Cronkhite-Canada症

藤井 西村

浩◇ 伸治

候 群 の2剖

検 例

京都第一赤十字病院第三内科 鹿岳 研 岩佐 昇

西谷

定一

三好

松本

繁世

正人

稲富五十雄

TWO AUTOPSY CASES OF CRONKHITE-CANADA SYNDROME Hiroshi FUJII, M.D., Ken KATAKE,M.D., Noboru IWASA,M.D., Teiichi NISCHITANI, M.D., Shinji NISHIMURA, M.D., Masato MIYOSHIM.D., Isoo INATOMI,M.D. and Shigeyo MATSUMOTO, M.D. The Third Department of Internal Medicine, Kyoto First Red Cross Hospital 概要

Cronkhite-Canada症

候 群 は 外 胚 葉 性 変 化 を葎 つ た遺 伝 性 の な い消 化 管 ポ リポ ー ジ スで,現

で に29例 報 告 され てい る.わ

れ わ れ の2例 と も下 痢 で 発 症 し,脱

び,低 蛋 白 血 症 を 伴 い,胃,十

毛,爪

甲異 常,皮

在ま

膚色素沈着 およ

二 指 腸,小 腸,大 腸,直 腸 に著 明 な ポ リポ ー ジ スが み られ た.症 例1

の リンパ 管 造 影 で は全 く正 常 で,対 症 療 法 で20ヵ 月後 悪 液 質 で 死 亡 した.症 例2は 右 結 腸 切 除 術 と鮒 症 療 法 で 一 時 軽 快 した が,消 化 性 潰 瘍 の 出血 で71ヵ 月で 死 亡 した.本 症 候 群 に 伴 う低 蛋 白 血 症 は 血 漿 蛋 白 の消 化 管 へ の 漏 出 に よ る と され て い るが,わ れ わ れ の リンパ 管 造 影 所 見 と各 ポ リー プの 組 織 嫁 よ り,蛋 白 漏 出 は リンパ 管 とあ ま り関 係 な く,ポ リー プの 嚢 胞 状 に 拡 張 した 腺 管 腔 よ り直 接,ま た は, 間 接 に 起 こ る と思 わ れ る.外 胚 葉 性 変 化 の 原 因 と し て ビ タ ミ ン,ア ミノ酸,電 解 質 な どの 級 収 障 害, 血 漿 蛋 白 漏 出に よ る蛋 白代 謝 異 常,ま と思 わ れ る.ポリ

たは 内分 泌 系 の異 常 が い わ れ て い るが,本 症 候 群 に 固 有 な 変 化

ー プは腺 腫 性 ポ リー プ とか,炎 症 性 ポ リー プ と か,若 年 性 ポ リー プ に類 似 し てい る

とい わ れ て い る が,胃 の ポ リー プ の大 部 分 は 腺 腫 性 ポ リー プに 似 た 腺 管 の 増 殖 性 変 化 を 主 に 示 し,胃 の一 部,小 腸,大 腸,直 腸 の ポ ジー プは 若 年 性 ポリー プに 似 た 嚢 胞 状 腺 管 拡 張 を 示 した.本 症 候 群 の 半 数 は各 種 の治 療 に もか かわ らず 死 亡 して い る.治 療 に 際 して,鰐 症 療 法 を 選 ぶ か,手 術 療 法 を 併用 す るか,の 判 断 は 難 し く,個 々の症 例 で慎 重 に検 討 され るべ きだ と考 え る.

I.緒



Cronkhite-Canada症 候 群1),す な く中年 以 後 に起 こ り,脱 毛,爪

を えた の で 報 告 し,文 献 的 考 察 を 行 な つ た. なわ ち 遺 伝 歴 が

II.症

甲異 常,皮 膚 色

症例

1.57才



の 男 子.会 社 員.

素 沈 着,低 蛋 白血 症 な どを伴 う広 範 な 消化 管 ポ リ

既 往 歴:

特 記 す べ き もの な し.

ポ ー ジス の2症 例 を経 験 し,と もに剖 検 す る機 会

家 族 歴:

父 が 糖 尿 病.

現 病 歴 と経 過: 〔昭和50年2月10日 受稿〕 本 文 の要 旨 は 第85回 内科 学 会 近 畿 地 方 会(昭 年12月2正 日)で

発 表 し た.な

昭 和46年8月

回 に及 ぶ 水 様下 痢 が 続 き,9月 称49

よ り,1日

十数

よ り爪 甲 脱 落,皮

膚 色 素 沈着(と くに顔 面,手 掌,足 背,足蹠),味

お 症 例1は 第10回 日

覚 異 常 を きたす よ うに な り,10月 よ りほ ぼ 全 身 の

本 内 視 鏡 学 会 で 西 谷 が 発 表 し た も の と同 一 症 例 で あ る.

脱 毛 を み る よ うに な つ た.近 医 で 治療 を うけ た が (40)

日内 会 誌

第64巻

第6号

藤 井

浩他7名

575 表1.臨

便:潜

血(+)

虫卵(-)

腎 機能:

細 菌培 養 陰性 尿:蛋

自(-)ウ

ロビリノーゲ ン(正)

糖(-)沈



血沈:1°=18mm

異常なし

395×104

当 院 に 紹 介 され 入院 した.入 院 時 頭部,顔 頭 髪,眉

毛,腋

毛,陰

TG. PL.

205

79

mg/dl

分葉核

8%

好酸球

3%

104

0%

基 礎代 謝

35%

トリオソルブ

2%

1311.摂取 率

22×104

0.7

26 375

20.8% IO.3%

170HCS

0.2 mg/日

正常

17KS

1.1mg/日

Ch-E

43'

血 清 反 応:

Z.T.T.

3.6

CRP(+)

22×104

l.1BL単

LDH

+37%

副 腎 皮 質機 能:

ACTHテ

GOT

血 清 蛋 白:

ミノ酸 製 剤 と蛋 白同 化 ホル モ

145

甲 状 腺機 能:

リンパ 球

5

143

前60'120'180' 86

好塩基球

Al-P

に大 小 無 数 の ポ リー プ を 認 めCronkhite-Canada症

l.8

糖 負 荷 試験:

52%

TTT

消 化 管X線 検 査 と内 視 鏡 検 査 で 胃,小 腸,大 腸 候 群 と診 断 した.ア

8,400

桿状核

黄疽 指 数

み られ,顔 面 と下腿 に は 浮腫 が 認 め られ た.

4.6

3.8

コレステロール233

肝 機 能検 査:

く,指 趾 のす べ て の爪 甲 の 萎 縮 脱 落(写 真1)が

2.8

β-L

骨髄像

毛 は脱 落 して きわ め て 薄

P.

K Ca

12.2g/dl

骨 髄:有 核 細胞 数

部,四 肢 に は暗 褐 色 の著 明 な 色 素 沈 着 が み られ,

100

35.O%

血 小板 数

面,頚

141

ヘマ トクリット

単球

改 善 せ ず,体 重 も6カ 月 で11㎏ 減 少 し,47年3月

18%

血 清 電 解質:(mEq/L)

血色素

白血 球 数



10 mg/dl

PSP(15分)

Cl

赤血球数

甲 の 変 形,脱

BUN

Na

2°:40mm

末梢 血 液 像:

写 真1.爪

床 検 査 成績



スト

正常

RA(-)

ワッセ ルマ ン反 応(一)ASLO×12

GPT

29

血清鉄

Ac-P

0.3

胃液 検 査

4.4 g/dl

Alb

53% αl-G,

α2-G

16%

β-G. 10%

γ-G

l6%

A/G

P-Sテ 5%

182,血

清銅

104

:低 酸

ス ト:2因

子低 下

蛋 白漏 出 試験: 51Cr-ア ル ブミン 0.5%

1.1

ンの投 与 を 行 な い,下 痢,浮 腫 は 改善 し,発 毛 が み られ る.ように な り,皮 膚 の 色 素 沈 着 も 軽 減 し た.入 院 時 にみ られ た低 蛋 白 血症 と低K血 症 も改 善 し,全 身 状 態 の改 善 を み た の で6月 退 院 した. 以 後 外 来 治 療 で経 過 も良好 で あ つ た が,下 痢,浮 腫 が著 明 とな り,腹 水 もみ られ る よ うに な つ た の で11月 再 入 院 した.ア

ミノ酸 製 剤 と プ ラス マ の投

与 に よつ て 一 時 改 善 した が,48年1月 質 の ア ンバ ラ ンス が お こ り,3月

頃 よ り電 解

頃 よ り低 蛋 白 血

症 も増 悪 し,全 身 状 態 が 次 第 に悪 化 し,昭 和48年 4月5日

死 亡 した.全 経 過 は20ヵ 月 で あ つ た,

臨 床 検 査 成 績:

表1に

成 績 を 示 し た.血 血 清Kは2.8mEq/1と C1, P, Caは

清 蛋 白 は4.4g/tdlと

減 少 し,

低 下 し て い た が,血

い ず れ も正 常 で あ つ た.経

試 験 は 正 常.尿 た がACTH負

初 回入 院 時 の臨 床検 査

中17-KSと17-OHCSは 荷 試 験 は 正 常.テ

昭 和50年6月10日

口糖 負 荷 写 真2,リ

低値 であつ

ン パ 管 造 影,

脈 周 囲 リ ン パ 節,胸

トラガ ス トリン

刺 激 に よ る 胃 液 検 査 は 低 酸 で,P-Sテ 膵 外 分 泌 機 能 検 査 で は2因

清Na,

末 梢 リ ン パ 管,腹

部大動

管 等 に 異 常 を 認 め ず.

リ ンパ 管 造 影(写 真2)で は 未 梢 リ ンパ 管,腹 部大

ス トに よ る

動 脈 周 囲 リ ンパ 節,胸 管 な どに 異 常 は み られず,

子 の 低 下 が み ら れ た.

(41)

576

Cronkhite-Canada症

表2.臨

候 群 の2剖 検 例

床 検 査成 績

生 検 組 織 所 見;

胃十 二 指 腸,大

腸,直 腸 のそ

れ ぞ れ の ポ リー プか ら採取 した生 検 組 織 像 はす ベ て類 似 してい た.す な わ ち,腺 上 皮 が増 生 し,腺 腔 は拡 張 し,間 質 は 浮 腫 性 で 形 質 細 胞 や リ ンパ球 の浸 潤 が み られ た.手 指 の 皮 膚 色 素 沈 着 部 よ り採 取 した 生 検 組 織 像 で は 表 皮 基 底 細胞 層 にmelanin 色 素 の沈 着 が み られ た. 剖検 所 見:① 51Cr-albuminに

よ る 蛋 白 漏 出 試 験 は0

を 示 した.表2に た が,末

.5%と

身 の皮 膚 色素 沈 着,③

正常

C1

の 著 明 な 低 下 が み ら れ た.

消 化 管X線 検 査;

右 気 管 支 肺 炎,⑦

肝 炎,⑧

胸 水,腹 水.

大 動 脈 硬 化 症,⑨

前 庭 部 には 径1.5cmま

が 多 数 み られ た.空 腸 に は異 常 な く,回 腸 か ら大

食 道 に はポ リー プは み で の半 球 状

で の 扁 平 な ポ リー プ が多 数

散 在 してみ られ た(写 真4).胃

腸,直 腸 にか け大 小 様 々 な ポ リー プが 多 数 み られ

(写 真5,6)で

た.

ポ リー プの 組 織 像

は腺 上 皮 が 増 生 し,腺 管 の増 殖

が著 明 で軽 度 の腺 腔 の拡 張 が み られ,一 部 に は リ

内 視鏡 検 査 で は,胃 体 部

ンパ球 と形 質 細 胞 の浸 潤 を 伴 う浮 腫 性 の間 質 と嚢

か ら前庭 部 に か け て,比 較 的大 きさ が そ ろ つ た半

胞 状 に 拡張 した 腺 管 の見 られ る所 もあつ た.被 蓋

球 状 の ポ リー プが 多数 み られ,表 面 は浮 腫 性 で発 庭 部 で は表 面 が顆 粒

状 を 呈 した や や 大 きい ポ リー プが散 在 し,十 二 指 腸 球 部 で は 小 さな ポ リー プが 集簇 して い た.大 腸 内 視 鏡 検 査 で は 各 所 に 大 小 様 々な ポ リー プが み ら れ,多

くは 有 茎 性 で発 赤 が つ よ く一 部 に 白苔 の附

着 もみ られ た.

写 真4.胃,十

写 真3.胃

内 視 鏡 像,胃



ポ リー プが ぎつ し り並 び脳 回 転様 の所 見 を 呈 し,

られ,前 庭 部 か ら十 二 指 腸 球 部 にか け て ポ リー プ

赤 がつ よか つ た(写 真2).前

脱毛

下 垂 体,甲

られ な か つ た.胃 体部 に は 径0.5cmま

体 に わ た りけ ば 立 ち を 伴 つ た 粗 大 な顆 粒形 成 が み

消化 管 内 視鏡 検査;

毛),⑤

腺,前 立 腺,睾 丸 の萎 縮,⑥ 消 化 管 ポ リポー ジ ス;

食 道 に は異 常 な く,胃 は 全



指 趾 爪 甲変 形,④

(頭髪,眉 毛,腋 毛,陰

血 清蛋 白 と電解 質 の経 過 を示 し

期 に は 著 明 な 低 蛋 白 血 症 と と も にNa,

消 化 管 ポ リポ ー ジ ス,②

二 指 腸 の 肉 眼 的 所 見.

体 部 に は 半 球 状 ボ リープ 写 真5.胃

が ぎ つ し り並 ん で み ら れ る.

(42)

ポ リ ー プ の ル ー ペ 像.

(PAS染

色)

日内 会 誌

第64巻

第6号

藤 井

浩他7名

写 真6.胃 ポ リー プ の 組 織 学 的 所 見.腺 管 の 増生 が 著 明 で 腺 腔 は軽 度 に拡 張 し,間 質 に は リ ンパ 球,

577

写 真8.大

腸 ポ リ ー プ の ル ー ペ 像.粘

膜 固 有層 の

嚢 胞 状 に 拡 張 し た 腺 管 が 著 明 に み ら れ る.

形 質 細 胞 の浸 潤 が軽 度 あ る.

写 真7.大

腸 の 肉 眼 的所 見.

写 真9.大

腸 ポ リ ープ の 組 織 学 的 所 見.腺

殖 と と もに 腺 腔 は 嚢 胞 状 に 拡 張 し,中 を貯 留 し て い る.

上 皮 の脱 落 が一 部 に み られ た が潰 瘍 形 成 や 出 血 は

管 の増

に 粘液物質

み られ な か つ た.十 二 指腸 球 部 で は 径0.2∼0.3 cmの 小 ポ リー プが 多数 み られ,十 二 指 腸 下 行 脚 か

で嚢 胞 状 に拡 張 して い た.胃,小

ら,空 腸 に か け て は数 個 の ポ リー プが み られ た. 半 球 状 の ポ リー プが 多

固 有 層,お よび,粘 膜 下層 の一 部 で は軽 度 の リン パ管 拡 張 が み られ た が,筋 層,漿 膜 の リ ンパ管 や

ら直 腸 に か け ては 最

静 脈 は正 常 で あつ た.な お 消化 管 上 皮 の悪 性 化 は

回腸 では 径0.3∼0.5cmの 数 み られ,大 腸(写 真7)か 大 径1.5×1.5×4cmに

腸,大 腸 の 粘膜

どの部 分 に もみ られ なか つ た.

及 ぶ 有 茎 性 ポ リー プが 全

域 にわ た り多 数 認 め られ た.小 腸 や 大 腸 の ポ リー

症 例2.35才

プ の組 織 像(写

既 往歴:

特 記 す べ き こ とな し.

家 族 歴:

母 方 と父 方 の 両 祖 父 母,お

真8,9)で

は 腺 管 の増 殖 が著 明

で,腺 腔 は嚢 胞 状 に拡 張 し,PAS反

応 陽 性 の粘

の 男子.工 員.

液 を 内蔵 して い た.間 質 は 浮 腫 性 で リ ンパ球 や 形

父 が脳 卒 中 で死 亡.

質 細 胞 の 浸潤 が み られ た.被 蓋 上 皮 は各 所 で脱 落

現 病歴 と経 過:

昭 和42年4月

し,一 部 に は 嚢 胞 状 に拡 張 した 腺 腔 よ り内蔵 され

痛 が と き ど きあ る よ うに な り,7月

て い た 粘 液 が 直 接 腸 管 内 に流 出 して い る像 もみ ら

異常,食

欲不 振,全

よび,伯

頃 よ り下 痢,腹 上 旬 には 味 覚

身 倦怠 感,体 重 減 少 を きた し

れ た..小 腸 の絨 毛 に は萎 縮 が 軽 度 み られ た.肉 眼

7月 下 旬 に は 全 身 の脱 毛,爪 甲 の変 形,脱 落,全

的 に ポ リー プ形 成 の な い大 腸 粘膜 で も腺 腔 は 各所

身 の皮 膚 色 素 沈 着(顔 面,手 掌,手 背,足蹠

昭和50年6月10日

(43)

に著

578

Cronkhite-Canada症

候群 の2剖 検 例

明)が み られ る よ うに なつ た.某 病 院 で副 腎 皮 質

異 常 も み られ た.17・OHCSは

ホ ル モ ン,甲状 腺 末,蛋 白同 化 ホル モ ンの投 与 を う

17-KSは

け 腹 部 症 状 は 改 善 し,発 毛 と爪 の再 生 が み られ る よ うに なつ た.42年10月

上 部 消 化 管 透 視;

頃 よ り再 び 下 痢,脱 毛,

発 色 し なか つ た が

正 常 で あ つ た.

食 道 は 異 常 な く,胃 体 部 は

辺 縁 にけ ば 立 ち を 伴 う脳 回転 様 の 巨大 鐵 髪 が み ら

爪 甲脱 落,皮 膚 色 素 沈 着 を き たす よ うに な り某 病

れ,前 庭 部 には 大 小様 々な ポ リー プが 多 数 み られ

院 に入 院 した.消 化 管x線 検 査 と胃 内視 鏡 検 査 に

た.十 二 指 腸球 部 は ク ローバ ー状 に 変 形 し,径5

よ り胃,小 腸,大 腸 の ポ リポー ジス を 発 見 さ れ

㎜ の潰 瘍 が み られ た が ポ リー プは み ら れ な か つ

Cronkhite・Canada症 候 群 と 診 断 され た5).入 院 経

た.

過 中,腸 重 積 を併 発 し,結 腸 右 半 切 除 術 を うけ 術 ミノ酸 製 剤,副 腎 皮

胃内 視 鏡 検 査; 胃体 部 で は 全 体 に 亘 り浮 腫 性 の半 球 状 な い し球 状 の ポ リー プが 敷 石 状 に 並 び,

質 ホ ル モ ン投 与 に よ り腹 部 症 状 と皮 膚 色 素 沈 着 は

は 著 し く太 く,前 庭 部 で は や や大 きい ポ皺襞 リー

後 血 清 肝 炎 を 発 症 した が,ア

改 善 し,発 毛 と爪 の再 生 が み られ る よ うに な り退

プが 多 数 散 在 してい た.

院 した.以 後,外 来 治 療 を うけ てい た が,46年8

剖 検 所 見:①

消 化 管 ポ リ.ポー ジス,②

月 よ り右 上 腹 部 痛 を 訴 え9月 当 院 外 科 に 入 院 し,

身 皮 膚 色 素 沈 着,③

穿 通 性 十 二 指 腸 潰 瘍 と診 断 され,胃

髪),⑤

を うけ た.46年11月28日

・空腸 吻 合術

急 に 吐 血,下 血 を きた し

臨 床 検 査 成 績:表3に

炎,⑨

昭 和46年9月

の 入 院時

の 臨 床 検 査 成 績 を 示 した.血 清 蛋 白 は5,79畑 軽 度 低 下 し,血



脱 毛(頭

十 二 指 腸 お よ び 胃空 腸 吻 合 部 の 穿 通 性

出 血 性 潰 瘍,⑥

死 亡 した.全 経 過 は71ヵ 月 で あつ た.

爪 甲変 形,④

気 管 支 肺 炎,⑦

胸 水,腹 水,⑩

貧 血,⑧



右 半結 腸 切 除 術 後,⑪

胃空 腸 吻 合 術 後.



消 化 管 ポ リポ ー ジス;

食 道 に は ポ リー プは み

清 電 解 質 はNa, K, Clと もに低 値

られ なか つ た.胃 体 部 では半 球 状 ポ リー プが 敷 石

で あつ た.ま た 血 清 肝 炎 に よ る と思 わ れ る肝機 能

状 に並 ん で脳 回 転 様 の所 見 を 呈 し,前 庭 部 で は径 2cmま で の球 状 ポ リー プが 多 数散 在 性 にみ られ た

表3.臨

床検査成績

尿:蛋

自(一)

沈渣

50%

α1一 グ ロブ リン

暴常なし

486×104

血 色素

t2.291dt

ヘマ トクリット

39.5%

自 血 球数

to.500

桿状 核

60%

が 軽 度 にみ られ た.被 蓋 上 皮 の脱 落 や 出血 はみ ら

6〃

α2一



92〃

β.



8〃

γ一



A/G

れ ず リンパ管 の拡 張 も な か つ た.十

24〃 t.O

空腹時血糖

83m9/dl

ア ミラーゼ(血)

88単it/dt

19%

好 酸球

1%

Na

l25 mEqlL

好塩 基球

O%

K

2.7



Cl

82



Ca

4.O



血llWh数

られ,肛 門 側 に 行 くに つ れ て ポ リー プは大 き くか

血 清 電解 質:

20%

単球

二 指 腸,空

腸,回 腸 に は小 さな半 球 状 ポ リー プが散 在 性 にみ

分 葉核

リンパ 球

織 像 は腺 管 の増 生 が 著 明 で腺 腔 は軽

度 に拡 張 し,間 質 に は リ ンパ 球,形 質 細 胞 の浸 潤

5.7 9/dl

アル ブミン

糖(一)

末 梢 血液 像= 赤 血球 数

(写 真10).組

血 清 蛋 白:

便:潜 血(什}

o% 34×IO4

肝 機 能 検 査=

ワッセルマ ン反 応

(一)

Au。抗 原

(+》

ピリル ビ ン

1.6 m9/,」l

BUN

AI・P

3.6BL単

コレステロール

S74

ri

136





GOT

205単



トリグリセライド

GP'r 」DH

57 i26

f 〃

β-リポプ ロティン

tg mgldL

1.8mm

内 分 泌機 能: トリオソルブ t70HCS 17KS

32.3% (一) l2, I mg/日

写 真10.胃

(44)

の 肉 眼 的 所 見.

日内会誌

第64巻

第6号

藤 井

浩他7名

579

が み られ た.粘 膜 下 層 の リ ンパ 管 は 軽度 拡 張 して い た が,筋 層 や 漿 膜 の リ ンパ 管 に 異常 は み られ な か つ た.な お 消化 管 上 皮 の 悪 性 化 は どの部 分 に も み られ な か つ た. III.考



1955年CronkhiteとCanada1)に

よ り皮 膚 色 素 沈

着,脱 毛,爪 甲異 常 を 伴 つ た 消 化 管 ポ リポ ー ジス の2症 例 が初 め て報 告 され,1962年Calabro2)に よ り遺伝 関係 を認 めず,中 年 以 後 に起 こ り,消 化 管 の 広範 囲 に 及ぶ ポ リポ ー ジス,脱 毛,爪 写 真11.回

腸 の 有 茎 性 ポ リ ー プ の ル ー ペ 像.

甲異 常,

お よび,広 範 囲 な皮 膚 色 素 沈 着 を 伴 う症 候 群 と し て位 置 づ け られ て以 来,Cronkhite-Canada症

候群

と して 報告 され る よ うに なつ た.現 在 ま で に 自験 例 も含 め て29例 報 告(表4)さ

れ て お り,本 邦 で は

13例 で あ る.本 症 候 群 にお け る① 電 解 質 の ア ンバ ラ ンス,② 消 化 管 ポ リポ ー ジス,④

低蛋 白血 症,

外 胚 葉 性変 化,③ 予 後 と治 療 に つ い て若

干 の考 察 を 加 え てみ る. (1)低

蛋 白血 症,電 解質 の ア ンバ ラ ン ス

低 蛋 白血 症 は28例 中24例,3.0g/dl以 下 の低 ア ル ブ ミ ン血 症 は26例 中9例,A/G比 が1.0以 下 は 26例 中9例 に み られ た.低 蛋 白血 症 の 原 因 と考 え られ て い る血 漿 蛋 白 の 胃腸 管 へ の 漏 出 は15例 中13 例 に確 認 され て い る.し か もJarnum3)の ア イ ソ ト ー プを用 い た 血 清蛋 白 のturnover研 究 に よれ ば, 大 腸 が 血 漿 蛋 白漏 出 の主 な場 所 と 指 摘 され て い 写 真12.回

腸 ポ リ ー プ の 組 織 学 的 所 見.嚢

胞状 に

る.事 実,結 腸 切 除 術 に よ り改善 し た 症 例4)5)も

拡 張 した 腺 管 と リンパ 球,形 質 細 胞 の浸 潤 が 著 明 な浮 腫 性 の 間 質 が み られ る.

報 告 され て い る.一 方,胃

では 蛋 白 漏 出 は ほ とん

ど起 こ らな い3)とされ て い るが,胃

液検 査 で は15

つ 数 多 くみ られ た.回 腸 未 端 部 に は1×1×3cm

例 中12例 が無 酸 な い し低 酸 で あ る こ とや,胃 切 除

の有 茎 性 ポ リー プが み られ,横 行 結 腸 か ら直 腸 に

術 に よ り著 明 な改 善 が み られ た 症 例6)も 見 られ る こ とか ら,胃 内へ も蛋 白漏 出 が 起 こつ て い る と思

か け て は径1Cmま

で の半 球 状 ポ リー プが散 在 性 に

み られ た.十 二 指 腸,小 腸,大 プ の組 織 像(写

真11,12)は

わ れ る.血 漿 蛋 白が いか に して消 化 管 に 漏 出す る

腸,直 腸 の ポ リー

の か,そ の経 路 は まだ 不 明で あ るが,今

類 似 し,腺 管 の増 殖

井7)は腸

と とも に腺 腔 は 拡 張 し,中 に粘 液 物 質 を 貯 留 して

リンパ管 拡 張 に注 目 して い る.今 井 は1症 例 で腸

い た.被 蓋 上 皮 は 一 部 脱 落 し,嚢 胞 状 に拡 張 しだ

粘 膜 下 層 に著 明な リ ンパ 管 拡 張 が み られ た とのべ て い るが,わ れ わ れ の2症 例 で は,一 部 に粘 膜 下

線 腔 内 よ り粘 液 物 質 が 直 接 腸 管 内 に流 出 してい る 像 もみ られ た,間 質 は 浮 腫 性 で リンパ 球,形 質 細

層 の リンパ 管 の軽 度 の 拡 張 を み た だ け で,文 献 上

胞 の浸 潤 が 著 明 に み られ,一 部 に は 軽 度 の線 維 化

では 消 化 管 ポ リー プの 粘膜 固有 層 や 粘 膜 下 層 に軽

昭和50年6、月10日

(45)

580

Cronkhite-Canada症

候 群 の2剖

表4.Cronkhite-Canada症

管 造 影 の 記 載 は,わ

れ わ れ の1例

候 群 の報 告 例

パ 管 の 間 に は腸 リンパ 管 拡 張 症19)の よ うな深 い関

度 の リ ン パ 管 拡 張 が み られ た の は3例5)8)9)で,リ ン パ 管 正 常 と記 載 し て あ る も の が 多 い10).リ

検 例

係 は な い と思 わ れ る.鹿 住9)は ポ リー プ の嚢 胞 状

ンパ

に 拡 張 した 腺 腔 よ り腸 管 内 へ 粘 液 物 質 が 直 接 流 出

と 他 の1例7)だ

け で,わ れ わ れ の 症 例 で は 未梢 リ ン パ 管,腹 部 大 動

して い る像 を報 告 して い る が,わ れ わ れ の2症 例

脈 周 囲 ジ ン パ 節,胸

で もポリー プの被 蓋 上 皮 の 脱 落 が み られ た り,嚢

な か つ た が,今

管 の いず れ に も異常 は み られ

胞 状 に拡 張 した腺 管腔 よ り中 のPAS反

井7)は リ ン パ 管 造影 に 異 常 が み ら

れ た と の べ て い る.し

か し文 献 上,剖

応陽性 の

粘 液 物 質 が 直 接 腸 管 内 に流 出 して い る像 が み られ

検 し た12例

の い ず れ に も ジ ンパ 管 の 異 常 に つ い て は 記 載 が な

た.以 上 よ り血 漿 蛋 白漏 出 には リ ンパ管 もあ る程

い こ と な ど よ り,本

度 関 連 して い るか もしれ な いが,ポ

症 候 群 の血 漿 蛋 白 漏 出 と リ ン

(46)

日内 会 誌

リー プの 嚢胞

第64巻

第6号

藤 井

浩 他7名

581

状 に拡 張 した 腺 腔 よ り直 接 また は,間 接 に蛋 白 が

す る 例 が み ら れ る こ と7)8)16),血 清 電 解 質 正 常 で

漏 出 す る のが 主 な原 因 で,ポ

吸 収 不 良 の み ら れ な い症 例 に も外 胚 葉 性 変 化 が 起

リー プが大 き く数 が

多 い所 が蛋 白 漏 出 の主 な場 に な る と思わ れ る. 低K血

症 は24例 中10例,低Ca血

症 は11例 中6例,低Mg血

5例 み ら れ,低Na,低Cl血 は な い.し

み られ

症 は6例

れ な い こ と19)な ど よ り,本 症 候 群 の 外 胚 葉 性 変 化



は “an inherent part of the syndrome”3)と

症 が 入 院 時 み られ た例

か し 症 例1で

は 入 院 時 の 血 清Na,

清K,Ca,

だ が,経

P, Mgは

(3)

balance Mgの

例8)16),胃28例,十

Clま で も 異 常 を 示 す よ

よ うに な る も の と思 わ れ,る.Johnsonな

消 化 管 ポ リポ ー ジ ス

ポリ ー プ の 存 在 部 位 を み る と29例

低 下 を き た しや す い よ う

過 中 に は 血 清Na,

1例15),大

二 指 腸19例,小

腸27例,直

腸24例

studyに よ る と 便 中 へ の 電 解 質,殊 にK,Ca,

食 道1例,胃11例,十 腸 全 例,直

二 指 腸7例,小

腸11例

と よ り多 い.癌

み ら れ,2例14)が

な り電 解 質 ア ンバ ラ ン ス を き た す の で は な か ろ う

ー プ の 癌 化 の 疑 い と記 載 され1他

か.

癌 の 合 併 と考 え ら れ る.

例,爪

腸21例,虫

胚 葉 性 変化

の 合 併 は4例 の1例12)は

ポ リ ー プ の 組 織 所 見 は,1)良

甲 異 常 は29例 全 例 に み られ る.こ の 内改 善

所 見8)8)17)よ りcolitis

cystica superficialis18)とか,過

誤 腫 と考 え られ て

い る 若 年 性 ポ リ ー プ20)に類 以 し て い る.3)ポ

同 化 ホ ル モ ンな ど の投 与7例,手

ー プが 自 然 に 消 失 した り16),明

然 治 癒1例

術(胃 切 除,大

胚 葉 性 変 化 と内 分 泌 機 能 との 関 係 を み る と10例 に

の 見 解 が あ る.炎

甲状 腺,副

く消 失 す る こ と も あ る が,腺

腎 皮 質 機 能 検 査 が され て い て,い ず れ



らか な 改 善 を 示 し

た11)こ と よ り炎 症 性 ポ リ ー プ で あ る,な

で あ る.こ れ らの外

大腸

性 腺 腫 性 ポ リー

甲異 常10例 で あ り,改 善 の要 因 は ビタ ミン,蛋 白

腸 切 除)3例,自

に ポ リ

胞 状 腺 管 拡 張 と細胞 漫

潤 を 伴 つ た 浮 腫 性 の 間 質,の

毛8例,爪

腸8例,大

ポ リー プ の 癌 化,1例17)が

プ1)12)14)15)であ る.2)嚢

毛 は29例 中25

を示 した もの は 皮 膚 色 素 沈 着5例,脱



と全 消 化 管 に ポ リポ

漿 蛋 白 と問様 に 胃腸 管 へ の 電 解 質 漏 出 が 主 因 と

(2)外

中 食 道2

ー ジ ス は 広 く存 在 す る .剖 検 した12例 で み る と,

ど6)10)11)の

排 泄 が 増 加 し て い る と報 告 さ れ て お り,血

皮 膚 色 素 沈 着 は29例 中24例,脱

考 えた

方 が 合 理 的 と思 う.

C1は

正 常 だ が 末 期 に は著 明 な低 値 を示 してい る こ とか ら,血

白漏 出 胃腸 症 の代 表 例 で あ

る腸 ジンパ管 拡 張 症 な どに は外 胚 葉 性 変 化 が み ら

症 は18例 中14例

で 経 過 中 テ タ ニ ー を き た し た も の が5例 た.低P血

こ つ て い る こ と16),蛋

どの種 々

症 性 ポ リー プ に は 消 長 が あ り全 腫 性 ポ リ ー プ で も減

に もた い した異 常 は み られ ず,剖 検 例 で は8例 に

少 した り消 失 す る症 例 も報 告 さ れ て い る.わ

れわ

記 載 が あ り,そ の 内5例 に は 甲 状腺,副

れ の2症

茂18)

は み られ ず3例

腎に異常

に軽 度 の萎 縮 が み られ 悪 液 質 に よ

る2次 的 変 化 と 考 え られ る こ と よ り,内 分 泌 系 の 関 与 は考 え に くい.ビ タ ミン類(A,B2, チ ン酸,Cな

ど)の

例 の 各 部 位 の ポ リー プを み る と,折

やManousos6)の

症 例 の 所 見 と 類 似 し,胃

の ポ リー

プ の 大 部 分 は 腺 腫 性 ポ リー プ に 似 た 腺 管 の 増 殖 性

B6,ニ

変 化 を 主 に 示 し,胃

吸 収 不 良 に よる ビタ コミ ン

の 一 部,小

腸,大

腸,直

腸 の

ポ リ ー プ は 若 年 性 ポ リ ー プに 似 た 嚢 胞 状 腺 管 拡 張

欠 乏1)12),ビ タ ミン類 の 吸 収 障 害 と 蛋 白 代謝 異

と 細 胞 浸 潤 を 伴 つ た 浮 腫 性 の 間 質 が み ら れ た.従

常18)1の,爪 や 毛 の発 育 に 必 要 な ア ミノ酸 電解 質

つ て,ポ

の漏 出 に よ る欠 乏6)な どが原 因 と して あ げ られ て

リ ー プ は 腺 腫 性 ポ リー プ に 類 似 した 所 見

い る.し か し血 清 ビタ ミン値 を測 定 す る と正常 値

を 呈 す こ と も あ り,若 年 性 ポ リ ー プ に 類 似 した 所

を示 す 例 が あ る こ と3)6)15),糖負荷 試験 で 平 担 型

見 を 呈 す こ と も あ る と思 わ れ る.

を示 す の は15例 中2例 に くい こ と,外

(4)

にす ぎず,吸 収 障 害 は考 え

29例 中15例 が死 亡 して お り12例が 軽 快,2例

胚 葉 性 変化 が 胃腸 症 状 よ り先 行

昭和50年6月10日

予 後 と治療

(47)



582

Cronkhite-Carxada症 候 群 の2剖 検 例

不 明 で あ る.死 亡 例 の 内14例 が発 症 後4∼22ヵ



tinale mie

で死 亡 して い るが,わ れ われ の1例 は71カ 月 と長

polypose and

Adenomatose

ektodermalen

mit

Hypoproteina

Storungen.

32:254,1963.-5)吉

Radiol.

田 秀 雄 他:皮

clin.,

膚 症 状 を伴 つ

期 生 存 した.軽 快 例13例(わ

れ わ れ の 長期 生存 し

た1例 を 加 え て)の 内,1例

は 自然 軽快16》,2例

hite-Canada症

は 胃切 除 術 後6)11),

1969. -6) Manousos, 0. and Webster, C.U.: Diffuse gastrointestinal polyposis with ectodermal

は結 腸 右 半 切 除 術 後4),2例

た 非 家 族 性 消 化erpolyposisの

8例 が 附 症 療 法 で あ る.大腸 が 蛋 白 漏 出 の最 も重

changes.

る3)15)とされ て い る.発

症 後2年

8)赤

例 を検 討 す る と,確 定 診 断後 に結 腸 右 半 切 除 術 を 1例,胃

切 除 術 を1例6)が

群 の1剖

うけ て い る.対 症 療 法

わ ゆ るCronk

新 医 学,24

木 忠 厚,近 検 例,胃

:1990,

井 大 他:Cro

候 群 の2例,-と

ス の 組 織 所 見 に つ い て-,胃

以上 生 存 した5

例.最

Gut,7:375,1966.-7)今

nlthite-Canada症

要 な場 所 で大 腸 切 除 術 を 行 な うの は 理 論 的 で あ

一 例,い

候 群 の1症

く に,ポ リ ポ ー ジ

と 腸,8:783,1973.

藤 洋 一:Cronkhite-Canada症 -



と腸,7:1049,1972.-9)鹿

敏 他:Cronlthite-Canada症

候 群 の1剖

住 検 例,胃

と腸

だ け の も の が2例 で,他 の1例 は診 断 され る16年

9 : 1195, 1974. -10)Johnson, G.K. et al.: Cron khite-Canada syndrome: Gastrointestinal patho

前 に大 腸 癌 で結 腸 切 除 術 を うけ,さ

physiology and morphology. Gastroenterology, 63: 140, 1972. -11) Classen, M. and Rosch, W.: Endoscopic aspect of Cronkhite-Canada syndrome. Endoscopy, 3: 162, 1971. -12) Da Cruz, G.M. G.: Generalized gastrointestinal polyposis.: An unusual syndrome of adenomatous polyposis, alo pecia, onychorotrophia. Amer. J. Gastroenterol.,

らに8年 前 に

胃潰 瘍 で 胃切 除 術 して い る17)..一方,結 腸 切 除 術 後4例,胃

切 除 術 後i例

が,術 後 間 もな く死 亡 し

てい る.ま た 本 症 候 群 の死 亡 例 の半 数 以 上 が悪 液 質 で死 亡 してい る こ とな ど よ り,悪 性 化 の 頻 度 は 少 ない が,``clinical malignancy” と考 え られ る症

47:504,1967.-13)折

候 群 で,そ の治 療 に際 して対 症 療 法 を 選 ぶ か,手 術 療 法 を 併 用 す るか の 判 断 は 困 難 で,個

脱 毛,爪



低 蛋 白血 症,電 解 質 ア ンバ ラ ンス,

外 胚 葉 性 変 化,(3)消

C.:

An

autopsy case of Cronkhite-Canada's syndrome-ge neralized gastrointestinal polyposis, pigmentation, alopecia and onychotrophia. Acta. Path. Jap., 22: 171, 1972. -15) Johnston, M.M. et al.: Gas trointestinal polyposis associated with alopecia, pigmentation,and atrophy of the fingernails and toenails. Ann. Int. Med., 56: 935, 1962. -16) Kennedy, J.A. and Hirson, C.: A transient syn drome with Peutz Jeghers features and ectode rmal change. Proc. Roy. Soc. Med., 54: 234, 1961. -17) Koehler, P.R. et al.: Diffuse gas trointestinal polyposis with ectodermal changes.: Crohnkhite-Canada Syndrome. Radiology, 103: 589, 1972. -18) Ryall, R.J.: Polypoid hypertrophy of the gastrointestinal mucosa presenting as ulcerative colitis. Proc. Roy. Soc. Med., 59: 614, 1966. -19) Waldmann, T.A.: Protein-los ing enteropathy. Gastroenterology, 50: 422, 1966. -20) Ruymann, F.B.: Juvenile polyps with ca chexia. Report of an infant and comparison with Cronkhite- Canada syndrome in adults. Gastro enterology,57: 431, 1969.

Cronkhite-Canada症 候 群 の2剖 検例 を報 告 し, (1)

常 色 素 沈 着,

内 科,17:763,1966.-14)Shibuya,

々の症 例

に お い て慎 重 に 検 討 され るべ きで あ ろ う. IV.結

茂 肇 他:異

甲 の 脱 落 を 伴 う 消 化 管polyposisの1例,

(2)

化 管 ポ リポ ー ジス,(4)

予 後 と治療 に つ い て文 献 的考 察 を 行 な い若 干 の意 見 を の べ た. 文 献 1) Cronkhite, L.W. Jr. and Canada, W.J.: Ge neralized gastrointestinal polyposis: An unusual syndrome of polyposis, pigmentation, alopecia and onychotrophia. New Engl. J. Med., 252: 1011, 1955. -2) Calabro, J.J.: Hereditable multiple polyposis syndromes of the gastrointestinal tract. Amer. J. Med., 33: 276, 1962. -3) Jarnum, S. and Jensen, H.: Diffuse gastrointestinal polyposis with ectodermal changes. A case with severe ma labsorption and enteric loss of plasma proteins and electrolytes. Gastroenterology, 50: 107, 1966. -4) Zdansky, E. and Riederer, J.: Gastrointes

(48)

日内 会 誌

第64巻

第6号

[Two autopsy cases of Cronkhite-Canada syndrome (author's transl)].

臨 床 Cronkhite-Canada症 藤井 西村 浩◇ 伸治 候 群 の2剖 検 例 京都第一赤十字病院第三内科 鹿岳 研 岩佐 昇 西谷 定一 三好 松本 繁世 正人 稲富五十雄 TWO AUTOPSY CASES OF CRONKHITE-CANADA SYN...
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