるのではないかと示唆される.

マーカーである GFAP や S100beta が正常アストロサイ

3. RTT 病態におけるグリア細胞の関与

トと比較して Mecp2 欠損アストロサイトで発現が上 昇していることが報告(18)されているが,アストロサ

これまで RTT の病態は神経細胞における機能異常

イト機能や RTT の病態との関係はよくわかっていな

に起因すると考えられてきた.しかしながら近年,グ

い.また神経発生過程において,通常最初に神経幹細

リア細胞における MeCP2 機能不全が RTT の病態に大

胞からニューロンへの分化がなされ,その後アストロ

きく関与していることがわかってきた.MeCP2 は神経

サイトへの分化が始まる.その過程において MeCP2

細胞でのみ発現していると考えられてきたが,現在は

はアストロサイト特異的遺伝子のプロモーターに結合

アストロサイト,オリゴデンドロサイトそしてミクロ

し,遺伝子発現を抑制することでアストロサイトへの

グリアでも発現していることが確認されている(図 2).

分 化 を 抑 制 し て い る こ と が 知 ら れ て い る.し か し

近年,アストロサイトは自閉症やダウン症,胎児性

RTT では MeCP2 機能不全により,アストロサイトへ

アルコール症候群などさまざまな発達障害の病態に関

の分化時期が早まっているのではないかと考えられる

与していると報告されている(13, 14).RTT において

(図 3).

は RTT モデルマウスやヒト患者 iPS 細胞由来のアスト

ミクログリアもまた種々の神経発達障害や精神疾患

ロサイトを用いて,Mecp2 欠損アストロサイトと正常

病態との関与が指摘されており,これらの患者の脳内

神経細胞を共培養すると神経突起長や数が減少するこ

ではミクログリアの異常活性化が引き起こされている

とが報告されている(15, 16).また Mecp2 欠損アスト

と考えられている.Mecp2 欠損ミクログリア培養上

ロサイトの培養上清でも同様に神経細胞の突起形成不

清を用いて正常神経細胞を培養したところ,神経細胞

全 が 生 じ る こ と か ら,ア ス ト ロ サ イ ト に お け る

突起形成異常やシナプス関連タンパク質の発現低下を

図 2 レット症候群病態におけるグリア細胞の関与

(A)MeCP2 欠損アストロサイトおよびミクログリアは正常神経細胞の神経突起やシナプス形異常を引き起こす.(B)グリア細胞特異的に正常 MeCP2 を回復させると MeCP2 欠損神経細胞の突起形成の改善やレット症候群モデルマウスの症状を改善する.

レット症候群における病態分子機構

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図 3 レット症候群における神経幹細胞分化異常モデル

神経幹細胞の分化過程において通常,胎生中期には MeCP2 によりアストロサイトへの分化が抑制されているが,レット症候群では MeCP2 機 能不全によりアストロサイトへの分化時期が早まっていることが考えられる.

示した(19).Mecp2 欠損ミクログリア培養上清中に

胞が初期化されているかどうかは議論が分かれている

は正常と比較して 5 倍高いグルタミン酸が放出されて

(23).RTT-iPSCs の場合,X 染色体上の MECP2 に変

おり,これが神経細胞毒性を引き起こしたと考えられ,

異があることから樹立される iPS 細胞には 2 つのタイ

ミクログリアのグルタミン酸合成や放出が RTT の治

プが考えられる(図 4).1 つ目は,初期化により XCI

療標的となるかもしれない.

が解除される場合,正常および変異 MECP2 発現細胞

4. RTT 患者由来 iPS 細胞を用いた病態解明研究 近年,RTT 患者から樹立した iPS 細胞(RTT-iPSC)

どちらからも 2 本の X 染色体が活性化つまり正常 MECP2 を発現した iPS 細胞が樹立され,その後の分 化誘導によりランダムに XCI が起こるパターンである.

を用いた研究が報告されつつある.従来行われてきた

この iPS 細胞から分化誘導した神経細胞集団は RTT 患

モデルマウスや患者の死後脳を用いた神経病理学的な

者脳と同様に正常 MECP2 の発現・非発現細胞がモザ

所見と同様に,RTT-iPSCs から分化誘導した神経細胞

イクで存在することになる.2 つ目は,XCI 解除され

は神経細胞体や突起数の減少,神経細胞の成熟異常が

るまで初期化されない場合,体細胞の XCI 状態を反映

確認された(20, 21).また MECP 変異を有する RTT-

した MECP2 の発現パターンを維持したままの(正常

iPSC と CDKL 変異を有する RTT-iPSC の比較研究か

MECP2 発現および変異 MECP2 発現)iPS 細胞がそ

ら,両者に共通してグルタミン酸受容体遺伝子 GRID1

れぞれ樹立されることになる.これらの細胞は正常

の発現異常が見いだされ,GRID1 発現が iPS 細胞では

MECP2 発 現 iPS 細 胞 に つ い て は 細 胞 治 療 に,変 異

減少しているのに対し,これから誘導した神経前駆細

MECP2 発現 iPS 細胞は新たな RTT モデル細胞として

胞や成熟神経細胞においては増加していることが明ら

病態解明のみならず,治療薬開発に利用できるだろう.

かにされた(22). RTT-iPSC の樹立の際に考慮すべきことは X 染色体 不活性化(XCI)が解除されているかどうかである.

5. おわりに 現在,RTT の治療に向けた研究も報告されつつある.

胚盤胞初期の内部細胞塊の細胞では XCI は解除され,

インスリン様成長因子である IGF-1 の投与が RTT モ

それらの細胞では 2 本の X 染色体が活性化されている

デルマウスの症状を改善することが報告(24)され,現

が,その後の分化過程で,細胞それぞれが独立かつラ

在は臨床治験に進んでいる.また最近,コレステロー

ンダムに 2 本の X 染色体のうち 1 本を不活性化する.

ル合成阻害薬である Statin やヒストン脱アセチル化阻

iPS 細胞樹立によって XCI が解除されるところまで細

害薬であるバルプロ酸投与により RTT モデルマウス

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三宅 邦夫,久保田健夫

図 4 レット症候群患者 iPS 化に伴う X 染色体不活性化

レット症候群 iPS 細胞樹立に際して,iPS 化により X 染色体不活性化機構が解除されるかは重要である.iPS 誘導により X 染色体不活性化が 解除され,どちらの細胞でも正常 MECP2 アリルが発現する iPS が樹立されるのか,X 染色体不活性化解除まで初期化されず,体細胞の不活性 化パターンを維持した iPS 細胞が樹立されるということが考えられる.

の症状の一部を改善することが報告されている(25, 26).また BDNF の投与や BDNF シグナル経路を活性 化させる薬剤も RTT の治療標的として有効である. またゲンタマイシンなどのアミノグリコシド投与がエ クソンスクッピングによる正常 MeCP2 タンパク質の 発現を増加させ,神経症状改善効果があることが報告 (27, 28)されており,今後は TALEN,CRISPR などの ゲノム編集技術も含めた遺伝子治療についても期待が 集まっている.そのほかにも X 染色体の再活性化薬に よる正常 MECP2 の発現も治療に考えられている(29). このように様々な角度から RTT の治療法が検討され ており,今後は臨床治験につながる治療薬のさらなる 開発に発展することが大いに期待される. 著者の利益相反:開示すべき利益相反はない.





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